■シャルルマーニュ伝説 |
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つっこみルネッサンス
前回リナルドが登場したのは遥か以前のことなんだが、覚えてるだろうか…。
憎しみの泉の魔力で、アンジェリカのことが大ッ嫌いになってしまったリナルドは、馬がいないので、てくぽく、てくぽく、徒歩で旅を続けていた。(そのため、物語に復帰するのが遅れたのである。)
彼は気付いていなかった…自分が、フランスのある西ではなく、逆の方向、大嫌いなアンジェリカのいる東方へと向かっていたことに。
実は方向音痴だろう。君。
で、全く気がつかないままに、通り縋ったのは例の忘却の橋のたもと。
泣いているフロルドリ。
リナルド「何だ、どうしたんだ? あんた」
フロルドリ「実は…私の恋人が…。」
涙ながらに語りだす彼女。恋人が魔法の城に捕らえられ、解放された後も戻ってこない。恋人を探すため、力を貸してくれる人を探している…。
どうやらアンジェリカ、自分が必要な援軍を手に入れたら後のことはどーでもなくて、きちんとフォローしてやらなかったらしい^^;
リナルドは、「じゃあいいよ、オレが手を貸してやるよ」と、あっさり承諾。フロルドリの馬に相乗りして、魔女の庭園へと向かった。
その途中のこと、彼は、グリフィンと巨人に守られた不思議な馬を見つける。これは実は、アンジェリカの弟・亡きアルガリアの乗っていた馬ラビカンで、主をなくしたため、生まれ故郷に戻って、かつての家族とともに暮らしていたのである。
…つーことは、何か? そのグリフィンと巨人は、馬の父ちゃんと母ちゃんか?!
馬の無いリナルドは、こいつぁいいや、自分のものにしちまえ、と考えた。
グリフィン、巨人とガシガシ戦って破り、魔法の馬を手に入れる。この馬は、額にひとつの星を持ち、空気しか食べなかったという。また、彼の本来の馬バヤールよりも早く走ったが、力ではバヤールに劣る、というものだった。
リナルドはラビカンにまたがって、フロルドリとともに進んでいく。そのうち、タタール王アグリカンの軍の兵に出会った。
兵は、アンジェリカの国での激しい戦いぶりを語る。王亡きあと、軍は総崩れとなっていること、ひとりの勇士が激しく戦っていること。
話を聞いて、リナルドには、その勇士というのが従兄弟のオルランドゥだと気がついた。
リナルド「あれ? でも、オルランドゥって魔法の城に捕まってたんじゃなかったっけ…。」
フロルドリ情報では、フロリマールもオルランドゥも、魔法のとりこなっていたハズ。オルランドゥが解放されたってことは、もしかしてフロリマールも一緒にいるんだろうか?
てなわけで、リナルドたちは一先ず、戦場へ向かうことにした。アグリカンの軍は今や大混乱、アンジェリカの父・ガラフロンの圧倒的優勢である。
今やアンジェリカ大嫌いになっているリナルドは、どっちに手を貸すでもなく、のんきに傍観していた。
ところが。
彼の乗っていた馬、ラビカンが、偶然ガラフロン王の目に留まってしまった。
ガラフロン「そ、その馬は。わしの…わしの倅の馬ではないか…!」
娘アンジェリカから、アルガリアが殺されたことを聞いていた王は激怒。勝手にリナルドが下手人だと思い込み、戦況とか軍の指揮とかほっぽらかして、リナルドめがけて打ちかかってきたのである!
ガラフロン「うおお! 息子のカタキぃい!」
リナルド「な、何だ何だオイ!」
リナルドだって、びっくりだ。誰だよこのオッサン、息子のカタキって何のことだよ。言いがかりか?
家臣たち「王! おやめくださいっ、王!」
ガラフロン「ええい放せ放せお前たちっ」
家臣たち「王がご乱心だぁあ!」
興奮したガラフロン王は家臣たちにひきずられて帰っていったが、不幸な言いがかりつけられたリナルドは癪でたまらない。何なんだ、あのオッサン。超ムカツク?!
