<フラチな無邪気>



初めてって言うのは何にしても緊張するもんだし、多少の失敗もご愛敬ってもんだと思う。
俺とルフィの最初もそんな感じだったからだ。
今でこそ俺を好き勝手にするルフィも、最初はえらく労わってくれたような気がするのだが、 まぁ、今の関係が嫌なわけでもないのだがな。
ましてや、あの頃は夜のルフィは突発的に現れては元に戻るという状態だったから、 あの時俺を抱いたのは純粋にいつもどうりのルフィで。
らしくもなく俺の方がリードする形になってしまった。
今、考えると赤面モノなのだが、あの時はそれで、すごく満ち足りていた気がする。
夕べの余韻がまだ残っていたからか、俺は昼寝をしながら初めての夜を思い出していた。


ルフィに離さないと宣言された日、俺はルフィを体ごと受け入れた。
決して離すなと言いながら・・・。
初めのうちは良かった。
船床は多少寝心地が良くないが、それでも、ルフィの体温を感じているのは気持ち良いと思った。
キスをくり返し、慣れない手付きのままルフィが俺の服を剥いでいく。
そのたどたどしさにルフィが初めてなのはわかっていた。
ところで俺の方はといえば、誘われたのは多かったものだが、決して本気のつきあいなど できなかったし、する気もなかったのでもっぱら商売女との経験につきた。
だから、初めての相手をどうすれば良いのかも実はわかってなかったし、 それ以上に問題があるとすれば男同士のSexの経験などしようもなかったことか。
(まぁ、なんとかなるか?)
軽い気持ちで始めた事にすぐに後悔したもんだが・・・。

「なぁ、ゾロ。気持ち良いか?」
ルフィは俺の上半身に、隙間のないほどのキスを落としてくる。
「んっ・・・まぁ・・な。」
両手で体中を撫でさすりながら、ゆっくりと下半身へと手を進めてくる。
しばらく腰の周りで止まっていた手が俺のボトムにかかり、下着ごと引きずり降ろされる。
剥き出しにされた下半身に羞恥を感じてはいたが、ルフィの手が俺のモノを握り込み扱き出すと、 それも気にならなくなっていた。
ましてや、今ここは二人だけの空間でしかなく、見渡しても夜空に輝く星星がお互いの姿 を確認できる程度に光っているだけ。
何かを、誰かを気にする要素は一つも無い。
煽られるままに声を上げ、俺が感じている事をルフィにわかるように伝えていく。
「んっ、ル・・フィ。・・もっと・・ゆっくり・・・。」
逸る心のままにルフィは俺をギュッと握りしめ、乱暴なくらいに扱き上げる。
だが、それではまったくではなくとも感じるには程遠い。
だから、ルフィの手の上に自分の手を添えて俺の感じる場所を教えていく。
「そうだ、ゆっくりで・・いい・・・か・・ら・・・」
ルフィはしばらく俺の手に導かれるように動かしていたが、わかってきたのか俺の手 をやんわりと外す。
俺は大の字に寝転がったままルフィの手の感触を味わっていた。
だが、そうしているうちに俺が追いつめられていく。
教えた場所を的確に責めてくるルフィの手を離せということもできず、追い上げられる まま息があがっていく。
「はっ・・ルフィ。んんっ・・・イっちまうよ。」
「いいぞ、ゾロ。イっても。」
耳元で囁かれ、俺は自身を解放した。
真っ白になった頭の片隅でルフィが俺の放ったものをシゲシゲと見ているのがわかった。
ルフィは自分の手の中に放たれた白濁をあろうことかペロリと舐めた。
「ばっ・・馬鹿野郎。そんなモン舐めんじゃねぇよ。」
慌てて身を起こし、ルフィの手を捕まえる。
捕まえられたままルフィが笑う。
「なんで?ゾロのモノなら俺、平気だぞ。」
笑いながら、それでも俺が嫌な顔をしているのがわかったらしく、それ以上は口にはしなかった。

