芸 能 生 活 28 周 年 記 念

桂雀三郎 25日間連続落語会
エピソード集

・・・一心寺シアター3F 立身出世劇場アトリエ・・・
1999年9月3日(金)〜27日(月)

毎日・毎日・毎日・毎日… 雀三郎さんは2席ずつ落語を演じました。
25日の間にはやっぱりいろいろハプニングもありましたヨ。(~o~)


1■初日から会場変更。信号のところで雀三郎道案内

予定していた一心寺シアター3Fの立身出世劇場の本体とも言うべき、一心寺シタアーで、初日と2日目にお芝居が上演されることとなった。落語会の方へお芝居の音響が聞こえてくるので、ちょっとわずらわしく、急遽、あちこち探した結果、一心寺の向かい側にある天暁院というお寺を借りられることになった。何も知らずに来る客を誘導するために立身出世劇場の若者たちが要所要所に案内に立つ。「あちらに雀三郎師匠がおられます。」と言われた方向を見ると、なんと!信号のところに雀三郎さんも道案内に立っておられる!2番太鼓の前にお詫びのため雀三郎さんがアロハ姿のまま高座へ上がってご挨拶。「歩かしてすんまへんなあ〜」・・・う〜〜ん、なんという心遣い。感動!

2■“夏の医者”と言ったハズ。“ちしゃ医者”にすり替わった演目?!

2日目、ゲストの小米さんが出てくるなり、「電話でね、“夏の医者”と言うたはずなんですが、今日来てみたら、プログラムに“ちしゃ医者”と書いてありまんねん。わたい、この話知りまへんねん。(笑)いやあ、筋くらいは知ってますけどね。なんとかやりまっけど。」オイオイ、大丈夫なんかあ?
“夏の医者”はサゲが「夏のちしゃは腹にさわる」というので、“ちしゃ医者”と間違いやすい。“ちしゃ医者”は「足にかかったからよかった。手にかかったら命が危ない」というもの。まあ、なんとかサゲまで無事にたどりつくところはさすがプロ!

3■というわけで、3日目から立身出世劇場で開催

本来の会場である立身出世劇場、劇団のけいこ場に高座を組んだ形となる。「せまい!!」これで定員65人・・・入るのか?きのうまでの天暁院の方が、よっぽどきれいで広い。たいていの客がア然となる。

4■9日目当日券がないため、帰る人、待つ人

小米朝さんのゲストのため?いやいや、そんなことは考えたくないが。土曜日のせいか満員で当日券が売り切れる。しかし、遠くから出て来た人もあり、「帰れません!!」と粘る人、「あ、そうですか。」とあっさり帰る人。開演の7時まで待ってもらって粘った客5人くらいをムギュムギュと詰め込む。

5■ア然!!!携帯電話が鳴り、しかも電話に出るフラチなおばさん

ギュウギュウ詰めの9日目、雀三郎さんの2席目「まんじゅうこわい」の怪談話の最も静かなところで携帯電話が鳴った!!(コンニャロ〜、エエとこで!!)みんなは電源をすぐに切ってくれるものと信じていた・・のに!!「今、しゃべれへんねん。あとでかけなおすわ。」としゃべりくさりさらしよる!!もう、“開いた口がふさがらん”というのはこういうこっちゃ!もう、何遍ののしっても腹の虫がおさまらんわい!
雀三郎さんも後々まで、何度もマクラで言う。「こないだね、携帯電話がなりましてん。“まんじゅうこわい”の怪談話のとこですわ。マクラやったらまだええんですが、話に入るとどうしようもおまへんからな。携帯の電源は今すぐ切ってくださいますようお願いします。」

6■10日目更に詰め込む。約75人、「え〜?まだ詰める!」

9日目でもかなり詰め込んでギュウギュウだったし、暑かったのに、10日目は日曜日のせいか、さらに客が増える。またまたお詫びのため雀三郎さんがアロハ姿のまま高座へ上がってご挨拶。「え〜、あと少しずつお譲りください。私の方も、入る時には入れときたいんで・・・」クーラーは全然きかず、サウナ状態。うちわの風もぬる〜〜〜ゥ。誰も貧血で倒れなかったのが不思議なくらい。

7■10日目「蛇含草」で、蛇含草を食べるのを忘れ、やり直し。

暑さのせいでしょう、きっと。1席めの「蛇含草」、おもちを腹いっぱい食べて帰ってきて部屋の戸を閉めたあと、すぐにおもちを食べさせた人が「帰ってるか?」と心配して来た。「『これ!開けなはらんかいな』戸ォをシュッと開けるとぉ・・・・・。ちゃうわ・・・。」「蛇含草食べるの忘れておりました」(爆笑)ついでに、米朝さんが蛇含草もらうのを忘れたので、押入から『前にもろたんがあったなあ』と出してきて食べたという話をしてくれて、「ここでやめたら、初めて聞く人はなんのことやらわからんので、もういっぺんやりますわ」とおもちを腹いっぱい食べて「ぷ〜ぅ!」という格好で家に帰るところから、やり直し。後世に残る大ハプニング!!

