小赤沢温泉
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長野県の北東部、新潟県境の栄村から新潟県津南町南部にかけては、秋山郷と呼ばれる、
雄大な大自然が残る山間の農村地域です。高い山と深い谷に囲まれた狭い道路に沿って民家が
点在する秋山郷には、北から逆巻、結東、小赤沢、屋敷、上野原、和山、栃川、切明の
温泉があります。その中で、赤い湯の高濃度温泉で知られる小赤沢温泉の楽養館を訪れました。
7月下旬の土曜日、津南町のひまわり畑を見学した後、狭い国道405号を約30分南下
し、秋山郷保存民家のある小赤沢で左折し、数分のところに楽養館はありました。お風呂は
内湯、打たせ湯、圧注浴、寝湯の4種類があり、内湯と寝湯は赤褐色の濃厚なお湯、打たせ
湯と圧注浴は透明マイルドなお湯です。赤褐色のお湯は、元々は透明であり、空気に触れて
色が変わるとのことで、内湯の湧き出し口からは、透明な間欠泉が時折炭酸ガスを吹き出し
ながら出ていました。赤褐色のお湯は、塩分と鉄分等の香りがし、かなり濃厚な感じですが、
実際に一般療養基準の2倍の高濃度であり、高い効能の泉質です。ただし、全般的にぬる湯
なので、濃厚な割りにマイルドな肌触りであり、体にやさしく殆ど汗もかかず、湯上りは
とてもさっぱりした感じです。また、石の湯舟と木目のレトロな天井と壁、赤い湯が見事に
マッチして、何とも言えぬ風情と味わいがあります。秘湯でありながら施設は非常に整って
おり、清潔感があります。
付近には苗場山や鳥甲山があり、登山客が多く訪れるようで、建物の外には登山客の荷物
置き場がありました。駐車場には薬師如来様が置かれ、温泉や登山客を見守っていらっしゃ
るようです。秋山郷へは、国道117号の津南町から南下する方法、野沢温泉から奥志賀ス
ーパー林道を南下する方法、志賀高原から奥志賀スーパー林道を北上する方法の3つのアク
セス方法がありますが、いずれも道路が狭いので注意が必要です。