水星 その5

 「その1」では、eとゼータが絡み合う不思議な等式1や等式2を導いたのですが、それらは極ζ(1)を除いた式となって
いました。ここでは、ζ(1)を含んだ式を出します。



2004/3/6           <等式1-2の導出(等式1の変形)>

 「その1」で等式1を導きましたが、これは、もっとシンプルで本質的な形にできることに気付きました。
作用素の定理と統一的法則性の結合から出た式 その1を全面的に書き換えていきますが、出発点の視点を
ちょっと変えるだけですので、私の作用素の定理を使用する点など、本質的にはあまり変っていません。
まず、結論から書きましょう。導いた式は、次のものです。

 e^x∫0〜x e^(-x)・cosx/sinx dx

 =-2[{1/(2^2+1)・(2cos2x + sin2x) + 1/(4^2+1)・(4cos4x + sin4x)
   + 1/(6^2+1)・(6cos6x + sin6x) + 1/(8^2+1)・(8cos8x + sin8x) +・・・}
    + e^x{(log2)/2 - ζ(1)/2 + ζ(3)/2^3 - ζ(5)/2^5 + ζ(7)/2^7 - ζ(9)/2^9 + ・・・}] ---@

  リーマン・ゼータ関数の極ζ(1)まで含んだ不思議な式でしょう?
 数学で重要なものがかなり含まれていますね。

 上は次の奇数ゼータの中心母等式Aに重回積分を重ねた一連の式を足し合わせ、それに作用素の定理(下の
定理3)を適用すると出てきます。

  cosx/sinx=2(sin2x + sin4x + sin6x + sin8x + ・・・・)  ------A

  「その1」では、Aを1回積分した式を次のような形で表現していました。

   log(2sinx)=-2(cos2x/2 + cos4x/4 + cos6x/6 + ・・・)

もちろん、これは正しいのですが、次のように∫を残した形で書いておく方がより美しい形にできると気付いたの
です。
  ∫cosx/sinx=-2(cos2x/2 + cos4x/4 + cos6x/6 + ・・・) + 2{1/2 + 1/4 +1/6 + 1/8 + ・・・・}
          =-2(cos2x/2 + cos4x/4 + cos6x/6 + ・・・) + ζ(1) - log2         -------B

 この式に延々と重回積分を重ねていけばよいわけです。
上で、ζ(1) - log2となっているのが不思議に思われるかと思いますが、1回積分のB式の左辺で

 ∫cosx/sinx dx=[log|sinx|](0〜x)=log|sinx| - lim(log|sinε|)(ε-->0)
となり、
 - lim(log|sinε|)(ε-->0)=1 + 1/2 + 1/3 + 1/4 + 1/5 + 1/6 + ・・・・・

であることから、B式はたしかに成り立っています。この辺の詳細は、「いくつかの点」シリーズの「その11」の
奇数ゼータの統一的法則性を究極の形へ>を参照ください。

 以下で@の導出を示していきますが、前準備として、まず作用素の定理(定理3)をかかげておきましょう。
定理3
  G(x)は、無限べき級数展開したとき収束半径がrである関数とすると、その半径内のxにおいて、
次が成り立つ。

     e^x∫e^(-x)G(x)dx(∫+∫^2+∫^3+・・・)G(x)

 ここで∫の積分範囲はすべて0〜xである。


 (∫+∫^2+∫^3+・・・)G(x)とは、つまり、∫G(x)dx+∫^2G(x)dxdx+∫^3G(x)dxdxdx+・・・のことですが、この定理
は、作用素(∫+∫^2+∫^3+・・・)が、作用素e^x∫e^(-x)に等しいということを言った面白い定理です。
 なお∫^2は2回積分∫∫・・dxdxを、∫^3は3回積分∫∫∫・・dxdxdxを表しています。
 私は、作用素(∫+∫^2+∫^3+・・・)を”無限演算子”と名付けていました。
なおこの定理は、e^xに関する公式の発見 その3 で見つけていたものです。証明などはそちらをご覧ください。