かくて、単なる傍観者だった彼は、ガラフロンの敵陣(=タタール王の軍、アンジェリカの敵側)に、回る。
売られたケンカは無理にでも買う。
それが貴族のぼんの懐具合(笑)
本来、自分とは関係ない戦いに勝手に参加して、しかも相手方をガシガシ倒してるんだから、リナルドも血の気が多いというか、若いというか。
そしてついに、アンジェリカ側の最終兵器と対峙する時がやって来た。
オルランドゥである。
従兄弟対決。今もまだアンジェリカにベタ惚れで、「姫様のためなら」なオルランドゥと、アンジェリカ大嫌い、「顔も見たくない」リナルド。お互い、相手が誰なのか分かっていないので、手加減なしのガチンコ勝負。しかしこの時はリナルドに運があった。
なぜなら…
オルランドゥが乗っている馬は、リナルドの馬バヤールだったからである。
…何でこんなことになったのかって。話せば長いんだが…
思い出して欲しい。まず最初、アストルフォが、リナルドを探してバヤールに乗って旅に出る。旅の途中、アストルフォはフロリマールと出会ったが、忘却の城で、操られたオルランドゥと出会いダッシュで逃げてしまった。
その後、彼はアンジェリカの城にたどりつく…。
で。
ここんところ負け無しの彼は、自分の腕前に自信持ちすぎちゃって、いい気になって単身、敵陣に乗り込んでいたのだ。
しかし相手を馬から突き落とす魔法の槍って、基本的に、一対一の時しか通じない。回りから大人数に取り囲まれて、アストルフォは敢え無く撃沈。捕虜になって、馬も武器も取り上げられてしまった。
↓
…彼は助け出されたが、馬バヤールはそのまんま、タタール軍の手に残された。
↓
そのバヤールを、タタール王アグリカンが乗っていた。
↓
アグリカンはオルランドゥとの一騎打ちで倒れた。
↓
今、バヤールに乗っているのはオルランドゥ。
うわぁ、苦労したんだなあバヤール! お前にも色々あったんだぁ!
そして、巡り巡って愛するご主人の敵に回ってしまうとは。いやん。
だが、馬とはいえ、バヤールは人間なみに忠義の厚いヤツ、否、馬ながらに”ご主人様・命”な冥土さんであった。「私、ご主人様とは戦えない…!」
オルランドゥの言うことを聞かず、逆らい続けたためリナルドが有利に。
バヤールが戦うのを嫌がる相手って、この世でリナルドだけなんだからサ(笑) その時点で気がつけよ、オルランドゥ。
ところで、この時、アストルフォはリナルドの味方になっていた。
勝手にリナルドを心の友に任命していたアストルフォ、リナルドがタタール軍の味方をしていると知るや、あっさりアンジェリカのもとを抜け、リナルドの加勢に走ったらしいんだよね。
いやぁ…この男もよく分からん。
アンジェリカの色香に惑わされていたわけではなかったのね?
その、アストルフォがピンチになっているのを見つけたリナルド。
オルランドゥとの勝負をあっさり切り上げ、友人の加勢に向かってしまった。
オルランドゥ「待て、俺との勝負を捨てる気か!!!」
リナルド「悪いな。オレには名誉より友情のほうが大事なんだ。」(※そんな男前な人なのか。)
癪に障るオルランドゥ。飽きもせず敵軍の勇士(相手がわかってない)への挑戦を続けようとするが、既にそれがリナルドだと分かっているアンジェリカは、愛するリナルドを危険な目にあわせたくないあまり、一計を案ずる。
それは、オルランドゥに特殊任務を申しつけ、しばらく戦場から遠ざかってもらおう、というものだった。
アンジェリカ「私の望みをかなえて、オルランドゥ。魔女ファレリーナの庭園を壊し、とらえられた勇士たちを解き放って、私のもとへつれてくるのよ。」
オルランドゥ「仰せのままに…姫様…!」
オイオイ。勝負のほうはいいのか?
かくて、冒険へと送られることになったオルランドゥ。
それを知ったリナルドもまた、フロルドリとの約束をはたすべく、魔女の庭園を目指し戦場を離れる。
ようやく助けに来てもらえるんだな、フロリマール。ここまで散々ほったらかしにされてきた君に、心からお気の毒と言おう…。
[そして男たちの冒険が始まる。]