第46章
Kuudesviidettä runo
はてさて、せっかく送り出した9つの災いをアッサリ鎮められて、腹立たしいのは、誰あろう魔女ロウヒ。
「ええい、役に立たないねぇ、どいつも、こいつも! こうなったら…次の手だよ!」
諦めないのが彼女の執念。次なるは、人の手には負えないほどの巨大クマを召喚! やっぱ、フィンランドって熊が強いんだ、獣の中では…。なんてしみじみ思っているバヤイではありません。
デカいです、この熊は。
とにかくスゴイ。どのくらいかっていうと、ゾイドで言うとゴジュラスっていうくらいスゴイ。(この喩え、分かるかなぁ…。)
それを知ったジジイは、ダッシュで友のもとへと走った!
「はあはあ…。イ、イルマリネンよ!」
おお? 助力を頼むのか? と、思いきや。
「すんげー高価な毛皮が歩いてくるんじゃ。ヤツが暴れ出す前に取り押さえねばならん。新しい槍を作ってくれ!!」
「……。」
ジジイ。熊じゃなくて、毛皮なんですか。
職人・イルマリネンは何も言わずに注文どおりの槍を作って寄越します。その槍を持ち、ジジイはゴキゲンなスキップをしながら森へと向かいました。
森の精霊たちに加護の呪文を唱え、熊のやって来るのを待ち構えています。
「まだかな♪ まだかな♪ わしの熊がくるのはまだかな♪…おっ」
来た!
共和国軍ゴジュラス…じゃない、巨大熊! 猟犬はおびえて吠えまくっていますが、ジジイは何のその。
熊がジジイを発見して家具などひっくり返している間、うっとりして、その毛皮を見つめています。
「うふふーん。嬉しいのぉ。森の黄金がわしのものv」
呟くなり、しゅたっと熊の前に出て、述べます。「おお熊よv わしの熊、プリティー。そのステキな足の美しきものよ、そう怒るでない☆ おとなしくして、わしについておいで。新鮮な蜂蜜をご馳走しよう♪」
相手は熊です。
もちろんおバカです。
熊のプーさんでもわかるとうり、熊は蜂蜜だぁい好きです。
ジジイにコロっと騙された熊は、魔女の言いつけとか破壊衝動とか、そういうのスッカリ忘れて、のこのことジジイについていってしまいました。
ワイナミョイネンは、歌いながら熊を引き連れて村へ向かいます。村の人々はびっくり。家の外へ飛び出して、何事かとジジイに訊ねます。
「ふぉーふぉーふぉー。毛深き我らが友をもてなす仕度をせい。森の名士様のお通りじゃぞい。」
これに村人たちも納得。ジジイが何をしようとしているのか、詳しく訊ねなくても分かるのです。
すぐさま、彼らは熊にお世辞を言いちらし、影ではコソコソ料理の準備。
「まぁ! ステキな毛皮! もうサイコー!(本当に最高よ…フフ…)」
「あなたが来られるのをお待ち申し上げておりました!(こんな上物、滅多にいねぇぞ…)」
「わたし、あなたに恋してしまいそうよv(ああ、この毛並み! 一体いくらで売れるのかしら!)」
さすがは、ジジイのご近所さんたちです。
ジジイ仕込みの口八丁。こいつら…タダものじゃねぇ。
と、こうして、熊をおびきよせといて、気をゆるしたその時。
「ふ…。悪く思わないでくれよ?」
「?!」
いつのまにか、熊は既に完全に囲まれていた!
はっ、とする間もなくジジイが槍で一突き。影に隠れていた武器持つ衆が押し寄せて、あっという間に皮を剥ぎ取ってしまいました。
恐るべし、カレワ人の村。
多勢に無勢。
しかも…そのとき、既に料理の鍋は準備されていたのです…。
「お湯が沸いたわよ〜。」
「よっしゃ。次は熊なべだ! 殺したてだから新鮮だぞ〜」
「わ〜い!!」
毛皮剥いだら、中身の肉は食うべし。なんせデカい熊ですからね。村人全員、食べ放題。熊シチューにビールでカンパイ。ワイナミョイネンは森に感謝の歌を歌い、人々は、手に入れた立派な毛皮を見て、ご満悦。
これぞ、熊祭り。
ワイナミョイネンも、人々に熊狩りの語りをするかたわら、ちゃっかり自分のぶんの戦利品は手に入れて、たのしく宴の夕べを過ごすのでありました…。
しかしなぁ、魔女の放った大熊を食べちゃうとはなぁ。たくましいんだなぁ、森の人々って…。(^^;
{この章での名文句☆}
再び神よ、許したまえ、将来も確固たる創造主よ、
ここでこんなに楽しむことを
そうですか。楽しいですか。熊だまして食べちゃって…フフ…。
魔女はきっとメチャクチャ怒り狂ってるよ…。