■フィンランド叙事詩 カレワラ-KALEVALA |
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第38章
Kahdeksasneljättä runo
ひでぇ言い草だ…。
そんなひでぇ言い草も、イルマリネン、全く聞いちゃいません。ただただ、目の前にいる娘が欲しいだけ。
娘を掻っ攫い、そのままポホヨラから逃亡。
…イルマリネーン! 戻って来い、かむばぁっく!
うわーん、どんどん大変なことになってます。イルマリネンがレンミンカイネンと同じことを! 暴れる娘を押さえつけ、いやらしいことなどしつつ家路を急ぎます。しくしく。
しかし娘のほうも諦めが悪いというか何というか、「ウサギの嫁になったほうがまし」だの、「キツネの口のほうが愛らしい」だの、グチり続けました。イルマリネンのほうも、なんか口元がピクピクしてます。
なんか、この娘さんは、ムサい男が嫌いだったらしいですナ。…分からんでもないですがね、その気持ちは。
さて、家の近くまで戻って来たイルマリネンは、橇を止め、一休みしようと仮眠を取ることにしました。ほんのひと時のことです。けれど、疲れは大きく、思っていたより深く眠りこんでしまいました。
気が付くと、娘さんは通りすがりの男ひっかけて楽しいことを。(間接的表現)
おいおい、この娘、口が悪いだけじゃなくてそっちもヤバいのか? 実はイケイケだろう! そうだろう!
「こんな女はダメだ!(彼はどうやら純情派好みらしい) ええい、こうなったらどうしてくれよう。そうだ、カモメがいい。ぎゃあぎゃあ煩いのがお似合いだ!」
さすがに自ら手を下して殺害することはしませんでしたが、それにしたって、攫った女が自分の思いどおりにならないからって鴎にしてしまうなんて…。以前のイルマリネンは、こんな短気な男では無かったはずです。
やはり色恋沙汰は性格を変えるものなのか。
ひとり、とぼとぼと戻って来たイルマリネンを見つけたワイナミョイネンは、怪訝に思い、訊ねます。
「お主、どうしたんじゃ。女は?」
「…ありゃダメだ。やっぱり、俺には前の女房じゃなきゃ駄目なんだ…(涙)」
暗い気持ちでワイナミョイネンに打ち明けるイルマリネン。もしもこの時、ロウヒがもう1人の娘を気前よく送り出していたなら、また話の流れは変わっていたはずなのですが。
友人の切実な悩みを聞いたワイナミョイネンは…。
>>次章へ続く!
{この章での名文句☆}
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