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[No.140] ビール・ジョッキー 価格 3000円(箱なし送料別) '15. 3. 1 up
( H 14.5 cm 350 ml 容 )
何年か前にわたしの叔父からメールをいただいて「焼酎のお湯割りカップを作ってくれないか・・」と。
その時確か「わたしは焼酎は呑まないのでどんなものかイメージが湧かなくて・・」と、お断りしてしまいました。
とかくお酒の器と言うものは人それぞれのこだわりもあるようで場合によっては呑めればどんな器でも構わない・・と言う人もいるくらいです。
圧倒的に種類としては日本酒の多い私ですが実に味気ないと思ったものが二つ、鮮明に覚えています。
一合パックでストローが付いているものがあります。今後どんなことがあってもそんなストローでお酒は呑みたくないと強く思いました。
二合瓶で移し替える器がありません、やむなくラッパ呑み・・と言うことをしましたがたとえ紙コップでもいいからあったらなー・・と思いました。
ビールについては缶から直接呑む・・ことが一つの文化になりがちですが私は器の中まで鼻が入ってその醸造の香りも楽しむと言う点では大きな器が好きなんです。
お酒もそうですがその香りを感じると、想いはお酒を作った杜氏の心意気や育まれた土地風土にまで心が開かれていくのです。
ところで、焼酎のお湯割りカップですが幾つか試作はしてみました。叔父がガラスではなくわざわざ陶器で・・と言った意味が少しわかりかけました。
叔父さん、このジョッキーではどうなんでしょう・・?。しかしその叔父も昨年の夏、他界されてしまいました。
次回の更新はイタリア大会帰国後 4月 6日となります
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[No.139] コーヒーセット 価格 2組セットで3000円(箱なし送料別) '15. 2. 1 up
( 径 9.5 cm )
ある日のことでした。スキー友達の彼が彼女を伴って遊びに来てくれました。
彼には勿体ない・・と思えるほどの美人でお淑やかで仕草の中にも少し古風な落ち着きも感じられる彼女なのでありました。
普段、我が家に遊びに来てくれる人・・なんて精々酒飲み友達かそれに似た類のがらっぱち・・しか居ませんから私も少し焦りました。
その時のことですが私は彼らが帰った後に大変な失態をしていたことに気付いたのでした。
いつもでしたらお酒やおつまみを用意して歓談・・と言う段階ですがあいにく彼は車を運転してきましたし、彼女もお酒は召し上がらない。
では、では・・と、おっとり刀でコーヒーなんかお出ししようと準備しました。そして私の自作のコーヒーカップに淹れ立ての美味しいコーヒーを注いで「さあ・・どうぞ・・」
一緒に私もコーヒーを飲みながら歓談していました。結構、話も盛り上がり楽しい時間もあっという間に過ぎました。
遅くならないうちにお帰りになると言うので玄関先までお送りしたあとカップなどをあとかた付けしていました。
あれ!?、彼女はひょっとしてコーヒーに砂糖やミルクが欲しかったのではないだろうか・・。自分流でしか頭の回らなかったことに深く反省しました。
もう、2年近く前の事でしたけれど相変わらず我が家には砂糖の用意が無い!、それほど反省している様子が自分に感じられん。
次回の更新は 3月 1日となります
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平 成 2 7 年 ( 2 0 1 5 )
新年明けましてお
めでとうござい
ます
本年もよろしくお願
いいたします
*〜〜 前回No.137 でもご紹介したとおり陶芸の方向を食器に転換しようと思い始めてきました。
ですから今回新年にご紹介する花瓶はその路線からすると最後になるのかなと思います。
昨年の秋ころから我が家の食器は徐々に私自身の作に寄るものに切り替えてきています。それはもう、申すまでもありません
お客様方には大変なご不便をおかけしております。
だって、食事もですがお酒を召し上がっていただきながらもテーブル自体が凸凹、加えて食器も置き場所を間違えるとひっくりかえかねません。
今では食器もですが窯業の世界はあまりにも規格化が進みすぎて安心して使う食器が多すぎます。勿論、安全基準を順守することはやぶさかではありません。
日本の陶芸の中に伝統的に伝わっている美意識・・詫びや寂びなどの他にも言葉では表現しつくせない食器に対する愛着・・のようなものを私は持ち続けているのです。
そんなものを確かめる旅に出発する年にしたいのです。作品の紹介とは少しずれましたご容赦ください。〜〜*
[No.138] 縞柄花瓶 価格 10,000円(箱なし送料別) '15. 1. 1 up
( H 32 cm x 15~21 cm )
次回の更新は 2月1日です
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[No.137] 手びねり銘々皿 価格●円(但し、注文可。5枚セット1万円)(箱なし送料別) '14.12. 1 up
( 径 18 cm )
