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読後感想文
Since 2008/ 5/23 . To the deceased wife
あなたのご来場は
番目になります
わけがありまして「読後かんそう文」一歩一歩書き留めていきます。
妻の生前、展覧会の鑑賞や陶芸の町を見学したりと共にした楽しかった話題は多くありました。
読書家だった妻とそうでない私は書物や作家、ストーリーについて、話題を共有し語り合ったことはありません。
悲しいかな私は学生時代以来・・半世紀近くも小説や文学作品を読んだことが無かったのです。
妻から進められていた本をパラパラとめくり始めたのをきっかけに・・・
先にある”もっと永い人生・・・”かの地を訪れるとき、共通の話題を手土産にと思って。
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[No.682] 1月 22日

講談社「なぞの転校生」眉村 卓
2014年作・ 182 ページ
・・・お父さんは静かに、しかしよくとおる声で話し始めました。わたしたちは、そうですね・・・・次元放浪民とも呼ばれる一族なんですよ」「次元放浪民?」「ええ」
お父さんは、スモッグにおおわれた夜空を仰いだ。「この世界でも、最近ぼつぼついわれているようですが、宇宙というのは一つだけではないんですよ。限りなく重なり合い交錯しながら、同時に存在しているんです」「・・・・・」
「一枚の紙にかかれた絵を考えてみてください」典夫のお父さんはいうのだった。
「そこには高さの概念はありませんね。紙も何百、何千枚重ねても、おたがいには無関係です。それぞれはふれあいながら、全く他の存在を知りません。つまり、そこでは世界は縦と横の軸だけで成り立っているんです。平面上の点や図はすべてX軸とY軸の座標で表すことができます…我々の世界だって、同じようなものなんですよ。縦と横と高さの三つの軸でできるこの空間も、第四の軸のある世界から見ると、似たようなものです」
「それは・・・」「もちろん、私たちは四つも軸のある世界には住めません。でも、そこを通って別の世界へ移ることができます。こうして移動装置を使えばね…」
「ちょっと待ってください」広市がたずねた。「その第四の軸は時間でしょう?とすればその機械は・・・タイムマシンですか」・・・・
この作品はいわゆるSF作品というタイプでしょうか、でもこの作品を読む対象者は・・?と考えたとき恐らく小学低学年生だろうか。
内容的にかなり深い意味で大きな課題を含んでいるようです。しかしそれらの問題点をつついていては結論に至りません。しかし作者はいとも簡単にそうでなくてはいけないと決め込んで納得させてしまう。
こういった作品を何の迷いもなく読んで楽しめるほど私は素直に楽しめない。
[No.681] 1月 18日

集英社「生者のポエトリー」岩井圭也
2025年作・ 304 ページ
・・・見物人たちを前に堂々と歌う青年のいでたちは、前向きな力強さを感じさせた。人前で発声することは勇気を伴う。杏子も彼と同じように、聴衆が投げかける視線を受けながら、詩や物語を読み上げていたのだろうか。
生前、杏子は朗読サークルに入っていた。普段はサークル内で文学作品の朗読会を開き、たまに図書館で絵本や児童文学を読むボランティアをしていた。
私も何度か誘われたが、人付き合いが苦手なこともあって参加しなかった。今はそのことを少しだけ後悔している。参加していれば杏子との思い出が増えたはずだ。
本当は、ずっと羨ましかったのかもしれない。沢山の知人に囲まれ、人前で胸を張って朗読する妻のことが。結局、私には人前で声を出すという、ただそれだけの勇気がなかったのだ。
杏子の朗読を見たことは一度だけある。七、八年前、調べ物のふりをして、杏子がボランティアで朗読する日を選んで図書館へ足を運んだ。児童書コーナーの一角で本を読む姿は、家にいるときより少し血色がいいように見えた。化粧がそう見せただけかもしれない。
四年前の正月、杏子は心臓を悪くして亡くなった。入院した時点で、家族にできるのは一緒にいることくらいだった。私は毎日病院へ通った。娘のあかねも仕事で忙しいはずだが、週末のたびに都合をつけて顔を見せた。・・・・
この作品には六人の老若男女が登場して‥しかもそのほとんどの人は自分の思ったことを人前で話したことも無いという共通点を持っていた。
ひとに自分の意思を伝えようとするとどちらかというと文法上の規則があって主語は・・?、人称は・・?、結論は・・?、とどうしても億劫になってしまう。
それでは何も伝えたくないのか‥?というと全くの逆。伝えたいことが沢山あってただそのすべが見つからない・・、でも思ったことの単語を並べただけでも十分に意思は伝わるし飾りのない言葉にこそ真剣みが伝えられる・・、それが詩なんだよ・・ってお知えられた。
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