ワーキングホリデーQ&A〈雪いちご私見〉


WHの経験や見解は十人十色、千差万別(?)。そこでWH関係の掲示板などで
よく質問される事柄を中心に、私の感想やアドバイスをまとめてみました。  

英語 お金 生活



「ワーホリ資金はどのくらい必要ですか?」
事を始めるに当って、まず気掛りなのは費用の問題。”一体いくら用意すれば海外で生活して行けるのだろう?”、誰しも疑問に思う所です。もちろん、現地でどんな生活を送るのか、何をしたいのかで必要な金額は全然違ってきます。そこで、大雑把な費用の目安をあげてみると、まず必要なのが航空チケット代。それから一月の生活費$800〜$1000×滞在予定月。その他、語学校へ行ったり、旅行をするのならその費用を加えます。ざっと見積もって100万円もあれば、1年生活していけるでしょう。もちろん、働くつもりであれば、そんなに必要ありませんし、もっと経済的(?)に過ごすことも可能です。ただ、日本とNZの労賃を比較すればその差は歴然としてますので、日本で費用を作って行った方が楽かな、とは思います。



「ワーホリ収支:雪いちごの場合」
私は90万円くらい用意しましたが(飛行気代別)、当時NZ$1=約88円程で両替して(私はNZ$7000の小切手と日本円T/C20万円で持ちこみました)、現地に持ち込めたのは合計約$9500程度でした。今なら日本円で50万円ぐらいでしょうか。国内旅行に約$1700、国外旅行(帰りのチケット代含む)に約$4500程度費やしたので、現地で賄えなかった費用は$3300くらい。9ヶ月働いて、その間はだいたい収入で賄えました。英語学校には行かなかったし、ホームステイ代はあまり掛らなかったし、・・・。車の購入や修理代等で$1000程度、後は生活を始めるにあたってのシーツ代とか、電気毛布代とか・・・、帰国時のお土産代とかね、細々としたところで結構足が出たみたいです。



「お金はどうやって持ち込めばいいのですか?」
大半のワーホリメーカー達は一財産抱えて(?)NZ入りする訳ですが、ここで問題になるのがお金の持ちこみ方。手数料や為替レート等、国際事情も絡んでなかなかわかりにくいものがあります。ざっと方法をあげてみると、

1)T/C(トラベラーズチェック)で持ちこむ
2)円送金システムを使う
3)ワールドキャッシュカードを作り、現地のATMで引出す。(引落は日本の口座)
4)日本で現地口座を開いて送金する。
5)NZで銀行口座開設後、お金を振り込んでもらう

こんなところでしょうか。現金で持ちこんだ、というツワモノもいるようですが(?)、結論から言えば、日本円T/Cを持ちこむのが、コスト面で一番お得のようです。T/Cを作る際手数料は掛りますが、交換時のレートも現金より良いので、何の手数料も掛らない現金よりさらに多くの外貨が手に入ります。(例えばH13.9.10のBNZ銀行のレート:T/C 53.61円、Cash 54.8円の場合。T/C10万円+手数料1% ¥1000で交換すると約NZ$1865。現金¥101,000で交換すると約NZ$1843。$22程お得。)
また、T/Cなら、為替レートが有利な時を自分で見計らって交換できるし、日本に持ちかえる際も為替リスクや手数料による資産の減少を防ぐことが出来ます。盗難・紛失の場合は再発行してもらえる点も安心です。ただデメリットとして、サインを入れる等作業が多少煩雑になることや、再発行には予めチェックにサインがある等の条件が必要なこと、再発行手続きもそれなりに煩雑であるなど、一応考慮しておく点もあります。

円送金システムについては、私は使用した事がないので見聞きした程度の情報しかありませんが、円建てで海外送金してくれるのがミソのようです。T/Cの場合も同じですが、基本的に外貨交換は日本より海外でした方がレートがいいです。本来為替レートは自国の評価が一番高いものらしいですが、日本の場合は人件費等コスト高を反映してか、単に差益を取り過ぎなのか、交換レートが悪いです。