以下で、@式の導出過程を示します。
 
[@式の導出]
 「その1」と同じような議論を行います。
 まずもう一度、奇数ゼータの中心母等式を書きますと、次のようになります。

  cosx/sinx=2(sin2x + sin4x + sin6x + sin8x + ・・・・)  ------A

このAをひたすら重回積分した式を書いていきます。すべての∫は0〜xの定積分、またdx・・dxは略しました。

1回積分
  ∫cosx/sinx=-2(cos2x/2 + cos4x/4 + cos6x/6 + ・・・) + ζ(1) - log2

2回積分
 ∫∫cosx/sinx=-2(sin2x/2^2 + sin4x/4^2 + sin6x/6^2 + ・・・) + {ζ(1) - log2}x

3回積分
 ∫∫∫cosx/sinx=2(cos2x/2^3 + cos4x/4^3 + cos6x/6^3 + ・・・)
                           - ζ(3)/2^2 + {ζ(1) - log2}x^2/2!

4回積分
 ∫∫∫∫cosx/sinx=2(sin2x/2^4 + sin4x/4^4 + sin6x/6^4 + ・・・)
                           - ζ(3)/2^2・x + {ζ(1) - log2}x^3/3!

5回積分
 ∫∫∫∫∫cosx/sinx=-2(cos2x/2^5 + cos4x/4^5 + cos6x/6^5 + ・・・)
                      + ζ(5)/2^4 - ζ(3)/2^2・x^2/2!+ {ζ(1) - log2}x^4/4!

6回積分
 ∫∫∫∫∫∫cosx/sinx=-2(sin2x/2^6 + sin4x/4^6 + sin6x/6^6 + ・・・)
                       + ζ(5)/2^4 ・x - ζ(3)/2^2・x^3/3!+ {ζ(1) - log2}x^5/5!

7回積分
 ∫∫∫∫∫∫∫cosx/sinx=2(cos2x/2^7 + cos4x/4^7 + cos6x/6^7 + ・・・)
                - ζ(7)/2^6 + ζ(5)/2^4 ・x^2/2! - ζ(3)/2^2・x^4/4! + {ζ(1) - log2}x^6/6!

8回積分
 ∫∫∫∫∫∫∫∫cosx/sinx=2(sin2x/2^8 + sin4x/4^8 + sin6x/6^8 + ・・・)
                - ζ(7)/2^6 ・x + ζ(5)/2^4 ・x^3/3! - ζ(3)/2^2・x^5/5!+ {ζ(1) - log2}x^7/7!
  ・
  ・
と、このように延々と続いていきます。

さて、上を縦に全部足し合わせて整理すると、次のようになります。

 (∫+∫^2+∫^3+・・・)cosx/sinx dx

 =-2[{1/(2^2+1)・(2cos2x + sin2x) + 1/(4^2+1)・(4cos4x + sin4x)
   + 1/(6^2+1)・(6cos6x + sin6x) + 1/(8^2+1)・(8cos8x + sin8x) +・・・}
     + e^x{(log2)/2 - ζ(1)/2 + ζ(3)/2^3 - ζ(5)/2^5 + ζ(7)/2^7 - ζ(9)/2^9 + ・・・}] -----C

 さて、このCの左辺に、「定理3」を適用すると、次のようになります。
  (∫+∫^2+∫^3+・・・)cosx/sinx dx=e^x∫0〜x e^(-x)cosx/sinx dx -----D

 よって、このCとDから、目標の@が出ます。

 e^x∫0〜x e^(-x)・cosx/sinx dx

 =-2[{1/(2^2+1)・(2cos2x + sin2x) + 1/(4^2+1)・(4cos4x + sin4x)
    + 1/(6^2+1)・(6cos6x + sin6x) + 1/(8^2+1)・(8cos8x + sin8x) +・・・}
     + e^x{(log2)/2 - ζ(1)/2 + ζ(3)/2^3 - ζ(5)/2^5 + ζ(7)/2^7 - ζ(9)/2^9 + ・・・}] ---@

上は、e^(-x)・cosx/sinxを無限級数に展開したときの収束半径がπであることから、0 =< |x| < πで成り立ちます。
このように@式が導けました。
導出終わり。

また、同じことですが、@式は両辺をe^xで割って、もちろん次のように書くこともできます。

 0〜x e^(-x)・cosx/sinx dx

 =-2[e^(-x){1/(2^2+1)・(2cos2x + sin2x) + 1/(4^2+1)・(4cos4x + sin4x)
    + 1/(6^2+1)・(6cos6x + sin6x) + 1/(8^2+1)・(8cos8x + sin8x) +・・・}
      + {(log2)/2 - ζ(1)/2 + ζ(3)/2^3 - ζ(5)/2^5 + ζ(7)/2^7 - ζ(9)/2^9 + ・・・}] ---E

