NZ生活失敗談集 <ホームステイ時代>

NZ生活の中で起こした失敗談は数知れず(?)。英会話力の不十分さが原因となることも
多かったのですが、元来おっちょこちょい者の雪いちごの体験談を並べてみました。 
 


 飛行場で 

 最初の失敗談は、NZ到着直後のこと。NZ出国のチケットを日本でなくAus行きでとっていた私は、その点でクレームがつきはしないか、持ち物で引っ掛りはしないか、どきどきしながら入国審査に向かいましたが、思いのほか簡単にパスしてしまい、気がついたら空港の外。あわててロビーに引き返すほどあっけないものでした。ロビーは国際便が到着した割には人で込み合うというほどでなく、きょろきょろと周りを見回すけれど迎えらしき姿は見当たらない。つかの間の賑わいは瞬く間に消え去り、ぽつんとひとりロビーに取り残される私。とりあえずソファーに腰をおろし、バックパックにもたれかかってつぶやく。
”うーん、ほんとにお迎えくるのかなぁー”

 私の滞在予定先は半年前京都のYHでたまたま知り合ったKIWIの親子宅。”NZでWHするなら家にいらっしゃい”の言葉に甘えて、飛行機の到着日時を連絡しました。”家までの交通機関を教えてね”の問いに返事がないまま日本を離れることになったのですが・・・。20分も待った頃、とりあえず住所先までの行き方を教えてもらおうと、近くにあったマウント・クックのカウンターに行きました。

 「残念だけど、この住所は不便なところにあって、空港からバスはでてないの。家の人に車で迎えに来てもらった方がいいわ。」カウンターのお姉さんはとっても親切で、電話番号を調べてあげる、と電話帳を開いて、電話までかけてくれた。「留守だわ・・・」気の毒そうに私をみる。おお、これ以上お仕事の邪魔をしてはいけない!「だ、大丈夫。自分で掛けなおしてみます」電話帳を受け取り、ダイヤルをまわす。受話器の向こうにベルの音だけが鳴り響く・・・。”そういえば、すごい田舎だけどかまわないか、って言ってたもんなー。タクシーじゃすごくお金掛りそうだし、街までバスで行って、それからその本数の少ないバスに乗るしかないかなぁ。とりあえず電話番号はわかったし・・・”思案にくれているその時、ふいに背後から「○○○!」と私の名を呼ぶ声が。はっと振りかえるとそこにはなつかしいJの笑顔。”よかったぁー”抱きつきながら安堵のあまり全身の力が抜けそうになりました。


 ちなみに、わたしが彼女達に会えなかった訳は、飛行機の到着時間が一時間も早かったせいらしい。機内で現地時刻がアナウンスされた時、聞き取れなくて”えー、何時?何時?”と思っていたのに、その後確認しなかったのが裏目にでました。まさか飛行機が早く着くなんて。遅れることがあっても早くなるとは夢にも思わなかった雪いちごの失敗談でした。
  


 シャワー

 日本人が留学や海外旅行に出て問題になるのがシャワーの使い方。お湯の使いすぎでクレームが  つくと耳にしたので、十分気をつけるつもりだったのですが、やっぱり注意されてしまいました。NZ滞在3,4日目ぐらいのこと、Jに呼ばれて外に出ると、彼女は羊の柵の脇にある排水溝のようなものを指差し、”ここに水があふれてるでしょ?これはシャワーの使い方が悪いのよ”と注意された。いまだに排水溝とシャワーの関係は定かでないのだけれど、それからしばらくは毎日のように排水溝を覗きにいきました。やっぱり水はいっぱいたまってるような気がしたのだけど・・・。

 なぜお湯の使いすぎが問題になるかといえば、即時にお湯を沸かして供給される日本の湯沸しと違って、海外ではタンク内で時間をかけて温められたお湯が蛇口から出てくる。このタンクに溜められる湯の量は決して多くはないので、日本人が普段するように流しっぱなしで体を洗ったり洗髪したりしていたらたちまちタンクの中はからっぽになってしまう(?)という訳。シャワーを使おうと思ったらお湯がでない、なんて誰だって嫌だものね。家族の人数が多い家では朝と晩に分けて入ることもあるそうです。

 それじゃあ、お湯をこまめに止めればいいのね、と実行してみると・・・。さ、寒〜い!NZはお湯にあたらないで体を洗ったり、洗髪したりするのに合った気候だとは言いがたく、ぶるぶる震えながら石鹸を使うはめに陥ります。北島では暖かい地方もあるかもしれないけど、冬のch−chでシャワーを浴びるなんていったら・・・。この一年でからすの行水がすっかり身についた私です。一応浴室に温風ヒーターがついていたのだけど、風のあたるところがほんの少し暖かいだけなの・・・。トホホ。日本のお風呂が限りなく恋しくなるNZのシャワー生活です。


  訛り(Kiwi English)
   
 NZにはNZの訛りがあるとは聞いていたのだけど、京都で長女Kと話した時には別段気になりませんでした。だからその程度のものでしょうと思っていたら・・・。

 NZのJ宅で滞在中一番世話を焼いてくれたのは次女のS。大学生で自由な時間が多かったこともあり買い物に、お使いに、とよく街に連れ出してくれました。なかなかスムーズに単語が出てこない私の話によく耳を傾けてくれたし、どこまで理解できているかわからない私に簡単な言葉を選んで根気よく説明してくれた彼女。一生懸命聞き取ろうとはするけれどなお理解できない自分がはがゆく落ち込むことも度々ありました。
  
