テイラーシステムを用いて虚2次体Q(√-3)に対応するゼータLA(s)のLA(2)、LA(4)、LA(6)を求めた。
< LA(2)値を導出 >
< LA(4)値を導出 >
< LA(6)値を導出 >
ここでは、現代数学で不明とされるLA(2)、LA(4)、LA(6)・・を出していくことにする。
テイラーシステムを用いるとたちまちに求まる。
まずLA(2)を求める。条件はSin[ s=2, π/3代入,πテイラー]で行う。
[LA(2)を導出する] Sin[s=2, π/3代入、πテイラー]
まず
f(x)=(sinx)/1^2 + (sin2x)/2^2 + (sin3x)/3^2 + (sin4x)/4^2 + ・・・ -----@
という母関数を考える。xにπ/3を代入すると
f(π/3) =√3/2{(1/1^2 + 1/2^2 - 1/4^2 - 1/5^2) + (1/7^2 + 1/8^2 - 1/10^2 - 1/11^2)
+(1/13^2 + 1/14^2 - 1/16^2 - 1/17^2) +(1/19^2 + 1/20^2 - 1/22^2 - 1/23^2)}
=√3/2{(1/1^2 - 1/2^2 + 1/4^2 - 1/5^2) + (1/7^2 - 1/8^2 + 1/10^2 - 1/11^2)
+(1/13^2 - 1/14^2 + 1/16^2 - 1/17^2) +(1/19^2 - 1/20^2 + 1/22^2 - 1/23^2) + ・・・・
+ (2/2^2 - 2/4^2 + 2/8^2 - 2/10^2 + 2/14^2 - 2/16^2 + 2/20^2 - 2/22^2 + ・・・)}
=√3/2{LA(2) + (2/2^2 - 2/4^2 + 2/8^2 - 2/10^2 + 2/14^2 - 2/16^2 + 2/20^2 - 2/22^2 + ・・・)}
=√3/2{LA(2) + 2/2^2(1/1^2 - 1/2^2 + 1/4^2 - 1/5^2 + 1/7^2 - 1/8 ^2+ 1/10^2 - 1/11^2 + ・・・)}
=√3/2{LA(2) + 1/2・(1/1^2 - 1/2^2 + 1/4^2 - 1/5^2 + 1/7^2 - 1/8 ^2+ 1/10^2 - 1/11^2 + ・・・)}
=√3/2{LA(2) + 1/2・LA(2)}
=3√3LA(2)/4 -------A
となり、LA(2)が現れた。
次に@の右辺をx=πの周りでテイラー展開すると、簡単な計算により次となる。
f(x)=-log2・(x-π)^1 /1! + (1-2^2)・ζ(-1)・(x-π)^3 /3!
- (1-2^4)・ζ(-3)・(x-π)^5 /5! + (1-2^6)・ζ(-5)・(x-π)^7 /7!
- (1-2^8)・ζ(-7)・(x-π)^9 /9! + (1-2^10)・ζ(-9)・(x-π)^11 /11!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -----B
ζ(s)の関数等式
ζ(1-s)=cos(πs/2)・Γ(s)・2^(1-s)・π^(-s)・ζ(s)
を用いてBを変形すると次となる。
f(x)=-log2・(x-π)^1 /1!
- (1-2^2)・ζ(2)・(x-π)^3 ・1!/(2^1・π^2・3!)
- (1-2^4)・ζ(4)・(x-π)^5 ・3!/(2^3・π^4・5!)
- (1-2^6)・ζ(6)・(x-π)^7 ・5!/(2^5・π^6・7!)
- (1-2^8)・ζ(8)・(x-π)^9 ・7!/(2^7・π^8・9!)
