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<くらしのセーフティネット>
9 非正規社員はどれだけ守られているか
■3人に1人以上が非正規社員に
非正規社員とは、契約社員、嘱託、パート・アルバイト、派遣社員など、
いわゆる正社員以外の労働者のことをいいます。ほとんどの場合、労働
契約の期間に定めがあり(有期労働契約)、賃金や福利厚生面でも
正社員とは「格差」があります。非正規社員の割合は、増加の一途を
たどっており、09年1~3月平均で33.4%と3人に1人以上となっています。
(※1)
■労働基準法の適用
非正規社員であっても、労働基準法が当然に適用されます。例えば、
労働条件をきちんと書面で明示してもらう権利がありますし、1日8時間、
週40時間を越える時間働いたら、残業代(割増賃金)の請求ができます。
■雇い止めの制限
非正規社員の場合、契約期間が決まっていることが多いため、期間が
満了すると契約を打ち切られてしまう心配があります(雇い止め)。とは
いっても、長年更新を繰り返していて、正社員同様に勤務しているような
場合、単に契約が終わったからといって、合理的な理由もなく雇用が
打ち切られるとすれば労働者にとって酷です。このような場合には正社員に
適用される解雇に関するルールが適用され、雇い止めをするには、著しく
勤務成績が不良、人員削減がどうしても必要な経営不振など、「合理的」な
理由が必要とされます。(※2)
■期間途中での解雇はできない
また、契約期間内に解雇することは、よほどのことがない限り認められ
ません。労働契約法17条は有期労働契約について「やむをえない事由」が
なければ解約できないとしており、普通の解雇よりも厳しく制限しています。
■年次有給休暇
契約社員などは当然のこと、パートなどの短時間勤務の労働者であっても、
年次有給休暇が取得できます。週30時間以上または5日以上勤務する
場合は、正社員と同じ日数が付与されますし、それより少ない場合でも
比例して付与されますので、積極的に取得しましょう。
(※3 具体的な付与日数については最寄りの労働基準監督署へ問い合わせてください)
■社会保険等
雇用保険については、週所定労働時間が20時間以上あり、6ヶ月引き続き
雇用されることが見込まれる場合には加入できます。09年の雇用保険法の
改正によって、雇用見込み期間が1年から6ヶ月に短縮されました。
(※4失業したとき」参照)
労災保険は、非正規社員であっても、当然に適用されます。仕事でケガを
したり、病気になった場合には、治療費や休業補償が受けられます。
使用者が労災申請を嫌がっても、自分で労働基準監督署に行けば受け付け
てもらえます。(※3)
社会保険(健康保険・厚生年金保険)についても、就労の実態からみて
正社員の4分の3以上働いているような場合には、正社員と同じように
入ることができます。
■育児休業
非正規社員も1年以上継続して雇用されていて、子が1歳に達する日以降も
働くことが見込まれる場合は、育児休業を取得できます。
※1 総務省「労働調査詳細集計」第1表雇用形態別雇用者数
※2 採用時に使用者が長期雇用について期待を持たせる言動をしたり、更新回数が多い
ような場合には、雇用と同様に扱われます
8. 借金が返せなくなったら 10. 住居を退去させられそうになったら
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