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[No.240] 変形一輪挿し 価格 1000円 '23. 8. 1 up
70 mm X 75 mm
昔、茶人であった千利休は赤い楽焼茶碗を陶芸家の長次郎に依頼して何点かを手にした。そして弟子たちに好きなものをもって行ってよいと告げたところ一つだけ残ったものに木守(こもり)と銘にしたという。
木守・・とは収穫した柿の木に一つだけ残し来年の豊作祈願とか野鳥やサルたちにも分け与えてあげよう・・・つまり残り物を意味しますがあえて「木守」と銘にしたことによりそればかりが至宝のごとくに思われた‥と言います。
「利休の奴め、何やら訳のわからんガラクタに銘うってバカ高い値付けで儲けやがって・・」と、太閤殿下・秀吉の機嫌を損ねた‥と言う逸話が残っているとかいないとか。
陶芸で徳利とか花瓶とかを「袋もの・・」といいます。水や酒などの封入に入り口は細く、中が広がっている仕様になるものを指します。これがまた私にとっては幾つも失敗するのですが・・「こんな形でも花器として用は足せるんじゃね?」
そんなわけで成形に失敗した器ですが素焼き、絵付け・施釉、本焼きをして「変形一輪挿し」としてしまいました。いえ、決して国宝級の「木守」にあやかりたいとは思ってもいません。ハイ、
次回の更新は 9月 1日となります
[No.239] 受け皿付きコーヒーカップ 価格 セット 1000円 '23. 7. 1 up
カップ 95 mm X 65 mm 受け皿 148 mm X 40 mm
いよいよ梅雨本番となりました。何となく家で過ごすことが多くなりついつい気が付けば冷房で体も冷え切ってしまいがちです。
そんなときホットな飲み物が欲しくなることがあります。
雨間の庭をぼ〜っと眺めながら飲むコーヒーの味わいも格別な気がいたします。
そんな時には一人用の特別なカップが望ましいようです。
普段飲みのコーヒーと一味違う・・・そんなひと時が必要ですね。
次回の更新は 8月 1日となります
[No.238] ぐい呑み風盃 価格 各 500円 '23. 6. 1 up
86 mm X 45 mm 93 mm X 43 mm
4月に遊び半分に作ったぐい呑み風の盃ですが今時古風な方がいらっしゃって所望したい…と声がかかりました。
暫くいわゆるぐい呑みばかり作っていましたが目変わりしたものが受けるようです。
もともと酒器などは一人飲みするときは意外と酒器を話し相手にひとり静かに呑む・・・、したがって話し相手が徳利や盃になることもあります。
まあ飲み干した後にはひっくり返して嫌がるだろうけれどその尻を眺めたりごつごつに触れたりすることもあります。
ひとり静かにお酒を呑む人が一人でも増えることを願ってまた似たような盃でご挨拶いたします。
次回の更新は 7月 1日となります
[No.237] 初夏のお茶碗 価格 各 500円 '23. 5. 1 up
93 mm X 63 mm 80 mm X 50 mm
我が家の庭の季節も新緑を過ぎて木々の葉も緑を濃くしてきました。
そしてこの季節風薫る五月晴れへと一年のうちで本当に過ごしやすく気持ちの休まる季節へと移り変わりました。
そんな季節にぴったりなお茶碗をご用意してご紹介しました。
よくご存じの方はわたしがお茶碗のご紹介・・・なんて言ってもどうせお茶なんかではなく酒を呑む器のことだろう・・。
はい、もうよくご存じのことで恐れ入ります。元々昔から著名なお茶人が高価な茶器を手にしてうやうやしく扱ったところで所詮は朝鮮半島で作られたメシ茶碗に過ぎないのです。
そのようにどんな器であれどんな使い方をしても、むしろ使い方によって作品の価値が高められる・・・と言うのが私の持論です。少し無理がありますか(笑)
次回の更新は 6月 1日となります
[No.236] 徳利と盃 価格 ● 3000円 '23. 4. 1 up
徳利 115 mm X 90 mm 盃 90 mm X 40 mm
今更私とお酒について申し上げることもありませんが友人の多くがご存じのようにお酒、ことさらに日本酒が大好きな私です。
それも暖かな時期では常温、そして寒い時期でしたら燗酒で嗜むのが私流です。この中にはギンギンに冷やした・・とか冷酒は入っていません。
お酒を呑むためにはその豊かな香りやふくよかな豊潤さ・・をいただく時の幸せを私は楽しむという呑み方をします。ですから喉ごしのスッキリした酒・・などという呑み方は決してしません。
酒器としての盃は室町時代ころまでは素焼きのカワラケ・・などが使われていて神事にそして三々九度・・に表現される盃などになじみ深いものです。
盃の形状はご存じのように小皿状、そしてお酒を口にするとき鼻からもその芳醇な香りを楽しめるよう合理的なつくりと言っても過言ではありません。ですからもっぱら私の晩酌は盃でお酒をいただいています。
ひところ”ぐい呑み”などがどこの呑屋さんに行っても酒器として幅を利かせていますがそれはあくまでお酒を摂取するという意味では合理的ですがお酒をたしなむ・・時には盃をお勧めしたい。
次回の更新は 5月 1日となります
[No.235] 大皿・・V 価格 3000円 '23. 3. 1 up