- (1-2^10)・ζ(10)・(x-π)^11 ・9!/(2^9・π^10・11!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -------C
Cのxにπ/3を代入して整理すると次を得る。
f(π/3)
=(4π/3){(log2)/2 - (1-1/2^2)・(2/3)^2 ・(1!/3!)ζ(2)
- (1-1/2^4)・(2/3)^4 ・(3!/5!)ζ(4) - (1-1/2^6)・(2/3)^6 ・(5!/7!)ζ(6)
- (1-1/2^8)・(2/3)^8 ・(7!/9!)ζ(8) - (1-1/2^10)・(2/3)^10 ・(9!/11!)ζ(10)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ } -----D
AとDは等しいので、次を得る。
LA(2)
=(16π/9√3){(log2)/2 - (1-1/2^2)・(2/3)^2 ・(1!/3!)ζ(2)
- (1-1/2^4)・(2/3)^4 ・(3!/5!)ζ(4) - (1-1/2^6)・(2/3)^6 ・(5!/7!)ζ(6)
- (1-1/2^8)・(2/3)^8 ・(7!/9!)ζ(8) - (1-1/2^10)・(2/3)^10 ・(9!/11!)ζ(10)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ } ----E
こうしてLA(2)が求まった。
LA(2)は、「偶数ゼータζ(2n)の無限和」として表現されることがわかる。
[導出終わり]
念のため、Eを検証しておこう。まず左辺のLA(2)値をLA(2)の定義
LA(2)=1 - 1/2^2 + 1/4^2 - 1/5^2 + 1/7^2 - 1/8^2 +1/10^2 - 1/11^2 + ・・・
から、ExcelでVBAプログラムを組んで求めた。
E左辺(100万項まで)=0.781302413・・・ ------F
となった。
次に右辺を計算した。収束が速く、電卓で手計算した。
ここでζ(2)=π^2/6、ζ(4)=π^4/90、ζ(6)=π^6/945、ζ(8)=π^8/9450、ζ(10)=π^10/93555、・・・を
利用した。その結果、
E右辺の3項まで=0.790548412・・・
E右辺の5項まで=0.782050785・・・
E右辺の7項まで=0.781383116・・・
となり急速にFに収束していく。まとめておく。
LA(4)を求める。条件はSin[ s=4, π/3代入,πテイラー]で行う。
[LA(4)を導出する] Sin[s=4, π/3代入、πテイラー]
まず
f(x)=(sinx)/1^4 + (sin2x)/2^4 + (sin3x)/3^4 + (sin4x)/4^4 + ・・・ -----@
という母関数を考える。xにπ/3を代入すると
f(π/3) =√3/2{(1/1^4 + 1/2^4 - 1/4^4 - 1/5^4) + (1/7^4 + 1/8^4 - 1/10^4 - 1/11^4)
+(1/13^4 + 1/14^4 - 1/16^4 - 1/17^4) +(1/19^4 + 1/20^4 - 1/22^4 - 1/23^4)}
=√3/2{(1/1^4 - 1/2^4 + 1/4^4 - 1/5^4) + (1/7^4 - 1/8^4 + 1/10^4 - 1/11^4)
+(1/13^4 - 1/14^4 + 1/16^4 - 1/17^4) +(1/19^4 - 1/20^4 + 1/22^4 - 1/23^4) + ・・・・
+ (2/2^4 - 2/4^4 + 2/8^4 - 2/10^4 + 2/14^4 - 2/16^4 + 2/20^4 - 2/22^4 + ・・・)}
=√3/2{LA(4) + (2/2^4 - 2/4^4 + 2/8^4 - 2/10^4 + 2/14^4 - 2/16^4 + 2/20^4 - 2/22^4 + ・・・)}
=√3/2{LA(4) + 2/2^4(1/1^4 - 1/2^4 + 1/4^4 - 1/5^4 + 1/7^4 - 1/8 ^4+ 1/10^4 - 1/11^4 + ・・・)}
=√3/2{LA(4) + 1/8・(1/1^4 - 1/2^4 + 1/4^4 - 1/5^4 + 1/7^4 - 1/8 ^4+ 1/10^4 - 1/11^4 + ・・・)}
=√3/2{LA(4) + 1/8・LA(4)}
=9√3LA(4)/16 -------A
となり、LA(4)が現れた。
次に@の右辺をx=πの周りでテイラー展開すると、簡単な計算により次となる。
f(x)=-(1-1/2^2)・ζ(3)・(x-π)^1 /1!+ log2・(x-π)^3 /3!
- (1-2^2)・ζ(-1)・(x-π)^5 /5! + (1-2^4)・ζ(-3)・(x-π)^7 /7!
- (1-2^6)・ζ(-5)・(x-π)^9 /9! + (1-2^8)・ζ(-7)・(x-π)^11 /11!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -----B
ζ(s)の関数等式
ζ(1-s)=cos(πs/2)・Γ(s)・2^(1-s)・π^(-s)・ζ(s)
を用いてBを変形すると次となる。
f(x)=-(1-1/2^2)・ζ(3)・(x-π)^1 /1!
