フィンランド叙事詩 カレワラ-KALEVALA

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第3章
Kolmas runo


 この章でついにワイナミョイネンを取り囲む世界の状況が明らかに。
 なんとワイナミョイネンは、この近辺では有名な吟遊詩人で、エライ賢者として尊敬されていると判明! (…って言うより、居たらベンリなんだと思う。魔法でイロイロやってくれるしなあ…。)
 

 さて、ここポホヨラに、ひとりのラップ(エスキモー)の青年がおりました。
 彼の名はヨウカハイネン。村一番の歌い手で、自分の呪歌は誰よりも優れていると自負していました。そこへ、遠きカレワラの地にいるという老賢者の噂がとどきます。「もしかして、ソイツはオレより上なのか?!」若気の至りというべきか、自分より上のヤツがいるのがどうしても我慢できなかったヨウカハイネン。両親の反対を押し切ってワイナミョイネンに挑戦するため旅に出ます。
 RPGとかに、ありがちな若者ですよね。

 当のワイナミョイネンは、いつものごとく、ノンビリと普段の生活やってました。
 と、突然その静寂を打ち破るひづめの音が。ジジイがひとり道の長さを測っていたところへ(地図でも描いてたんだろうか)ヨウカハイネンの馬が突っ込んで来て、いきなり挑戦状をたたきつけます。
 「てめぇがワイナミョイネンとかいうジジイか。オレと勝負しやがれっ!」
 会うなりイキナリこれですからね。無茶苦茶です、ヨウカハイネン。しかしジジイはさすがに、すぐにカッとなるような真似はせず、のんべんだらりと言い逃れ。
 「んー、だったらお前さんの力をわしに見せてみぃ。」
ヨウカハイネンは、自分がいかに知識を持っているか、どのような呪歌を歌えるかをずらずらずらーっと述べてみませす。言ってみれば、自分の手持ちの魔法名を挙げてるようなもんです。日本人には分かりませんが、たぶんベギラマ(呪文)とか入ってるんでしょう。ちょっと自慢?

 しかし、ジジイのほうが一枚上手だった!
 ジジイ「ふ…なんじゃ、それだけかい。ちーっとも凄くないわい」
 ヨウハイネン「なんだとぉ?!」吟遊詩人のくせに剣を抜きます。 
 「てめぇ、道測るついでに、この剣の長さも測りに来てみろよ…。そしたら、てめぇの首取ってやるよ」
 「ふぉーふぉーふぉー。わしゃア、そんなモンの長さは測りとうないわい。」

 このようなやりとりのあと、ジジイは、若者がいかに愚かな挑戦をしているか思い知らせるために、自ら魔法の歌を歌いはじめます。
 さすがジジイ、ダテに賢者名乗ってない! 文字どおり、手も足も出ないまま、ヨウカハイネンは地面に埋め込まれてしまいました。「くっ…な、なんて力だ…! 俺は…、俺はこんなヤツを相手にしていたのか?!」 「ふぉふぉふぉ。どうした、その程度か若いの」 死を前にして、ヨウカハイネンは命乞いをはじめました。自分の持ち物、馬や盾をやるから命を助けてくれ、と言うのですが、ワイナミョイネンは、どれにもさして興味を示さない様子。

 追い詰められたヨウカハイネンは、ついに、なりふり構わない行動に出てしまいました。なんと−−−
 「俺の妹をくれてやる!!」
ピキーン。
 全編通して女好きエロ☆ジジイなワイナミョイネンは、ここで突然心変わり。「び…美人かのぅ」 「ああ、モチロンだ。しかもピッチピチの17歳、胸はDカップだ」 「なんと! 17!! しかもD!!!」(注;もちろん原文にはこんなセリフは無い^^;)


 こうして、戦いに負け、しかも自分の命の代償に妹を犠牲にしてしまったことに気を沈ませながら、若者はとぼとぼと帰路につくのでありました…。


{この章での名文句☆}

「子供の知識だ、女の思い出よ! 鬚の生えた男には相応しくない!」

ジジイがヨウカハイネンを小馬鹿にして言う言葉。
北欧世界では最大級の侮辱だそうです。大人の男性とのケンカの際に使ってみましょう。
たぶん殴られます。



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