8■22日目台風の影響で開演直前に大雨。避難所と化す?

台風が近づいていたので「明日、台風が来ても落語はやります。お客さんが一人もおらなんでもやります。これはやることに意義がありますんで」と前日から雀三郎さんからクギをさされる。朝のうちは「台風の影響で午後から夕方にかけて近畿圏大雨大風」と脅かされまくったのに、開けてみると、ほとんど影響なし。な〜んや…、と油断してたら、会場到着直前に、いきなり豪雨。が、傘が効かない。逃げ込むようにして会場入り。ひ〜。
前座の吉弥さんがマクラで「大雨の中、こういう場所に皆さん集まってると、なんか、避難所みたいですね」と、ほぼ素で述べた感想にみんな爆笑。

9■23日目「時うどん」で手拭いを忘れる。

「蛇含草」につづいてのハプニング。(しばらく調子がよかったのにね。)「時うどん」の手拭いを小銭入れにしてお金を勘定するところで、「おまえ、なんぼ持ってる?」とふところに手を入れた瞬間、「あ、手拭い忘れた。誰か手拭い取ってもらえまへんか?」と袖へ素で言う。「これからよう手拭い使いますんで、ないとちょっと不便でっさかいな。」「うちの師匠もよう忘れ物しましてな。扇子を忘れはったことがありまして、渡すのに歩いて舞台の真ん中まで行けまへんので、舞台の下へおりて前から放りましてん。それをヒョイと受けて、何事もなかったようにうどん食べはりまして・・・。こんなことまで、似てきたんかいなあ」

10■23日目「時うどん」かまぼこが「ふ」みたいや、というところ、
先に「ふ」と言うてしまい、飛ばす。

「時うどん」で2つ目のハプニング。どうも今日は調子が悪いな。アホがまねをして、一人でうどんを食べに行った時、かまぼこを誉めようとするが、「ふ」みたいやと言わなアカンのに、かまぼこの「か」のところで「ふ」と言うてしまい、「これ飛ばそ!先に言うてしもたら、全然面白ない」と猛スピードで次へ行く。

11■千秋楽はさすが最高の人数!約85人、超満員!!

前評判のとおり、チケットは売り切れて満員御礼。キャンセル待ちの客のために整理券が配られる。開演時刻には観客の数は約50人(?)。まあまあやん。と、思ってたら、「すみませ〜ん。あと、若干30人、おこしになりますので、お覚悟を〜」の声にどよめく会場。”若干”30人って… (^_^;)

12■千秋楽のマクラ・覚え書き

え〜、いよいよ千秋楽でございまして、たいへんありがたいことでございます。始まる前から、お客さんの方がわたしよりよう心配してくれはりまして。「途中で声出んようになったらどないしまんねん?」とか。わたしは無責任〜な人間やから「やめたらええやん」思てたんですが。(大爆笑)
やり続けないかん、ちゅうもんでもないですしね。これで世界が変わる、ちゅうもんでもなし。ただ、やりたいからやってる、ちゅうだけですわ。あ、やる気はありましたで、念のため。しかし生意気言うようですが、全然しんどいことないんです。ノド、痛となったりはしたんですが、体のほうは、ほんま全然しんどいことはなかったです。確かに精神的には余裕はないんです、正直なところ。ネタ繰りも大変ですしね。でもそれよりも、「今日もお客さんの前でしゃべれる!」という、充実感があるんですな。うれしいんですな。うれしさの方が先に立って、体はしんどいことなかったです。そこらは自分でも意外なくらいでしたな。

…最初の頃、ちょっと“薄い”日もありましたが、だいたいはぎょうさん入っていただきまして、中には入りきれんような日もあったんですが、ことに今日はきゅうくつな思いさせまして、すんまへん。でもまあ、「今日のお客さんは、みんな、覚悟して来てはるやろう」言うてたんですが…。 通し券は15〜6枚売れてるんですが、毎日来られた方が4人ほどおられます。
…まあ、みなさんのおかげで千秋楽を無事迎えられたんですが、やっぱりこれできたんも、わたしはこれが「好き」やからなんですな。「好き」なことやってたら、しんどいこともなんともないわけでして…。まあ、人間いろんな「好き」なことがありますが…(→「胴乱の幸助」へ続く)


お礼■このページの内容は「寄席熱目」の松永さんにご協力いただきました。


毎日の感想はこちらで

たくさんの方々が落語会の感想を書いてくださっています。
かなりの量になるので、お覚悟を!!
「桂雀三郎 25日間連続落語会」の感想以外も混じっています。

Wasavy's World 9月分.....わさびさんの感想 5件
桂雀三郎ファン伝言板掲示板過去ログ.....25日間連続落語会期間中、ファンは何を話してたか、興味あります?




HOME新聞の記事
25日間連続落語会の会場25日間連続落語会の勇姿
25日間連続落語会の全演目|25日間連続落語会エピソード集