円送金システムには手数料がかかりますが(為替レート上に利益を上乗せしてるかもしれないけど)日本の銀行でNZ$建てで送金するよりは安いようですし、口座の開設や送金手続きをサポートしてくれるようなので、手間をかけたくない人は助かるかもしれませんね。ただ、過去にトラブルがなかったわけではないようです。大半の人は大丈夫みたいですけど。

たくさんのお金を持ちこむ必要がなくて簡便なのは各銀行のワールドキャッシュカード。現地のATMでお金を引出すと、日本の口座から自動的に引き落としてくれます。ただし、引出し毎に手数料がかかること、換金が日本のレートで摘要されることを考えれば、コスト面では不利になります。一回の引出し金額等いくつかの制約もあるようです。


日本から現地の銀行口座を開いて、送金してしまう方法もあります。口座開設手数料が¥5000、送金電信料に¥4500程かかるようです。(ANZ銀行などのサービスで、遠方からでも手続きが取れます。)日本の交換レートが摘要されますからコスト面では不利になりますが、信頼面、安全面は高い方法でしょう。ただ、現地での銀行口座開設はそれ程煩雑な手続きが必要なわけでもありませんので、日本で開いて行かなくても大丈夫じゃないかな、と思います。生活をはじめてみたら、近くに開設した銀行がなかった、なんてこともあるかもしれませんしね。

ただし、これらの見解はあくまで為替レートが動かない想定で比較したものなので、相場の変動によって損した、得したは大きく違ってくることを忘れないで下さい。為替相場なんてほんと、運です。私がNZ入りした11月のレートはNZ$1=約85円でしたが、4月頃からジリジリと円安になり、8月には93円まで上がって、シメシメと思っていたら、イラクのクウェート進攻で一気に円高。(理由はわかんないけど。)結局78円くらいのレートで交換しました。早く替えとけば良かったぁ〜、と涙涙の雪いちごでした。(しかし、ほとんどのお金を帰国時の旅行で使い果たした私には、得はしなかったけど、損にもならなかった、というのがほんとのところかな?)



「外貨交換は海外で」
前項でも述べたように、外貨に換えるなら海外でした方がいいです。つまり、日本円で持ちこんでから現地で両替する方法です。どのくらい差があるのか例をあげますと、日本のANZ銀行のT/Cレート(H13.9.10)は54.6円、NZのBNZ銀行は53.61円。NZ$1につき0.99円違いますから、10万円で$34程差がでます。この差を大きいととるか、たいしたことないととるかは人それぞれなのですけどね。

ちなみに、交換レートはNZでも日本でも各銀行によって微妙に違っていますので、大きな金額を替えるときには比較した方がいいかもしれません。
銀行の為替レートを比較したい方は次の銀行のHPを参考にして下さい。

