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連載 <年金を知る> 4. セカンドライフの資金準備②
前回、セカンドライフの資金準備について5つのステップを踏むことを書きましたが、
今回はその後半部分、
④手持ちの貯蓄の内いくらをセカンドライフに回すか決める、運用利回りを想定する。
⑤積立利回りを想定し必要な積立額を逆算する、
について簡単に計算する方法をご紹介します。
現在45歳のXさんが65歳までに2000万円を目標額とする例で説明します。
☆手持ちの貯蓄から資金を出す
セカンドライフの資金の出所は、今既に持っているお金(貯蓄)と、これから積み上げていく
お金(積立)の2通りです。まずは手元にある貯蓄のうち、いくらをセカンドライフ用資金として
別枠に回すか考えましょう。
【今の100万円が何%で何年後どうなるかの表】
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0% |
1% |
3% |
5% |
10年 |
100万 |
110万 |
134万 |
162万 |
15年 |
100万 |
116万 |
155万 |
207万 |
20年 |
100万 |
122万 |
180万 |
265万 |
25年 |
100万 |
128万 |
209万 |
338万 |
Xさんは500万円の貯蓄を持っています。このうちいくらを回すかはAさん次第。
二つのパターンを考えてみました。
A案:思い切って400万円
B案:すぐに使えるお金も残したいので200万円
Xさんは預貯金以外にも様々な金融商品を組み合わせて、長期的に3%程度の利回りが
期待できる方法を採るにしました。上の表で3%と20年が交差するところの金額は180万円。
今の100万円が3%で増えると20年後180万円になることを表しています。Xさんの場合、
A案なら720万円、B案なら360万円が退職時に確保できます。
すると目標の2000万円まで足りない金額は、A案で1280万円、B案だと1640万円となり、
これを20年間の積立で準備しなくてはならないことがわかりますね。
☆目標額を達成するための毎月の積立額を決める
【月1万円の積立が何%で何年後どうなるかの表】
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0% |
1% |
3% |
5% |
10年 |
120万 |
126万 |
141万 |
158万 |
15年 |
180万 |
195万 |
229万 |
271万 |
20年 |
240万 |
266万 |
332万 |
416万 |
25年 |
300万 |
342万 |
450万 |
601万 |
Xさんは先ほどと同様に長期的に3%の利回りが期待できる方法を選びました。
3%と20年が交差するところの金額は332万円。毎月1万円の積立が20年後332万円になる
ということです。A案では1280万円、B案では1640万円を積立で貯めなければなりません。
したがって各案の積立額は次のとおりとなります。
(月々1万円で20年後332万円になるとすると、○○万円貯めるには月々いくら積み立てたら
よいか? 目標額÷332万円=積立額)
A案 1280万÷332万=3.9万円/月
B案 1640万÷332万=4.9万円/月
Xさんは最終的に貯蓄が一時的に少なくなっても毎月の積立額が少なくて済むA案を
採用することに決めました。
☆時間を味方につけ、複利効果の恩恵を受ける
2つの表を見てもらうとわかりますが、期間が長いほど、利回りが大きいほど、お金の増え方は
大きくなります。いわゆる複利効果です。例えば1%と5%では25年間で210万円もの違いが
現れます。お金がお金を稼いできてくれるのです。これは少子高齢化の進行する情勢下
とても重要なポイントです。
資金運用と言うと「お金持ちのことでしょ」と思われるかもしれませんが、一般の生活者にこそ
必要な時代になっていると思います。これまで馴染みのなかった方も、ぜひ情報収集に努める
よう心がけて下さい。
3.セカンドライフの資金準備 へ 5.ねんきん定期便 へ
○執筆
静岡ライフプラン設計相談室 代表 山川正人
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