NZ生活失敗談集<フラット時代>



食器洗い

 比較的順調な(?)滑り出しをみせた私と家主Aとの同居生活。初めての衝突は食器洗いが原因でした。

 同居生活の取り決め事は、
  1)夕食は当番制で一日交代で作る。(ただし私の仕事が夜番の時は別々に作る)
  2)食料品、日用品は休日に一緒に買出しに行って、半分づつ負担する。
    (ただし主に個人の趣味で使うものは個人の支払いで。当たり前なんだけどね)
  3)電気代、電話代は折半。(国際電話は明細書でわかるので好きなだけ使ってね、と言われました)
       そんなところかな?

 さて、同居して最初の2週間は夜番だったので、食事の当番制が始まったのは3週目から。お互い相手の作る料理に興味深々でなかなかなごやかな日々が過ぎて行きました.ところが、ある週末の朝、家主Aからクレームが。私が彼女の洗い終わって放置してある食器を片付けない内に、洗った食器を重ねるのでまた濡れる、片付けてからにしてくれ、というのだ。(なんで彼女の片づけまで私がしなくちゃいけないんだ、片付けてあげる時もあるんだよ。)と思いつつ、"布巾でふいて自分でしまえばいいじゃない" というと、"石鹸がきれてからじゃなきゃしまえない。だいたい、○○○(私の名)の洗い方はお湯を使いすぎよ!シンクにお湯を溜めて、洗剤を入れ、スポンジで汚れを落として水切りに置く、これでいいの!"と見本を見せる彼女。"それじゃあ洗剤が残ってるじゃない、ちゃんと洗い流さなきゃ!"ともめている所に、彼女の妹Jが顔を出した。Jは日本滞在経験のある、ポリテクの英語クラスの教師。二人の話を聞いて、日本ではお湯をたくさん使って食器を洗うことは良く知っているけれど、ここではタンクの湯がなくなってしま うのでやめて欲しいこと、一方、NZの洗剤を洗い流さないやり方は化学物質が体内に入る可能性があるので問題があることをそれぞれ説いてくれました。ちょっぴりわだかまりつつも、折れざるを得ない二人。結局、水で洗い流すなら良い、ということに落ち着きました。いやー、Jがいてよかった。ひとりじゃ、とても説明しきれなかったもの。


  ごはん炊き

 食器洗いはお互いの言い分があったといえるけど、一方的に私が悪かったと思う失敗談はご飯炊きでこがしちゃったおなべ。

 NZにある程度の期間滞在する日本人が誰でも経験するのが(?)おなべのご飯炊き。意外に短時間でおいしいご飯が食べられる。作り方は至って簡単。お米を洗ってなべに入れ、中指の第一関節くらいまで水を入れて、ふたをする。お湯がぐらぐら沸くまで強火にかけて、その後弱火に。ぷつぷつと乾いた音が聞こえたら(15分くらい?)火からおろして、蒸らす。炊飯器にかけるより短時間で出来ちゃうんじゃないかなー。

 ただし、この火からおろすタイミングに遅れちゃうと当然ながら鍋がこげちゃうんですよね。水につけて置いて磨き粉でこすれば、ホーロー製の鍋ならちゃんと落ちるんですけど・・・。ある日、鍋を洗おうと流しに行ってみると水を張っておいたおこげの鍋がない。あちこち家の中を捜すと、外のごみバケツ脇に置いてありました。えー、これ捨てるつもりだったのー!?磨けば落ちるよねぇ・・・、とごしごし。ちゃんときれいになりました。しばらくして、再びなべをこがしてしまいました。いつものように水を張って置いておくと、翌日またまた見当たらない。この時は間に合わなくて、なべは行方知れず。きっと捨てちゃったんだろうな、勿体無い。いずれにしろ私が悪いのでなべを一つ買ってきて、ご飯を炊く時は必ずそれを使うことにしました。このなべに関する文句は彼女から一言も言われませんでした。逆に言ってくれれば、磨いてあげられたのにな、とも思うんですけど。
教訓:ご飯炊き用には専用なべを自分で用意しよう(?)


