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県連ニュース
〜 生協連からのニュースとお知らせ 〜

    <特定商取引法について>

3.特定商取引法における訪問販売について
   〜お店で契約の申込をした事例〜


                               司法書士 小楠展央

 今号は前号から引き続き、特定商取引法における訪問販売についてご紹介します。今号は、お店で契約の申込をした事例を採り上げてみます。

1 レストランで契約した

<実際の相談から>

ある日、知人のAさんから電話がかかってきました。Aさんと世間話に花を咲かせていると、Aさんから「今、私、陶芸教室で事務をやっているの。そこで展示会をやってるんだけど。時間があればこれから足を運んでみない。」と言われました。私はすぐに賛成しました。

私はAさんが勤めている陶芸教室に行きました。教室の中で展示会をやっていました。私は、お茶を習っているせいか、時間を忘れて作品に見入ってしまいました。私が作品を手にしていると、陶芸教室の先生から、習いに来るように誘われました。私はつい「是非」と言ってしまいました。

先生から、月謝が月1万5000円、その他に道具や材料代がかかる旨説明を受け、少しひるみましたが、私は入会申込書にサインしてしまいました。
自宅に戻り、夫に陶芸教室のことを話したら、「うちの社長の奥さんがその教室のことで愚痴を言ってた、何かよくわからないお金を払わされるって。辞めるときも揉めたって…。」
それを聞いて、私もやめたくなったのですが。


この相談では、「私」が、陶芸教室に赴いた際、その教室において、陶芸技能を教えてもらうというサービス提供契約とそのサービスに付随する道具や材料を購入する売買契約の申込みをしています。つまり、「営業所」において契約の申込みをしたことになります。

「営業所」で契約の申込みをしていることから、何となく訪問販売に当たらないのではないか、と思われるかもしれません。しかし、この相談のようなケースであっても法律が定める「訪問販売」に該当することがあります。

この相談のケースでは、確かに相手の教室(=営業所)で契約を申し込みました。しかし、「私」は自発的にその教室に行ったわけではなく、Aさんから電話で呼び出されて行っています。また、Aさんは、「私」を呼び出す際、陶芸教室入会の勧誘をすることを一切告げていません。その結果、展示会と認識していた「私」が、教室に行った後、不意に陶芸教室入会の勧誘を受けたことになります。
この不意打ちの要素は、販売員が突然自宅にやってきて勧誘を受ける場合と変わりありません。むしろ、店によっては、何人もの従業員に取り囲まれて、契約書にサインするまで何時間も説得を受けるなど、自宅にいるときよりひどい状況に追い込まれることさえあります。
そのような事情から、販売目的を告げずに電話等で店に呼び出し、呼び出された者が店で契約を結んだり、申し込んだりした場合、特定商取引法はこれを訪問販売に該当する取引として規制することにしています。

以上のとおり、お店で契約した場合であっても、販売目的であることを告げられずに呼び出された場合には、訪問販売としてクーリング・オフできるケースがあります。「お店で契約したからだめだ。」とあきらめる前に、役場の相談窓口等に相談してみましょう。この相談のケースでは、申し込んだばかりのようですから、クーリング・オフすることができるかもしれません。

2. 特定商取引法における訪問販売について
4. 特定商取引法における訪問販売について〜クーリング・オフについて〜

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