註:言わずもがなの注意ですが、@やEの右辺のx に対応するのは左辺では0〜x のxであり、e^(-x)cosx/sinxdxはe^(-t)cost/sintdt の
  ように表現してもよいのです。

[等式1-2]
  e^x∫0〜x e^(-x)・cosx/sinx dx

 =-2[{1/(2^2+1)・(2cos2x + sin2x) + 1/(4^2+1)・(4cos4x + sin4x)
    + 1/(6^2+1)・(6cos6x + sin6x) + 1/(8^2+1)・(8cos8x + sin8x) +・・・}
     + e^x{(log2)/2 - ζ(1)/2 + ζ(3)/2^3 - ζ(5)/2^5 + ζ(7)/2^7 - ζ(9)/2^9 + ・・・}]
                                                    ( 0 =< |x| < π )

註:左辺は、もちろん、e^x∫0〜x e^(-x)・cotx dxでもOKです。




2004/3/6           <等式1-2での具体的計算>

 一つ上の等式1-2(次式)で少し遊んでみましょう。

 e^x∫0〜x e^(-x)・cosx/sinx dx

 =-2[{1/(2^2+1)・(2cos2x + sin2x) + 1/(4^2+1)・(4cos4x + sin4x)
    + 1/(6^2+1)・(6cos6x + sin6x) + 1/(8^2+1)・(8cos8x + sin8x) +・・・}
     + e^x{(log2)/2 - ζ(1)/2 + ζ(3)/2^3 - ζ(5)/2^5 + ζ(7)/2^7 - ζ(9)/2^9 + ・・・}]
                                                    ( 0 =< |x| < π )

 例えば、x=0を代入すればどうなるでしょうか。左辺の積分項は消え、右辺から次のような式が出ます。

 log2/2 - ζ(1)/2 + ζ(3)/2^3 - ζ(5)/2^5 + ζ(7)/2^7 - ・・・
           =-{2/(2^2+1) + 4/(4^2+1) + 6/(6^2+1) + 8/(8^2+1) + ・・・ ---@

 面白い式が出てきました。
この式の正しさは、数値計算に頼らずとも、じつは簡単に検証することができます。
右辺から左辺を初等的に導けるのですが、考えてみてください。

次に、x=π/2を代入すれば、どうなるでしょうか。

 e^(π/2)∫0〜π/2 e^(-x)・cosx/sinxdx

  =2[{2/(2^2+1) - 4/(4^2+1) + 6/(6^2+1) - 8/(8^2+1) + ・・・}
       - e^(π/2)・{(log2)/2 - ζ(1)/2 + ζ(3)/2^3 - ζ(5)/2^5 + ζ(7)/2^7 - ・・・}]

となりますが、右辺をさらに変形することで、次のような形にできます。

 e^(π/2)∫0〜π/2 e^(-x)・cosx/sinxdx

  ={log2 - (1-1/2^2)ζ(3)/2^2 + (1-1/2^4)ζ(5)/2^4 - (1-1/2^6)ζ(7)/2^6 + ・・・}
       - e^(π/2)・{log2 - ζ(1) + ζ(3)/2^2 - ζ(5)/2^4 + ζ(7)/2^6 - ・・・}

 あるいは、両辺をe^(π/2)で割れば、次のようになります。

0〜π/2 e^(-x)・cosx/sinxdx

  =e^(-π/2)・{log2 - (1-1/2^2)ζ(3)/2^2 + (1-1/2^4)ζ(5)/2^4 - (1-1/2^6)ζ(7)/2^6 + ・・・}
       - {log2 - ζ(1) + ζ(3)/2^2 - ζ(5)/2^4 + ζ(7)/2^6 - ・・・}

 この式は、e^(-x)・cosx/sinxという関数を0〜π/2の範囲で積分すれば奇数ゼータの無限和が出現するという
ことを表しています。




2004/3/7           <等式2-2の導出(等式2の変形)>

 次に、偶数L関数の中心母等式(次@式)も上と同様に書き換えていきましょう。
ここでも本質的には「その1」の作用素の定理と統一的法則性の結合 -- その2の類似を行うわけです。

