芦の湯温泉


松坂屋本店

松坂屋本店玄関 松坂屋本店庭園

歴史的会見の碑

松坂屋本店廊下 資料室


 芦の湯温泉は、箱根七湯の1つとして江戸時代から栄えた温泉です。七湯の中でも 特に効能豊かな泉質として知られ、江戸時代の温泉番付の上位にランクされた温泉地 です。浮世絵にも湯治客で賑わう芦の湯の風景が描かれています。国道1号線旧道の 芦ノ湖と小涌谷の中間地点、駒ケ岳に近い高所にあり、箱根湯本や宮ノ下等の雑踏から 離れた静かな雰囲気があります。また、箱根旧街道が江戸幕府により整備される前の 湯坂路と言われる鎌倉古道沿いにあり、かなり古くから栄えていたとも言われています。
 この温泉には、松坂屋、きのくにやという江戸時代創業の老舗旅館があり、いずれも 源泉100%かけ流しの良質のお湯が楽しめます。このうちの松坂屋を平日の午後に 日帰り入浴で訪れました。(日帰り入浴は休前日を除く14時〜16時)

【松坂屋本店】
 松坂屋本店は、1662年創業の大変由緒ある旅館です。幕末の志士たちや明治の 元勲、文人らに愛されたことで知られています。広い庭園には、「木戸孝允と西郷隆盛の 歴史的会見の碑」や「獅子文六の碑」(獅子文六が小説「箱根山」を執筆した部屋が 残っているそうです)があります。きのくにやと隣接している昔ながらの旅館には、重厚 で大きな門柱、玄関ロビー、廊下、唐破風の玄関等、昔ながらの雰囲気が随所に溢れて います。また、玄関ロビーから大浴場へ向かう長い廊下の手前には、往年の資料や写真が 展示されている展示室があります。大浴場は男女別内湯のみのシンプルな構造で、熱めのお湯と温めのお湯の2つの浴槽があります。お湯はエメラルドグリーンの濁り湯で、硫黄の 香りがあり、100%源泉かけ流しです。ただし、全体的に温めで体にやさしい感じです。 オフシーズンの平日の14時にも関わらず、お風呂は結構混雑しており、歴史ある良質の 温泉の人気の高さ、あるいは連泊でゆっくり湯治される方が多いことが伺われました。 由緒ある旅館の雰囲気と良質のお湯を短時間ながら満喫し、老舗旅館ながら決して敷居が 高くない飾らない旅館の応対にも満足し、次回は是非泊まりでゆっくり訪れたいという 気持ちで帰路につきました。

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