ANZ銀行(日本語) 
海外の口座開設、送金サービスや、為替レート表など、情報が豊富でわかりやすいです。

第一勧業銀行
詳細な為替レート表があります。比較に便利。

BNZ銀行(英語)
「calculate:exchang rate」のページに入ると、両替計算ソフトがあり、金額や通貨名を入れるだけで簡単に計算してもらえます。

TNB銀行(英語)
為替チャート表など、為替レートの動きが一目でわかっておもしろい。ちなみに、雪いちごが開設したのはここの銀行。ちょっと愛着が・・・。



「銀行口座の開設」
NZに到着後、まず済ませておきたいのが銀行口座の開設。T/Cとは言え大金を持ち歩くのはやっぱり落ち着かない。銀行の窓口に出向いて口座開設(Open account)の旨を告げれば担当者が出てきて個室(?)へと案内してくれます。申し込みに際しては、2種類のIDが必要になります。パスポート、国際運転免許書、クレジットカードなど忘れず持っていきましょう。また、預金口座は滞在期間が6ヶ月以上でないと開設できない銀行もあるので、聞かれたら”1年”と答えておく方が無難です。申し込み書のフォームを埋め、サインの登録等を済ませれば完了、それ程手間は掛かかりません。ただし、住所の記入が悩ましいかも。私はホームステイ先を記入しましたが、YHやホテル住まいの人はどうなのかな?(経験された方、教えてください)私の時は、通帳(預金・引出票が綴りになってる台帳)はその場でもらえたけど、カードは後日支店まで取りにいかなければなりませんでした。日本のように郵送してくれないんだぁ、とびっくり。さて、多種類の口座について、エフトポス他、銀行のサービスについて順に説明します。



「どの口座を選びますか?」
”口座を開くのは簡単”と言いましたが、”一番自分に有利な口座を開く”となると、ちょっと頭をひねらなくてはなりません。各銀行にはそれぞれサービス料金や利息の違う数種類の口座があります。ネットで手数料まで調べられるので、ここではTNB銀行の口座を簡単に説明します。(H13.9.18のサービス状況)



<Current Account>

一番利息が低い口座。小切手を使う場合はこの口座を開きます。
      

<利息>$500未満 0.5%  $500以上 1%

〔オプション1〕
 口座維持費: $3/月(1ヶ月の平均残高が$1000以上なら無料)
 ATM,EFTPOS: ¢25/回
 窓口、小切手  : ¢50/回

 〔オプション2〕
 口座維持費   : $10/月
 ATM,EFTPOS: 無料
 窓口、小切手   : ¢50/回
   
 
〔オプション3〕
 口座維持費  : $15/回
 ATM,EFTPOS,窓口、小切手: 無料



<Classic Saver>

利息は低めですが、少ない金額から口座が開けるので日本の普通預金の感覚かな。

<利息> $500未満 1%  $500以上$5000未満 1.25%
  $5000以上$10000未満 1.5%  $10000以上 2.25%

 口座維持費:$2/月(1ヶ月の平均預金残高が$500以上なら無料)
 預金     :無料
 ATM     :¢40/回
 窓口、小切手:$2/回


<Thoroughbred Select>

$5000以上の預金残高がある場合は、口座維持費も、各サービス手数料も必要ない上、高利息のお得なアカウント。
(”Throughbred”は馬の血筋が良い意味で使われる言葉で、この銀行の馬のマークがらみでつけられた名前のようです。深い意味はないんじゃないかな?)


<利息> $5000未満 0%  $5000以上$20000未満 4.5%
     $20000以上$50000未満 5%  $50000以上 5.25%

  口座維持費:$15/月(1ヶ月の平均残高が$5000以上なら無料)
  全ての取引手数料: 無料


<Thoroughbred Saver>

小額から比較的高い利息で預金できるアカウント。ただし、引出しは月1回は無料ですが2回目以降の高い手数料が掛る、貯蓄の目的の口座になります。
      

<利息> $500未満 2%   $500以上$5000未満 3%
        $5000以上 4.25%

  口座維持費:$2/月(1ヶ月の平均預金残高が$500以上なら無料)
  預金      : 無料
  ATM、窓口  :$5/月(1回目は無料。2回以上引出すとチャージ)
  自動支払   : 25¢/回 (自動引出し毎に料金が発生します) 



<Thoroughbred Goal Saver>

1ヶ月お金を引き出さないで、さらに$20以上の預金をするとプレミアム利息が加算される究極の(?)貯蓄口座。ワーホリメーカーにはあまり関係ないかもしれないけど、貯金ができるほど稼ぎのある人には利用価値のあるアカウント。

 <利息> $500未満 0%  $500以上$1000未満 1%
      $1000以上$5000未満 2.25%  $5000以上 3%

      この利息にプレミアム利息2%が加算されます。

  口座維持費:$2/月(1ヶ月の平均預金残高が$500以上なら無料)
  預金      : 無料
  ATM,窓口:$5/月
(1回目は無料。但しプレミアム利息がつきません。2回以上引出した場合に手数料が掛ります。)
  自動支払   : 25¢/回 (自動引出し毎に料金が発生します) 