    1/sinx=2(sinx + sin3x + sin5x + sin7x + sin9x + ・・・・・)  ----@

 結論からいえば、次のような興味深い式がでます。

 e^x∫0〜x e^(-x)・(1/sinx)dx

 =2[-{L(0)(cosx+sinx) + 1/(3^2+1)・(3cos3x+sin3x)
  + 1/(5^2+1)・(5cos5x+sin5x) + 1/(7^2+1)・(7cos7x+sin7x) + ・・・}
   + e^x{(log2)/2 + (1-1/2^1)ζ(1) - (1-1/2^3)ζ(3) + (1-1/2^5)ζ(5) - (1-1/2^7)ζ(7) +・・}]---A

Aの導出過程を示します。
[導出方法]
 もう一度、偶数L関数の中心母等式を書きますと、次のようになります。(詳細はその12参照)

    1/sinx=2(sinx + sin3x + sin5x + sin7x + sin9x + ・・・・・)  ----A

このAをひたすら重回積分した式を書いていきます。すべての∫は0〜xの定積分、またdx・・dxは略しました。

1回積分
  ∫1/sinx=-2(cosx + cos3x/3 + cos5x/5 + ・・・) + 2(1 + 1/3 + 1/5 + 1/7・・・・)
        =-2(cosx + cos3x/3 + cos5x/5 + ・・・) + ζ(1) + log2  --------B

2回積分
  ∫∫1/sinx=-2(sinx + sin3x/3^2 + sin5x/5^2 + ・・・) + {ζ(1) + log2}x

3回積分
 ∫∫∫1/sinx=2(cosx + cos3x/3^3 + cos5x/5^3 + ・・・) - 2(1-1/2^3)ζ(3) + {ζ(1) + log2}x^2/2!

4回積分
 ∫∫∫∫1/sinx=2(sinx + sin3x/3^4 + sin5x/5^4 + ・・・) - 2(1-1/2^3)ζ(3)x + {ζ(1) + log2}x^3/3!

5回積分
 ∫∫∫∫∫1/sinx=-2(cosx + cos3x/3^5 + cos5x/5^5 + ・・・)
                    + 2(1-1/2^5)ζ(5) - 2(1-1/2^3)ζ(3)x^2/2! + {ζ(1) + log2}x^4/4!

6回積分
 ∫∫∫∫∫∫1/sinx=-2(sinx + sin3x/3^6 + sin5x/5^6 + ・・・)
                   + 2(1-1/2^5)ζ(5)x - 2(1-1/2^3)ζ(3)x^3/3! + {ζ(1) + log2}x^5/5!

7回積分
 ∫∫∫∫∫∫∫1/sinx=2(cosx + cos3x/3^7 + cos5x/5^7 + ・・・)
          -2 (1-1/2^7)ζ(7) + 2(1-1/2^5)ζ(5)x^2/2! - 2(1-1/2^3)ζ(3)x^4/4! + {ζ(1) + log2}x^6/6!

8回積分
 ∫∫∫∫∫∫∫∫1/sinx=2(sinx + sin3x/3^8 + sin5x/5^8 + ・・・)
      -2(1-1/2^7)ζ(7)x + 2(1-1/2^5)ζ(5)x^3/3! - 2(1-1/2^3)ζ(3)x^5/5! + {ζ(1) + log2}x^7/7!
   ・
   ・
と、このようになります。
上のBで、ζ(1) + log2となっているのが不思議に思われるかと思いますが、
ζ(1) + log2=2(1 + 1/3 + 1/5 + 1/7 + ・・・・) が成立することからBが言えるのですが、この辺の詳細は、
「いくつかの点」シリーズの「その12」の<偶数L関数の統一的法則性 (別形式)>を参照ください。

 さて、上を縦に全部足し合わせ整理すると次のようになります。

 (∫+∫∫+∫∫∫+・・・)(1/sinx)dx

 =2[{-L(0)sinx - L(0)cosx - 1/(3^2+1)・(3cos3x+sin3x)
   - 1/(5^2+1)・(5cos5x+sin5x) - 1/(7^2+1)・(7cos7x+sin7x) - ・・・}
    + e^x{{ζ(1)+log2}/2 - (1-1/2^3)ζ(3) + (1-1/2^5)ζ(5) - (1-1/2^7)ζ(7) + ・・}] ---C

