フィンランド叙事詩 カレワラ-KALEVALA

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第45章
Viidesviidettä runo


 子供産むにゃあ父親は要らず、母親がいればそれで良い。
 カレワラ世界では、父親が風(それって居ないのと同じじゃん)なんてのは、よくある話です。
 魔女ロウヒは、カレワラがサンポのかけらから生み出される恵みとワイナミョイネンの歌で楽しくやっていることが、どーしても許せません。
 「おのれ…。必ず復讐してやる。必ず!」
呪詛をかけ、あれこれと手立てを考える魔女。おっそろしいモンです。
 そこへ、棚からボタモチとばかり、ある噂が流れて来ました。
 トゥオニの娘のひとり、盲いた老女ロビアタルの胎内に子供が宿った…と、いうのです。

 彼女は年よりの姿ではありますが、本当に年を取っているわけではなく、ギリシア神話と同じノリで、生まれたときから老女だったという存在のようです。このロビアタル、風によって孕み、その子供がなかなか生まれずに困っている様子。
 そこでロウヒは、彼女をポホヨラへ招き寄せ、お産の手伝いをします。
 こうして、密かに産み落とされた子供たちが「9つの災い」。冥界の娘によってもたらされたそれらの災いは、激痛、腹痛、痛風、くる病、腫れ物、ひぜん、癌、ペスト。名もない末の一人は、災いを撒き散らす恐るべき呪術師となります。

 この9つの災いはすぐさまカレワラへと差し向けられ、人々にけしかけられました。
 だって腹痛とかですよー? これはキツいでしょう。見えない相手だし…。最後のペストなんて、ヨーロッパだけにシャレになってないです。実際にフィンランドでもペストの大流行があったそうですから、この話を語り継いだ人々は、冥界の呪いがいかに恐ろしいかを知っていたことになります。


 普通の人間では太刀打ちできない病の大流行。
 そこへ登場! 不滅の賢者、ワイナミョイネンだ!
 「ううむ。これはロウヒめの仕業じゃな。どれ、わしがひとつ払って進ぜよう。」
彼はまず、湯気いっぱいのサウナを準備します。火を起こすには魔力ある木で、使う水は清らかな水、中には霊薬となる蜜が入っています。
 ぐらぐら煮立てながら、ジジイは荘厳なる面持ちで天の神に祈り、厄払いの呪文を唱えました。―――

 内容は、長いので省略。(ヲィヲィ)

 ジジイのパワーに災いたちは払われ、カレワラは、滅亡の危機を逃れたんだそうな。ジジイすごい。めでたし、めでたし。


 …でも、争いの原因もジジイなんだから、結局は自分で責任取ったってだけなのかな…。(苦笑)



{この章での名文句☆}

わしに火の剣を授けてくれ、閃めく刃をよこしてくれ。
それでわしは邪悪を取り押さえ、とこしえに災いを静めてやる。


ジ、ジジイ、一体なにがあったんだ?! っていうくらい、やったらカッコいいシーン。
なんかスゴいぞ。



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