■シャルルマーニュ伝説 |
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つっこみルネッサンス
アンジェリカ姫が向かったのは、例の「忘却の橋」を通る道。
アストルフォは辛うじて避けることが出来たが、フロリマールはとらえられてしまった、あの橋である。
偶然通りかかったって言ってるけれど…当てもないのに「援軍呼んできます」は、無いだろう。実はここに人々が捕らえられてること知ってたんじゃないのか、アンジェリカ?!
フロルドリ「しくしくしく」
アンジェリカ「あら。どうしたの、こんなところで」
アストルフォに見捨てられ、恋人フロリマールは自分の忠告も聞かず捕らえられ、橋のたもとに取り残された、哀れな乙女・フロルドリ。
彼女はアンジェリカと出会い、これまでのいきさつなどを話す。
男相手だとケンもホロロな姫様なのだが、困っている同姓相手にはやたらと優しい。
アンジェリカ「では私が、あなたの恋人を助けてあげましょう。」
フロルドリ「ありがとう…おねえさま…!」
アンジェリカ姫は勇ましく、単身城へと乗り込んでいく。魔法の指輪で姿を消して、中に入って、捕らえられた勇士たちを指輪に触れさせる。
すると、アラふしぎ!
人々はハッと我に返り、アンジェリカに従うようになったのだ(笑)
その中には、オルランドゥと仲間たち、フランスの高名な9人の勇士たちも居た。つまり、シャルルマーニュの宮廷は、そんだけ人手不足になっているのである…。
アンジェリカが勇士たちを連れて戻ると、形勢は一気に逆転した。
アグリカンの兵たちは次々と奪われ、王自身、まわれ右して走らなくてはならなくなってしまう。それを見つけたオルランドゥは一騎で王を追いかけた!
泉のある草原で、追いついたオルランドゥとアグリカンは相対し、いざ、一騎打ちの時。(角笛「パォ〜」)
そして馬の上から男の語り合い。(セリフが臭すぎて身もだえしそうなので省略。)
星の輝きだすその時まで、男たちはただひたすらに剣と剣を打ち合わせ、戦い続けるのだった…!
「ふう。ふう。はあ。そろそろ日が暮れる。ひとつ夜明けの時まで休もうではないか」
「そうしよう。」
夜になると、男たちは草の上にそれぞれ腰を下ろし、晴れた空を見上げながらしばし休息の時を迎える。
互いの顔の見えない、夜だった。
そして、きれいな星空を見上げる森の中の一夜である。
オルランドゥ「キリストっていいよね。」
アグリカン「いきなり信仰語りか。」
暗闇になると突然、語りだすのが物語のお約束。彼らは人生哲学について語りだしたようである。
こんだけバシバシ戦っといて、今まで名前すら聞いてなかったため、二人は、ここでようやく相手が誰なのか知る。
知りもしないで、よく命がけで戦ってたなコイツら、もし鎧の中身が味方だったらどうするんだよ。
オルランドゥは延々と神がどーの、学問がどーの語り、アグリカンはそんなんどーだっていいんだよ、それよりオマエ、恋をしたことはあるか? なんていう話をはじめる。
嗚呼、何故なのか。このようなシチュエーションに陥ったとき、男たちは皆、何故か修学旅行の男子学生と化すのである…!
オルランドゥ「実はさ。オレ、アンジェリカが好きなんだよね…。」
アグリカン「!!!!」
どーん。相手の好きなコが、自分と被ってるーv
わあ。泥沼の修学旅行シチュエーション。暗がりの中、唇を噛みわなわなと震えるアグリカン(大人気ない)。
オルランドゥも、よせばいいのに延々とノロケ話なんかするもんだから、アグリカンの心に火がついちゃって。
アグリカン「貴様のような奴に、彼女は相応しくないわ! 立て! 今すぐブチ殺してくれる!!!」
オルランドゥ「何を!」
ああ悲しいかな、芽生えかけた友情は跡形もなく壊れ、女を巡って大の大人が大喧嘩。剣ふりまわして闇の中、戦いは延々、何時間も続いた。アグリカンはオルランドゥに激しい一撃をくらわしたが、オルランドゥもまた、アグリカンにお返しをした…そしてアグリカンは倒れた。
アグリカン「ぐ…ぐふっ。オレの負けだ。今ならオマエたちの神も信じられる。お願いだ…息絶える前に洗礼をほどこしてくれ…!」
異教徒が死の直前に改宗するというのが、もーのすっごいご都合主義でお約束なんですけどね。異教徒は死んでも天国行けないから、お気に入りの異教徒キャラは、せめて死ぬ前に洗礼さしてやれ、っつぅ。
(余計なお世話だっちゅーの。)
泉の水で洗礼を施したあと、オルランドゥは、アグリカンの最期を看取り、鎧と剣をととのえたまま、その場に残して立ち去ったのであった。
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ちなみにフロリマールはというと、一人だけ、力ある魔女・ファレリーナに渡されてしまっていたので、アンジェリカが破った魔法の城にはいなかった。
なんも悪いことしてないはずなのに、乙女フロルドリの苦労は、まだまだ続く!
[次回は、ようやくアノ人も復活だ。]