 さて、この左辺に、「定理3」(冒頭参照)を適用すると、次のようになります。

  (∫+∫^2+∫^3+・・・)(1/sinx)=e^x∫0〜x e^(-x)・(1/sinx)dx --------D

 よって、少しCを整理し、CとDから目標の次の式が出ます。

 e^x∫0〜x e^(-x)・(1/sinx)dx

 =2[-{L(0)(cosx+sinx) + 1/(3^2+1)・(3cos3x+sin3x)
  + 1/(5^2+1)・(5cos5x+sin5x) + 1/(7^2+1)・(7cos7x+sin7x) + ・・・}
   + e^x{(log2)/2 + (1-1/2^1)ζ(1) - (1-1/2^3)ζ(3) + (1-1/2^5)ζ(5) - (1-1/2^7)ζ(7) + ・・}] ---A

 e^(-x)・(1/sinx)の収束半径がπであることと冒頭の定理から、Aは0 =< |x| < πの範囲で成立します。
 このようにA式が導けました。
導出終わり。

まとめておきます。L(0)=1/2ですから、それに置き換えて書きました。
[等式2-2]
 e^x∫0〜x e^(-x)・(1/sinx)dx

 =2[-{1/2・(cosx+sinx) + 1/(3^2+1)・(3cos3x+sin3x)
  + 1/(5^2+1)・(5cos5x+sin5x) + 1/(7^2+1)・(7cos7x+sin7x) + ・・・}
   + e^x{(log2)/2 + (1-1/2^1)ζ(1) - (1-1/2^3)ζ(3) + (1-1/2^5)ζ(5) - (1-1/2^7)ζ(7) + ・・}]
                                                    ( 0 =< |x| < π )






2004/3/7           <等式2-2での具体的計算>

 一つ上での等式2-2(次式)でいくつかの具体的な計算値を見てみましょう。

 e^x∫0〜x e^(-x)・(1/sinx)dx

 =2[-{L(0)(cosx+sinx) + 1/(3^2+1)・(3cos3x+sin3x)
  + 1/(5^2+1)・(5cos5x+sin5x) + 1/(7^2+1)・(7cos7x+sin7x) + ・・・}
   + e^x{(log2)/2 + (1-1/2^1)ζ(1) - (1-1/2^3)ζ(3) + (1-1/2^5)ζ(5) - (1-1/2^7)ζ(7) + ・・}]
                                                    ( 0 =< |x| < π )

 例えば、x=0を代入すればどうなるでしょうか。左辺の積分項は消え、右辺から次のような式が出ます。

 {ζ(1)+log2}/2 - (1-1/2^3)ζ(3) + (1-1/2^5)ζ(5) - (1-1/2^7)ζ(7) + ・・・
           =1/2 + 3/(3^2+1) + 5/(5^2+1) + 7/(7^2+1) + ・・・

これは、次のような綺麗な形にまとめることができます。

 log2/2 + (1-1/2^1)ζ(1) - (1-1/2^3)ζ(3) + (1-1/2^5)ζ(5) - (1-1/2^7)ζ(7) + ・・・
           =1/(1^2+1) + 3/(3^2+1) + 5/(5^2+1) + 7/(7^2+1) + ・・・

次に、x=π/2を代入すれば、どうなるでしょうか。

e^(π/2)∫0〜π/2 e^(-x)・(1/sinx)dx

=2[{(L(0)-1) - (L(2)-1) + (L(4)-1) - (L(6)-1) + (L(8)-1) - ・・・}
 + e^(π/2){(log2)/2 + (1-1/2^1)ζ(1) - (1-1/2^3)ζ(3) + (1-1/2^5)ζ(5) - (1-1/2^7)ζ(7) + ・・・}]

 あるいは、両辺をe^(π/2)で割れば、次のようになります。

0〜π/2 e^(-x)・(1/sinx)dx

 =2[e^(-π/2){(L(0)-1) - (L(2)-1) + (L(4)-1) - (L(6)-1) + (L(8)-1) - ・・・}
    + {(log2)/2 + (1-1/2^1)ζ(1) - (1-1/2^3)ζ(3) + (1-1/2^5)ζ(5) - (1-1/2^7)ζ(7) + ・・・}]

 この式は、e^(-x)・1/sinxという関数を0〜π/2の範囲で積分すれば奇数ゼータと偶数L関数の無限和が出現する
という面白いことを語っています。






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