オロチと山鳥 * エッセイ民話 * Mog

                   
   ここの職員は、大勢を相手に説明し、折衝し、説得することも多く、
冷静に説明を求める者、不満をぶつける者も多い、大声でわめきたてる者も、
よくあったそうな。
そんな中できたえられ、豪胆な者も多かった、反面おとなしい者は
「ショウト(小鳥)肝」とさげすまれた。中でもEさんは体格もおおきく、肝も
据わって、豪胆な態度じゃった。 

   そんな彼Eが山仕事の帰り道、ふと、気が付くと、山の上からバレー・ボール
のような物がころげ落ちてきた、みると山鳥を大蛇がぐるぐる巻きにしている
じゃないか、 このとたん、Eさん全身の力が抜け、悪寒戦慄のガタガタブルブル
早早に山を下り、大酒飲んで寝たとか、

    後日、このはなしを聞いたので、「そりゃあ、惜しいことをした」と話し、
「どうして、オロチをやっつけて、山鳥を血抜きして、みやげにせなんだ」と聞くと
「せぇでも」 としり込みするのを、さらに、「オロチの急所は尻尾の先や」
「そこを噛むか、踏んづけりゃあ、いちころじゃあ、ぐったりじゃあ」 と言うて
みたが後のまつり、せぇにしても、惜しいことをした。

   BUT・BUT じゃがしかし、今後彼が、もし、同じ状況に遭遇しても、
やれるかどうか?


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