北欧神話−Nordiske Myter

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古今東西・北欧神話

オッド探訪、フレイヤの旅



 フレイヤの夫は、オヅル(オッド)である。彼女は、この夫との間に、フノス、ゲルセミの二人の娘を産んだ。二人とも、非常に美しく、ことにフノスは光り輝くような美しさであったため、人々は、貴く美しいものを指して「フノシル」(フノッサ)と、呼ぶようになったという。

 さて、フレイヤは、夫と娘に囲まれて、幸せな日々を過ごしていた。夫にはずっと側にいてほしいと考えていたのだ。
 ところが夫は旅が好きで、懸命に引きとめようとするフレイヤの言葉を振り切って、一人で旅に出てしまった。(…ここらへん、「おもいッきりTV」なかんじ)

 フレイヤは夫の帰還を信じて、待ち続けたが、いつまで経っても還ってくる気配は無い。彼女は日増しに胸の苦しみを抑えきれなくなり、ついに、夫を探す旅に出ることにした。
 悲しみに満ちた彼女が、大地の上をさまよい歩くうち、こぼれた涙は大地に染み込んで黄金となり、海に流れ込んでは琥珀となったという。
 そして、各地で、彼女に対する呼び名が生まれた。
 ある場所ではマルドル<mardel>、また別の場所ではホルン<horn>、ゲフン<Gefin>(ゲフィオンではない)、シル<Syr>、スキャルフ<Skjalf>、トルング<Thrung>など。
 ※つづりは資料にした本に載っていたモノなので、正しいんだかどうなのかは分からない。



 一般に知られているこの物語には、オッドが発見された記述は無いのだが、この本には、その部分がつけられている。

 鳥や獣や魚たちに訪ねながら、あらゆる国を巡っていたフレイヤは、南の国へ来たとき、忘却の力を持つ美しい花の咲く中に座り込んでいるオッドを見つけた。フレイヤはすぐさま夫を正気にかえし、アスガルドへ連れ帰ったという。
 喜びに満ちて帰還する彼女の足元で、大地は緑の息吹を取り戻した、というが、このあたりは、ギリシア神話の「デメテル神話」と、まじってしまったのかもしれない。

 このときフレイヤは、忘却の力を持つ花を一輪つみとり、以後ずっと髪にさしていた、というのだが、…「フレイヤの花」とは、一体なんだったのだろう?



前半部分は「エッダ」にも触れられるエピソード。後半のオッドが発見されたエピソードの出典は不明。
オッドがアスガルドへ戻った形跡は、他の物語では見受けられない。




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