もともと陶芸に対して崇高な志望を持っていることもありませんので気の向くままその作業を楽しんでいるのが実情です。
ツボだカビンだ・・更には抹茶茶わんだなどと言っているときには記憶に残る数々の名器を思い起こしては憧れて作陶もしていました。
常々背伸びしての疲れる仕事にフト疑問を感じることもありました。酒器を作るときにはあんなにも楽しいのに・・・
少し前になりますが2013年4〜6月、浦和市立美術館で「北大路魯山人展」があってそれを見て来た後私の陶芸に対する気持ちに大きな変化をもたらしました。
以前にもいわゆる民窯として日常に使う食器を作っていた陶磁器に対して外国人のバーナードリーチ氏や浜田庄司氏らの興した民芸運動に傾注していた私には実に素直な
新しい陶芸に対する指標でした。
妻を亡くしてからもうかれこれ6年、家でも山に出かけても食事を自分で作って食べる・・と言うことに慣れてきた今、改めてその食器にまで目が向いてきた気がするのです。
かつて魯山人展での彼の言に「食器は料理の着物だ・・」と言っていました。私の作る食事は料理とは程遠いものですがしかし、自分の作った食器に自分の食べるものを乗せるっていいよね。
今回のお皿セットは非売品になっていますがご注文はお受けします。但し、納期は1年かかります。
そして左のお皿には3個の「あばた」が見えます。これは重ね焼きをするため上の皿と下の皿がくっつかないように粘土の団子を置いた痕であって、傷ではないと思う約束事・・
なのです。
次回の更新は 1月 1日となります
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[No.136] 鼠志野風ぐい呑み 価格 ●円(箱なし送料別) '14.11. 1 up
( H 5 cm x 6 cm )
随分と長湯を・・しかも4回も温まってやっと出てきました。
焼き物の釉薬の主成分に珪素を多量に含む長石と言う鉱物が珍重されて身近なところでは志野焼き・・そして相馬焼など厚ぼったい釉薬が特徴的です。
釉薬が融けてガラス質が素地を覆って茶や水の漏れるのを防ぐ役目をします。そして温度の上げ方そして徐々に下げる徐冷の技法などにより細かい気泡が発生して光の乱反射により
輝くような白になるのです。
一概に長石と言っても多くの不純物を含み産出する地域によりそれは多種にわたるようで産地名を冠した呼び方をするのが一般的です。
元々珪素を主成分とするいわば地質と言うのは地球の75%を占め元素の中で一番の量を地球は含有していると言われています。しかし中々純度の高い長石はそうは無いとみられます。
ところで私がよく訪れる群馬県の片品村の須賀川から山を越えて花咲に向かう山中に群馬長石採石場があります。無断立ち入り禁止の看板がありますがもうそこここに長石とおぼしき
石っころは沢山転がっています。
それをトンカチで砕いて乳鉢でつぶしましたがとても固く、中々粉末にはなってくれません。かろうじて出来たものを篩にかけ素地に施し焼きましたが融けてくれません。
とうとう4回も窯の中で長湯をした次第でした。しかも最終回は窯の燃焼室の直接炎の吹き付けられるところ・・溶融温度は不詳、酒を注いでも格別な想いがめぐります。
次回の更新は 12月 1日となります
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[No.135] 手びねり鉢 価格 ●円(箱なし送料別) '14.10. 1 up
( H 21 cm x 32 cm )
とある村、その在の真ん中を小さな小川が流れています。川の岸辺には四季折々の草花が咲き誇って山里の風情を楽しませてくれます。
そんな小川の畔に今もって素朴な藁ぶき屋根のおうちがありました。「ごめんください・・・」と尋ねていくとおうちの中は煙がモクモクとしていて様子が見えません。
「・・・はい、どなたさんでしょうか・・?」まあ、よくもこんなに煙たいおうちの中にいられるもんだと感心するほどに煙まみれのご主人がヌーっと現れました。
プッフ!、しかもほっぺには少し炭の痕まで・・
「・・あら、よくいらっしゃいました!」藁ぶき屋根と言うのはこうして時々煙で燻してあげると悪い虫を寄せ付けず屋根のもちも良くなると説明してくれました。
ここのご主人はもう数十年も前からこの村に越してきて元は牛小屋だったこの小屋を実に魅力的なアトリエとして改良して染色の研究をして暮らしておりました。
玄関やテーブルには大きな花瓶や時には甕などに季節の花や枝を差し込んで素晴らしくダイナミックな生け花をして楽しませてくれるのです。
そんな花瓶や甕に私の作ったこの鉢をその仲間入れていただけないものかと前から片思いしていました。そんな想いは叶えられるでしょうか。
次回の更新は 11月 1日となります
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[No.134] メロディーフェアー 価格 価格 ペアー 3、000円(箱なし送料別) '14. 9. 1 up
( H 5 cm x 9 cm )
たまに少し凌ぎ易い日もめぐってきました、意気地のない夏です。私は夏でもコーヒーは熱いやつを淹れて匂い立つふくよかな香りを楽しむのが好きです。