玄関ドア改訂版

 失敗談と聞いて外せないのがこれ!「フラット探し」の”フラットを借りる”で登場した友人Mと同居人SのNZ生活が始まって間もない頃の失敗談です。


 友人Mと一緒にシティで夕食をとった晩のこと、私は帰りしな立寄った彼女のフラットで同居していたSからお茶に誘われた。当時まだ二人がワーホリ生活をはじめて間もない時分で、ここでの生活の事やワーホリをすることになった日本でのいきさつなどしみじみと語りあううち、すっかり夜も更けてしまった。そろそろ、と腰を上げる私をMが見送りに出てくれた。「私、かぎ持って出ないから、ドアあけてね。」Sに声を掛ける。Sも玄関ドアまで送ってくれた。友人達と別れるのがなんだか名残惜しい気分の夜。ちょっぴり不安を感じつつも私は暗闇の中にペダルを漕ぎ出した。ひっそりと静かな住宅街を自転車で猛スピードで駆け抜ける。ベッドに入ってホッと一息ついた頃彼女達は・・・。

 友人Mが玄関ドアの前まで来ると、Sがすまなそうな顔をして「どうしよう・・・」とつぶやいた。「どうしたのよ!?」Mの胸に不安がよぎる。「いやね、ぼくNZに来てから星をみたことなくて、外に出てみたらきれいに星がでてるだろ?もっとよくみようと思って、部屋に戻ってジャケットを着こんだんだ。それでもう1度外に出て、ドアを開けっ放しにしておくと部屋が寒くなるといけないと思ってドアをしめて。バタンとドアの閉まる音を聞いたとたん、”あっ!”と思って・・・」 「信じられない!かぎ持って出ないっていったじゃない。どーしてドア閉めんのよぉ」くらくらとめまいを覚えるM。オートロックなどとしゃれたものじゃない。実はNZの玄関ドアの外側にはノブがついていないのです。だからカギなしではドアの留め金を外す事ができなく、室内に入る事ができないの。「あ、ぼく今朝トイレのドア開けたからそこから入れるかもしれない!」裏口にまわるS。彼女達のフラットは4軒長屋の3軒め。よその家の裏木戸を通り抜けながらたどりつくも結果はバツ。ちゃんと出かける前に点検するもの、とMがっかり。この際Sは見捨てて友人宅に転がり込むかと思案を巡らせる彼 女だったが、結局は窓1枚あきらめて中に侵入することに。手ごろな大きさのレンガを探し出した二人は「一番安そうなのにしてよね」と割る窓を検分。ねらいを定めて降りおろす。ゴーン、ゴーン、ガシャーン。いかにも割ってますよーの音に”おい、おい、近所の人が警察呼んだらどーすんだよー”とひやひやのM。なんとか割れたところから裏口のノブに手をかけ、ドアを開けた。やれ、やれ。われたガラスを片付け、拾ってきたベニヤ板で穴をふさいだ二人はやっと長い長い夜に終止符をつけることができたとさ。

 翌日不動産屋に連絡すると、”それは気の毒だったね”とすぐガラス屋さんに連絡をとってくれた。修理代$100は勿論Sの支払いだった。教訓:例え友人の見送り程度でも、外に出る時は必ず鍵を持って出よう! 
   


 タックスリターン
 
 
お土産屋の店員をしていた時、バイト料は週払いで、税金は天引きされていました。この所得税、申告すればいくらかもどってくると聞いたので、絶対にするぞー、と思っていましたが、NZでは3月が年度末になり、2月から10月まで働いた私は2期に渡って仕事をしたことになるため、申請を2回に分けてしなければいけませんでした。”ちょっと面倒だなぁ、一回でしてくれれば良いのにぃ、”とこぼしつつ、郵送されてきた申告用紙の穴埋めを辞書を引きつつ試みました。しかし、計算の仕方が今一つわからない。結局タックスオフィスで記入してもらうことにしました。オフィスでは女性の担当者が書きかけの申告書をチェックしてくれました。そして電卓をたたき出し、さらさらっと用紙に数字を書き込む。”はい、ここにサインしてね。これが計算結果よ””$8かぁ、してもしなくても同じだったかな・・・。あれ?これ、戻ってくるんじゃなくて、払うの!?”あっけにとられる私。でも今更引っ込みがつかない。そのまま申請書を提出して帰りました。
 税金が足りなかった原因はNZに滞在した期間が短く、計算に使われる月数が少なかったためのようです。私より一月余分に働いた友人は入国日を偽って実際より長く滞在したように申請し、$500税金を戻してもらったとか(?)。私の失敗を聞いていた別の友人は計算してもらった結果を聞いて、”もう一度チェックしてみますぅ”と申請用紙を持ちかえり追徴を逃れました。タックスリターンの申請に行って、お金を払ったのは職場では私だけ。きっと後のワーホリメーカー達に”してはいけない失敗談”として語り継がれた事でしょう(?)ちなみに帰国に際しての所得申告では$40程税金が戻ってきました。差し引きプラスで良しとしよう(?)。
 教訓:還付目当ての所得申告は慎重に・・・?。(申告するのがスジなんだけどねぇ)