■シャルルマーニュ伝説 |
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つっこみルネッサンス
その頃フランスは、アフリカ王・アグラマンの襲撃に遭ってだぁいピンチに陥っていた。アグラマン的には、シャルルマーニュはとにかく気に入らない奴で、父の仇で、何としても打ち倒すべき宿敵だったのだ。
顧問ソブリノは反対したが、アルジェリア王ロドモンは賛成だと机を叩く。そこへ、予言者でもある、高齢なガラマント王が口を挟んだ。
「この計画にはー…ふしゅー、トロイのヘクトルの血を引く、ロジェロという男を味方につけることがー…大切ー…じゃー。さすれば運命は我らに味方するぞぅ…。」
だがロジェロは、養い親の魔法使い、アトラントによって厳重に隠されているため、そう簡単には隠れ家から出てくることはない。この男を引っ張り出す唯一の手段は、カタイの王女アンジェリカの持つ魔法の指輪を使うことだけ。
これを聞いて、その場に居合わせた王たちは、意味ない予言だと鼻で笑った。ジジィはぷっつんキレた。
「何を! わしの予言はなぁ、絶対に外れんのじゃ。いいか、よっく聞け馬鹿者どもが! ロジェロを味方にしなければのっ、貴様らは、必ず負け・・・!」
ブチーーーン
ジジィは堪忍袋の緒だけではなく、頭の血管も切ってしまったのだ!
「はうぁ! ガラマント様! ガラマント様――」
「ダメだ。おい、救急車を呼べ!」
会議の席で予言の最中、いきなり白目むいて引っくり返っちゃったジジィに、人々大慌て。
めっちゃ縁起悪ィし。
「…なぁ、信じたほうがよくない?」
「うんうん。そんな気はする。て、いうか、信じなかったら呪われそうだし」
と、いうわけで人々は、王の予言を信じることにした。さらば老王よ。出陣を前に、命がけで勝利の方程式を教えてくれた、貴方の犠牲は無駄にしない…!
残された王たちは、アフリカきっての泥棒(アフリカ大陸一って、なんかスゲェ。広いし)、ブルネロを召喚し、「お上のために動け…、報酬は思いのままだ」とかなんとか説き伏せて、アンジェリカの指輪を盗ませた。
ちなみにその頃、アンジェリカの国では、まだ戦いが続いていた。当然、オルランドゥもそこにいただろう。
が、彼は出てこない。^^;
こそ泥ブルネロは使命を果たし、指輪を手に入れて持ち帰った。いまや準備は整った。あとはロジェロを探しに行くだけ。
「よおーし! 探すぞー!」
見つかった。
「早いよ!!」
…実際、とてもわかりやすいところにいたのだ。場所だけは。
だが、その場所は、見つけても、入り込むことは容易ではない場所だった。切り立った崖に守られたカレナ山のてっぺん。魔法使いアトラントの家には、そうやすやすと侵入することは出来なかった。
そこで人々は考えた。こっちから入っていけないなら、向こうから出てきてもらおう「天の岩戸大作戦」。
1)まず、山のふもとで賑やかに、楽しそうにトーナメント大会を開く。
2)すると、「オラもまぜてくれ!」と、山の上から悟空ロジェロが降りてくる。
3)一騎打ちで親交を深める。
4)仲良くなったところで「どうだい? 一緒にフランス攻めにいかない?」と、ピクニックに誘ってみる。
5)馬とか剣とか、たたみかけるように贈り物をする。
↓
おつきあい成功
よりにもよって、こんなミエミエな作戦をたてていたのだ。
そして、このミエミエな作戦にあっさり乗って、「いいよ。一緒に行こう」などと、家出を決意してしまったのが、ロジェロだった。
魔法使いアトラントよ、あんた一体、この馬鹿に何を教えていたんだ…。俗世に触れないよう、気を配って温室育ちに仕上げたけれど、これじゃ逆効果だよ^^;
その頃、ロジェロ到着を待ちきれないアルジェリア王ロドモンは、フランス総攻撃を各地に打診していた。その中には、スペイン王マルシリウスがいた。シャルルマーニュの奸臣、ガヌロンもいた。(※「ロランの歌」で、おもいッきり裏切り行為に走る素敵な親戚)
リナルドたちが帰り着いたのは、ちょうど、この頃。まさに危機一髪。戦いは、始まろうとしていた。
オルランドゥはいない。たぶんアストルフォもいない。そういえばマラジジはどこにいった。
…ああ、なんだか人数足りてない気がする。でも頑張れリナルド、キミが僕らの希望の星だ!
リナルド「オレがいるからには、好きにはさせんわーー!」
ここんところ、嫌いな女に追いかけられたり道に迷ったり誤解で人殺しにされたり監禁されたりと、あまりイイ目に遭ってないリナルド、やはりストレスは溜まってたのか。
軍の指揮官でもある、アルジェリア王ロドモンを見っけて全力突進。見事馬から突き落とした。
「見たかオレの必殺! さぁ立て。今すぐ立て。勝負だコノヤロー!」
…だが、ロドモンは、例のドゥドンの馬を奪って、逃げた。
「あっ。逃げたー?! 待ちやがれ、この!」
だが、間に合わなかった。
アグラマンが、自軍とロジェロを連れて上陸してきたからだ。
シャルルマーニュの軍勢は今や、アフリカの軍勢に押されつつある。
戦いの中、リナルドとロジェロは出会い、少しの間だけ切り結ぶが、勝負をつけることは出来ないまま撤退を余儀なくされる。
戦場の混乱の中、徒歩で戦っていた二人の騎士は、自分たちの馬を見つけるのに苦労している。リナルドは森へ、ロジェロは…。
[そしていよいよ運命の出会いが。]