250 mm X 53 mm
この辺で一度大皿に挑戦している進捗状況もたびたび顔を出させていただきます。
大皿…という限りでは少なくとも直径は250mmを超えないとその大きさもいかばかりなものかと感じます。今回はそのぎりぎりの大きさでしょうか。
まあ、焼き上がりでこの大きさということはもちろん収縮していますから作陶した轆轤上がり時には280mmであったわけです。
更に考察しますに高さが53mmあります。以前ご紹介したNo.233 の大皿は 266 mm X 40 mm でした。つまり轆轤成型時には300mmちょうどであったわけです。
轆轤で大皿を成型するときこの53mmの高さをさらに横に広げることで皿は更に大きく整形されるのです。しかしその時の粘土の固さが弱い時には広げると重力で皿のふちが垂れ下がってしまいます。
まさしく大皿を作るということは粘性の強さと重力に打ち勝とうとするせめぎあいの頂点で大皿が完成するのです。〜〜あ”〜、そこの説明がなんとも伝えがたいんです、何とか推察力でわかっていただきたい。
次回の更新は 4月 1日となります
[No.234] 酒器セット 価格 セット 2000円 '23. 2. 1 up
120 mm x 60 mm、60mm x 55mm
このごろは酒器‥を作って遊んでいます。食事は真剣にいたしますがお酒は無理なく楽しくほどほどにやっています。
だからと言っていい加減なプラスティックのコップでという野暮なことは致しません。
片口は8分目ほどで約一合、ぐい呑みは軽く3杯で一合・・という塩梅です。
量産は致しませんから図柄も気の向くまま程よく釉薬になじんで「いい仕事・・」になりました。
これからしばらくは挑戦する・・陶芸から少し力を抜いた楽しむ陶芸をする所存です。
したがって当然のことながら次々と酒呑みのための酒器オンパレードの展開になると思います。
次回の更新は 3月 1日となります
No.233「 自家用皿の完成 」価格 ● 円 '23. 1. 1 up
( 280 mm ・ 150 mm ・ 120 mm ・ 100 mm)
新年明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願いいたします。
本年もこの「陶芸のこと」宜しく御ひいきしていただけるようチャレンジする所存です。
人生も終盤になったというのにやっと日常的に使われてきた道具のすばらしさを知りモノにしたいと励んできました。
ところがその辺で二束三文で容易く手に入るモノが、どうあがいても作れないもどかしさを感じてきました。せめて自分の使う食器ぐらいは・・・。
そもそも「食器ぐらいは・・・」という見下した考え方をまず大いに反省しないと始められないことでした。幾多の先輩陶工たちが身を粉にして完成してきた食器がジジイの趣味範囲では製造不可能という経験をいやというほど知らされました。
二束三文の作品であってもそこには使いやすさ、そして長年培ってきた技が込められて完成しているのです。そう、しかもその二束三文で作られることにまず驚きます。そしてそれが飽きの来ないそして神秘さえも感じさせる民芸品の境地に至っているのです。
早くその二束三文の世界の境地に浸りたい…、そう願うばかりです。
次回の更新は 2月 1日となります
[No.232] 使い勝手のいいお皿 価格 ● '22. 12. 1 up
全て (1500 mm x 30 mm)
我が家の食器全てを自家製で賄い始めて丸3年ほどになるでしょうか。
まあ道具ですから多少の不便さも伴ってくるというものでだんだんに使い慣れてくるともう少し・・・、と欲が出てきます。
なんといっても”酒器”に関しましてはいち早く気に入った器で酒が呑みたい‥の一心で目的達成は早かった。
しかし普段の食器に関して言えば先人の要望を取り込んで現在の食器の大きさや形が定まってきたのでしょう。まことに理にかなった形態をしているのです。
にわか陶芸師の私としては何とか陶工の域にのめり込んで作陶をしたいと思うのです。
特に、酷いご飯茶碗を作って送ってしまった方々には是非罪滅ぼしの作品を送りなおしたい。もう少し猶予をください。
次回の更新は 1月 1日となります
[No.231] 萩紋ぐい呑み 価格 1000 円 '22. 11. 1 up
(76 mm x 50 mm)
先月にご紹介した 優しい茶碗 と同じ流れの作品です。
高い山からボチボチ晩秋の便り・・というよりも初冠雪の便りも届く季節になってまいりました。
朝晩は冷え込みますが風もなく穏やかな日中は上着も脱いで小春日和の温くとさを堪能しています、フト気が付くと陽は西に傾いて寂しさが募ります。
夕飯の準備にはまだ少し早いとき何となくこの日暮れの余韻をもう少し楽しんでいたいと思います。
このぐい呑みはそんな時に常温のお酒をちょっとつまみ飲みしてはいかがでしょうか。
「や〜、花壇の手入れもこの秋最後か・・、この手の甲ちょっと季節外れのやぶ蚊にやられて痒いぞ」・・なんて言いながら。
次回の更新は 12月 1日となります
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