その為にはまず、部屋の冷房を少し強めにしてある程度冷えたところで弱風にして準備ヨシ!。
元々おいしいものを食するために万難を排して・・と言うほど凝る方ではありません。でもまあ、コーヒーを飲むときにはこれくらいのことはします。
精々ここまで、あとはフィルターを折り曲げてセットしもう引いてある市販品のコーヒーに湯を注いで淹れる。でもちゃんとカップにはあらかじめ白湯を入れて温めるくらいの事はします。
う〜ん、違いはそれほど判る男ではありません。音楽だって何も荘厳なクラシック音楽やノリノリのリズム音楽でなくてもいいのです。
ふっと・・あれ?、何だっけ?。そうかメロディーフェアーだったんだ。そう言えばそんな名前のコーヒーカップも時々イイネ!。
次回の更新は 10月 1日となります
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[No.133] 抹茶々碗「悠」 価格 価格 3、000円(箱なし送料別) '14. 8. 1 up
( H 8 cm x 10 cm )
やっと梅雨が上がって晴れ晴れとした夏空がやってきました。
おっと、そう単純には喜べません。強烈な日差しは予想はしていましたがもうそれは殺人的と言ってもいいほどに強烈です。
連日ニュースで伝えられる熱中症による患者さんの搬送数の多いことと言ったらもうその数は半端ではありません。
そして搬送先の病院についてもすでに意識の回復のないままにこの世とお別れする老人の方も実に多いのです。聞いているラジオの放送でも「取りあえずお手元に水があればひと口
お飲みになってください・・」と。
とかく暑いときには冷たいものを欲するのが人情でしょうか。しかし人間の営みは多くの先人たちから非常に大切な経験を学び今日に至っているわけです。
若いアスリートでも特に体をいたわる選手は決して冷たいものを摂りすぎない努力をして体力を維持していると言います。その事は体力のない年寄りにとっては特に重要なことです。
「悠」、暑い時こそゆとりをもって休憩する。そして暖かな一服のお茶をいただく事が遙かな先を見据えて体力を備えることができるのです。
そんな想いを込めてこの暑い真夏にあえて抹茶々碗「悠」をお届けいたします。
次回の更新は 9月 1日となります
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[No.132] 抹茶々碗「梅雨空」 価格 価格 3、000円(箱なし送料別) '14. 7. 1 up
( H 9 cm x 14 cm )
40年ほど前、樹木や竹林に囲まれ緑豊かであった我が家周辺も今ではすっかり住宅に囲まれてしまいました。
その面影は・・というとわずかにアトリエの窓から見える昔ながらの竹林のみが心を和ませてくれるのです。
先日、子供たちが所要のため久しぶりに我が家に来ました。「この辺も昔とすっかり変わっちゃったね、でも相変わらず藪蚊だけは多くてびっくり・・」
街に住む彼らにとっては信じられない・・と言った顔をしますがナニ、少し前までは彼等子供のころ遊びから帰って来て玄関に立つとまだその体中に蚊が止まっていたなんてこと
すっかり忘れているようです。
自然が残っている・・と言うことは人間にとっても気持ちのいいことだけではなく過酷なものもそれなりに残っていると言うことでしょう。
時々、強い雨に変わることもあり雨が止んだからと言って決して安心して出かけることはできません。
ふっくらとした暖かなお茶碗を手に持つだけでも梅雨寒のやるせなさも癒されるものです。どうぞごゆっくりと抹茶をいただきながらお過ごしください。
次回の更新は 8月 1日となります
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[No.131] 緑色釉のぐい呑み 価格 ● '14. 6. 1 up
( H 5 cm x 8 cm )
陶芸における色彩の表現にはかなり無理をしているところもあります。
青磁・・と言うと白磁に対して鮮やかな青を思い浮かべますがかなりかけ離れています。同様に緑・・とは言え中々緑とは判別できないようなものもあります。
私たちの生活がプラスティク製品と同列に並べて陶磁器にも対価の色彩を望むようになるともう今までの伝統的製造法では対処できなくなってきました。
しかしそうは言っても私自身、先人たちがあくなき追求をしてきた足跡の中に少しでも近づくことができないかと思いを馳せるのです。
華南三彩の・・はたまた織部の緑色を出せないものか・・と。
手に入れた炭酸銅ですが灰釉薬との比率、そして炎への酸素の供給調節(酸化炎〜還元炎)など各種バランスの中に微かに緑色を感じることができるのです。
このアンダーラインのところが大切なところです。薄暗い和室の畳の間、障子を通してわずかな光にかざすと・・人間の研ぎ澄まされた感覚では鮮やかな緑色が目の中に浮かんで
来るのです。いえ、決して苦し紛れではありません。
心を研ぎ澄ますんですよ・・、裸の王様の心境にならないと境地は開かれません。
次回の更新は 7月 1日となります
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