<Term Investments(deposit)>


一定期間引出さない条件の預金。日本の定期預金の感覚で私は使ってましたが、投資の一種になるのかなぁ。利息は固定されていると思います。(確認してみてください)期間は30日〜5年まで、金額は$500以上から。

 <利息>      30日  90日   6ヶ月  1年

$500-$1999     −   1.00   1.00   1.00
$2000-$4999    −    2.00   2.00   2.00
$5000-$9999    3.50   5.45   5.55    5.60
$10000-$49999  3.75   5.60   5.70    5.50

以下省略。期間は他に60日、100日等、細かく分かれてます。

以上、大雑把にこんなところです。各銀行それぞれの名前が口座名に付けられていますがだいたいの内容は似たり寄ったりになると思いますので、参考にしてみて下さい。

後、口座が借り越し(マイナス)になってしまった場合の延滞利息についても口座によって差がありますので心配な方は確認してみてください。



「お金の預け方:雪いちごの場合」
私ははじめにSaving Account とTerm Deposit の口座を開きました。当時はSaving Account とCheque Account、Term Deposit くらいしかなかったんじゃないかな?Saving Account は口座維持費も預金・引出の手数料も掛かりませんでした。滞在前半にキープするお金は結構な額になりますので、定期預金のつもりTerm Deposit に3ヶ月と6ヶ月に分けて預金しました。当時の利息は10%くらいあったんです!今じゃ考えられませんよね。ふっ〜。
その後フラッティングを始めた折、毎月の電気料&電話料を払いこみに行くのが面倒なばっかりにパーソナルチェックを作りました。チェックなら郵送でOKだったので。Cheque Account は毎月口座維持費がかかりますが、結構便利でした。今はEFTPOSもあるし、強いてワーホリメーカーが利用する事もないかもしれませんけど。帰国に際してちょっと失敗しちゃったしね。(この話は後日失敗談にまとめます)



「EFTPOS」
銀行のカードでスーパーの買い物が出来て、お金まで引出せちゃうサービスです。日本のデビットカードのようなもの。代金は銀行口座から自動的に引き落とされます。現金を持ち歩かなくても良く便利ですが、頻繁に使用される方は引落手数料が掛らないか少なくて済む口座を引落口座に選んだ方がいいでしょう。



「パーソナルチェック」
個人が使用できる小切手です。私がいた当時KIWIは頻繁にこのチェックを使用してました。スーパーの支払いに、電気代や電話料の支払い。ちょっとした個人同士のやりとりや(部屋代とかね)、私達の毎月のお給料もチェックで支払われました。受け取ったチェックは一旦銀行に預金しなければいけませんでしたが、現金よりかさ張らず、扱いやすかったです。使いすぎの心配はありますけどね。近くに自分の取引銀行がない時は、パーソナルチェックを銀行窓口で切って現金を手に入れることもできます。(中にはパーソナルチェックを受け付けていないお店もありますから。うちのお店がそうでした。盗難チェックだと換金できないので、受け付けない事にしたそうな)”日本にもあればいいのにぃ”といたく感心して帰国したものです。



「外貨交換は銀行で」
海外旅行の鉄則(?)なので今更説明するほどの事でもないけど、T/Cや現金の日本円をNZ$に交換するならホテルやお店で交換するより銀行で交換した方がうんとレートがいいです。これは、ホテルやお店はサービス上外貨交換をするけれど、結局彼らも銀行にお金を持ち込むことになるので、為替の変動によるリスクを受けないよう高めのレートを付けざるを得ないためです。時には1日で10円近くも変動が起きる事もありますから。(例のクウェート進攻のときとか。)私が働いていたお店では銀行の現金レート+2円&$で交換してました。T/Cでも同じレート・・・。なので、なるべくお店では外貨T/Cは使わない方がいいですね。