+ log2・(x-π)^3 /3!
+ (1-2^2)・ζ(2)・(x-π)^5 ・1!/(2^1・π^2・5!)
+ (1-2^4)・ζ(4)・(x-π)^7 ・3!/(2^3・π^4・7!)
+ (1-2^6)・ζ(6)・(x-π)^9 ・5!/(2^5・π^6・9!)
+ (1-2^8)・ζ(8)・(x-π)^11 ・7!/(2^7・π^8・11!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -------C
Cのxにπ/3を代入して整理すると次を得る。
f(π/3)
=π^3{(1-1/2^2)・(2/3)^1ζ(3) /(π^2・1!) - log2・(2/3)^3 /3!
+ 2(1-1/2^2)・(2/3)^5 ・(1!/5!)ζ(2) + 2(1-1/2^4)・(2/3)^7 ・(3!/7!)ζ(4)
+ 2(1-1/2^6)・(2/3)^9 ・(5!/9!)ζ(6) + 2(1-1/2^8)・(2/3)^11 ・(7!/11!)ζ(8)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ } -----D
AとDは等しいので、次を得る。
LA(4)
=(16π^3/9√3){(1-1/2^2)・(2/3)^1ζ(3)/(π^2・1!) - log2・(2/3)^3 /3!
+ 2(1-1/2^2)・(2/3)^5 ・(1!/5!)ζ(2) + 2(1-1/2^4)・(2/3)^7 ・(3!/7!)ζ(4)
+ 2(1-1/2^6)・(2/3)^9 ・(5!/9!)ζ(6) + 2(1-1/2^8)・(2/3)^11 ・(7!/11!)ζ(8)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ } ---E
こうしてLA(4)が求まった。
LA(4)はζ(3)と「偶数ゼータζ(2n)の無限和」で表現されることがわかる。
[導出終わり]
念のため、Eを検証しておこう。まず左辺のLA(4)値をLA(4)の定義
LA(4)=1 - 1/2^4 + 1/4^4 - 1/5^4 + 1/7^4 - 1/8^4 +1/10^4 - 1/11^4 + ・・・
から、ExcelでVBAプログラムを組んで求めた。
E左辺(1万項まで)=0.940025681・・・ ------F
となった。
次に右辺を計算した。収束が速く、電卓で手計算した。
ここでζ(3)=1.2020569032・・、ζ(2)=π^2/6、ζ(4)=π^4/90、ζ(6)=π^6/945を用いた。その結果、
E右辺の3項まで=0.934859448・・・
E右辺の4項まで=0.939359387・・・
E右辺の5項まで=0.93990769・・・
と極めて速くFに収束していくことがわかる。まとめておく。
[LA(6)を導出する] Sin[s=6, π/3代入、πテイラー]
まず f(x)=(sinx)/1^6 + (sin2x)/2^6 + (sin3x)/3^6 + (sin4x)/4^6 + ・・・ -----@ という母関数を考える。xにπ/3を代入すると f(π/3) =√3/2{(1/1^6 + 1/2^6 - 1/4^6 - 1/5^6) + (1/7^6 + 1/8^6 - 1/10^6 - 1/11^6) +(1/13^6 + 1/14^6 - 1/16^6 - 1/17^6) +(1/19^6 + 1/20^6 - 1/22^6 - 1/23^6)} =√3/2{(1/1^6 - 1/2^6 + 1/4^6 - 1/5^6) + (1/7^6 - 1/8^6 + 1/10^6 - 1/11^6) +(1/13^6 - 1/14^6 + 1/16^6 - 1/17^6) +(1/19^6 - 1/20^6 + 1/22^6 - 1/23^6) + ・・・・ + (2/2^6 - 2/4^6 + 2/8^6 - 2/10^6 + 2/14^6 - 2/16^6 + 2/20^6 - 2/22^6 + ・・・)} =√3/2{LA(6) + (2/2^6 - 2/4^6 + 2/8^6 - 2/10^6 + 2/14^6 - 2/16^6 + 2/20^6 - 2/22^6 + ・・・)} =√3/2{LA(6) + 2/2^6(1/1^6 - 1/2^6 + 1/4^6 - 1/5^6 + 1/7^6 - 1/8 ^6+ 1/10^6 - 1/11^6 + ・・・)} =√3/2{LA(6) + 1/32・(1/1^6 - 1/2^6 + 1/4^6 - 1/5^6 + 1/7^6 - 1/8 ^6+ 1/10^6 - 1/11^6 + ・・・)} =√3/2{LA(6) + 1/32・LA(6)} =33√3LA(6)/64 -------A となりLA(6)が現れた。 