 ところがある日ゼスチャーを加えつつ説明を続ける彼女を見ていてはっと気づいた。”make(メイク)”が”mike(マイク)”の発音になってるんだ!実は三女のBFがマイクという名前で常々”なんでここでマイクの話が出てくるんだろー”と不思議に思っていたものです。”とぅだい(today)””グッダイ(good-day)”のうわさは聞いていたけどまさかこんなによく使われる動詞まで及んでいるとは・・・。これで一気に会話が聞き取れるようになった訳では(絶対に)ありませんが、全然話が聞き取れてなかったわけじゃないんだと、気分的に落ち着きました。多分、もっと英会話力のある人なら文脈の前後から判断がつき、こんなに戸惑うこともないのでしょうけど。英会話に自信のない方は、どうも話がわからない、と思ったら”a”と”i”の発音を疑ってみてくださいね。それで解決できることばかりじゃないでしょうけど(?)
  


キャッシュカード

 NZ滞在中お金の引き出しに使っていたのは、銀行のキャッシュカードとパーソナルチェックでした。(今はeftposが便利みたいですね)当時、NZのキャッシングマシーンは24時間営業、手数料いらずでとっても便利でした。(月5回までだったかな?)でも、はじめてのキャッシングは・・・。

 NZに到着した翌日、まずCityでしたことは銀行口座を開くこと。私は滞在資金の大半を小切手一枚で所持しており、銀行へは次女Sが付き添ってくれました。私の持っていたチェックは換金銀行が決まっていたらしく、はじめに行ったANZでTNBに行くよう教えられました。そこで口座の開設もTNBで済ませたのですが、サインの記入に漢字を使ったら、”漢字では判別できないので英語で”と言われ、英語で書くと、そのブロック、ブロックしたサイン(誰でも真似できちゃいそう)にちょっとあきれ顔をしつつ受理してくれました。後になってこのサインをどんなに書きなおしたかったことか。やっぱり海外に行くなら英語のサインの練習をしておかなきゃだめですよね。

 さて、無事通帳とキャッシュカードを手にした私、J宅滞在時は自動支払機を使う勇気がなかったので専ら通帳の方を利用してました。しかし南島旅行に出発する際にトラベラーズチェックの予備として通帳よりかさばらないカードを所持することにしました。TCは十分持ったつもりでしたが、ミルフォードトラックのガイドツアーがひびいて旅の後半に所持金がちょっぴり心細くなってきたので、クイーンズタウンでカード使ってみることにしました。

 まず、銀行脇にあった自動支払機に近づく。あれ、画面がみにくいなぁー。ちょうど太陽の光が反射して文字が読みにくい。ここの自動支払機は外に設置されていて、光をさえぎるものがなかったみたい。それに、この画面、チビの私にはつま先立ちしないとみえないほど高い位置にありました。”えーと、えーと”なんとか画面を読みつつボタンを押すが、どうも安定が悪い。”あれ?変なボタン押しちゃった。やり直しだ。えーと、これを押して、こう・・・”ふと後ろで待っている人が目に入る。急がなくっちゃ。”暗証番号は・・・  ありゃ!あーーーっ”多分失敗したのは2度だったと思う。でも私のカードはあえなく自動支払機に食べられてしまいました!?グスン。すぐに窓口で説明したのだけれど、カードはその場で返してもらえなくて、結局後日クライストチャーチの支店で受け取ることになりました。幸い、その後旅の資金が足りなくなることはなかったけど、ちゃんとch−chで練習しておけばよかったな、と反省しました。

 
<追記>ここで使った”通帳”というのは、いわゆる日本の出入金の明細が載る通帳のことではありませ
       ん。通帳番号が記載された出入金伝票綴り、って感じ。引出し、預入れの際に一枚ずつ切り取っ
       て使います。端に覚書しておく欄があります。出入金の明細書(statement)は取引行数が一定
       量に達すると、銀行から自宅に送付されます。


茶碗蒸

 料理が得意とは言えない私でしたが、日本から小包が届いた日”今夜は私が日本食をご馳走する!”と宣言しました。小包の中に頼んでいただしの素が入ってました。これで茶碗蒸を作るぞ!毎日食事の仕度を手伝っていた私は、かねてから一度ホストファミリーに日本食をごちそうしたいものだと考えていました。焼飯はホストマザーのJが何度か作っていて、和食への抵抗感はそれ程ない様子。はりきって料理に取りかかりました。卵とおだしの分量にイマイチ自信がなかったのですが、大丈夫、固まりました。さあ、どうぞ!なかなかの出来映えに自信を持ってみんなを見守りましたが、あれ?反応が・・・。和食嫌いの三女Vはもとより好き嫌いのない次女Sも一口、二口でスプーンを置いた。しょうゆ大好きのマザーJは、口にしつつもちょっと困り顔。”不思議な味ねぇ”えっー!そんなに変!?おいしいよー、この茶碗蒸!すごいカルチャーショックでした。見た目がプリンに似ているのに甘くないのがいけないのか、かつおだしに違和感があるのか?その後家主Aの妹Jと話したときも、”(日本の料理の中で)茶碗蒸はだめだった!”といっていました。現 地の人に和食をごちそうする時は茶碗蒸は避けましょう・・・。ちなみにお好み焼きを作った時はなかなか好評でした。(三女Jはどんなに勧めても口にしなかったけど。よっぽど茶碗蒸がショックだったらしい?)