次に@の右辺をx=πの周りでテイラー展開すると、簡単な計算により次となる。 f(x)=-(1-1/2^4)ζ(5)・(x-π)^1 /1!+ (1-1/2^2)ζ(3)・(x-π)^3 /3! - log2・(x-π)^5 /5! + (1-2^2)ζ(-1)・(x-π)^7 /7! - (1-2^4)ζ(-3)・(x-π)^9 /9! + (1-2^6)ζ(-5)・(x-π)^11 /11! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -----B ζ(s)の関数等式 ζ(1-s)=cos(πs/2)・Γ(s)・2^(1-s)・π^(-s)・ζ(s) を用いてBを変形すると次となる。 f(x)=-(1-1/2^4)ζ(5)・(x-π)^1 /1! +(1-1/2^2)ζ(3)・(x-π)^3 /3! - log2・(x-π)^5 /5! - (1-2^2)ζ(2)・(x-π)^7 ・1!/(2^1・π^2・7!) - (1-2^4)ζ(4)・(x-π)^9 ・3!/(2^3・π^4・9!) - (1-2^6)ζ(6)・(x-π)^11 ・5!/(2^5・π^6・11!) - (1-2^8)ζ(8)・(x-π)^13 ・7!/(2^7・π^8・11!) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -----C Cのxにπ/3を代入して整理すると次を得る。 f(π/3) =π^5{(1-1/2^4)・(2/3)^1ζ(5) /(π^4・1!) - (1-1/2^2)・(2/3)^3ζ(3) /(π^2・3!) + log2・(2/3)^5 /5!- 2(1-1/2^2)・(2/3)^7 ・(1!/7!)ζ(2) - 2(1-1/2^4)・(2/3)^9 ・(3!/9!)ζ(4) - 2(1-1/2^6)・(2/3)^11 ・(5!/11!)ζ(6) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ } -----D AとDは等しいので、次を得る。 LA(6) =(64π^5/33√3){(1-1/2^4)・(2/3)^1ζ(5) /(π^4・1!) - (1-1/2^2)・(2/3)^3ζ(3) /(π^2・3!) + log2・(2/3)^5 /5! - 2(1-1/2^2)・(2/3)^7 ・(1!/7!)ζ(2) - 2(1-1/2^4)・(2/3)^9 ・(3!/9!)ζ(4) - 2(1-1/2^6)・(2/3)^11 ・(5!/11!)ζ(6) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ } -----E こうしてLA(6)が求まった。 LA(6)はζ(3)とζ(5)と「偶数ゼータζ(2n)の無限和」で表現されることがわかる。 [導出終わり] 念のため、Eを検証しておこう。まず左辺のLA(6)値をLA(6)の定義 LA(6)=1 - 1/2^6 + 1/4^6 - 1/5^6 + 1/7^6 - 1/8^6 +1/10^6 - 1/11^6 + ・・・ から、ExcelでVBAプログラムを組んで求めた。 E左辺(1千項まで)=0.984560363・・・ ------F となった。 次に右辺を計算した。収束が速く、電卓で手計算した。 ここでζ(5)=1.0369277551・・、ζ(3)=1.2020569032・・、ζ(2)=π^2/6、ζ(4)=π^4/90を用いた。その結果、 E右辺の3項まで=0.994704722・・・ E右辺の4項まで=0.984886673・・・ E右辺の5項まで=0.984587599・・・ と極めて速くFに収束していくことがわかる。LA(2)、LA(4)と合わせてまとめておく。
LA(2)、LA(4)、LA(6)は、複数の奇数ゼータζ(2n+1)と「偶数ゼータζ(2n)の無限和」で表されることがわかる。 log2=(1-1/2^0)ζ(1) であるから、右辺の秩序に驚かれるであろう。 次は、いよいよLA(1/2)、LA(3/2)、・・を求めていくことにする。 |