「で・・・さ、ゾロ。どこに入れればいいんだ?」
オズオズと聞いてくるルフィに、俺はため息をつきつつ、どうしたもんかと思案した。
俺も半端な知識でしかないが、男同士の場合後ろを使うのだというくらいは知っていた。
だが、それを教えたとして何の準備もなく入れられるものなんだろうか?
俺が考え込んでいたのを遮るようにルフィが俺の体を抱きしめてくる。
「なぁ、ゾロも知らねぇのか?俺、ゾロのことちゃんと抱きたいのにな。」
その声がなんだか寂しそうで、俺は覚悟を決めてルフィに教えてやる為に足を開いた。
「男同士の場合はここを使うんだよ。」
自分で後ろを差し示す行為は、とっても間抜けに思えたがルフィが嬉しそうにしていたので、 とりあえず忘れる事にする。
「そっかぁー、んじゃ、さっそくしていいか?」
言うなり俺の腰を抱え上げ、入れやすい体勢に持っていくと、早急にチャックを引き下げ 自分のモノを取り出し押し当ててきた。
「まっ、待て、ルフィ。そんないきなりなんて・・・・・・」
入らないと続ける前にルフィは腰を進めてくる。
だが、先が入り込もうとした途端、 俺は痛みに声があがる。
「いってぇー、やっやめろ、ルフィ。やめろっていってんだ。」
ルフィの腰を押さえ込みそれ以上進めないようにする。
ルフィは俺の悲鳴を聞いて慌てたように、腰を引いた。
うっすらと涙を滲ませる俺に、ルフィは優しくキスを落とし、
「ゴメンな、ゾロ。」
言いながら項垂れてしまった。
俺はそんなルフィの頭を軽く漉いて、項垂れたままの頭を抱きしめてやった。
「いいって、初めてなんだからしょうがねぇよ。俺も初めてでよくわかってないけどな。」
それでも頭を上げようとしないルフィの耳元に、真っ赤な顔になりながら小さく囁いてやった。
「とりあえず指一本から始めてくれるか?慣らせばいいって聞いた事が有るし。」
俺の言葉にようやく顔を上げたルフィは、わかったというように肯くと右手の中指を パクリとくわえた。
自分の唾液を絡ませた中指を俺の奥へと当てる。
「濡らした方が入れやすいだろ?」
言ってグッと差し込んでくる。
俺は指の圧迫感にビクリと体をしならせたが、必死で呼吸を整えようと息を吐き出す。
ルフィは俺の呼吸が整うのをじっと見ていたが、少しずつ楽になってきた頃に指を動かしはじめた。
「んっ、ルフィ・・・ゆっくり・・・な。」
油断するとすぐに下半身に力が入ってしまいそうになるのを耐えながら、ルフィの指にだけ 意識を集中していく。
やがて、抽挿が緩やかになるにつれて俺の吐息の中に甘いものが混じってくるのがわかる。
「はっ・・ル・・フィ・・・んっ・・・んんっ・・・」
「ゾロ、痛くねぇか?」
心配げに聞いてくるルフィを見上げながら、俺の体は妙な疼きが沸き上がっていた。
「あ・・・だ・いじょ・・・ぶだ・から・・・つづけ・・・ろ・・・」
切れ切れに囁く声で後押しされたのか、ルフィの指の動きがリズムを伴ったものに変わる。
よりスムーズになる抽挿が俺が感じていることを雄弁に伝える。
「なっ・・なぁ、ゾロ。」
「あ・・・・あぁ?」
「そろそろ指増やしてもいい?」
「きっ・・・聞くなっ、馬鹿」
真っ赤になる顔で肯定と判断したのだろう、ルフィは一度中指を引き抜くと 人差し指にも唾液を絡ませた。
そして、今度は二本の指を交差させるようにして差し込んできた。
「あっ・・んあっ・・・」
慣れてきたとはいえやはり質量が増せば負担も増える。
だが、最初の時よりも遥かに楽にそれを受け入れる事が出来る。
(あー、これが慣れるってことなのか?)
この調子ならルフィを受け入れる事も可能になるだろうと考えていた時、それは突然きた。

「ひぁっ・・・あぁ・・・あうっ・・・・・・」
体中を走り抜けるような快感。
ビクリとしなる体。
一瞬で高みへと持っていかれてしまう感覚にひどく狼狽する。
「あっ・・ルフィ・・・よせっ・・そこは・・・」
「ん?なんだ?ここがいいのか?」
俺の反応をどう思ったのか、ルフィはその一点だけを確実に責めてくる。
「あっ・・・ひぃっ・・・やめ・・やめ・・・て・・・・く・・・」
熱く昂ぶっていく体。
触られてもいないのに勃ち上がっていく自身を自覚してしまい、 俺の心は焦り出す。
だが、心とは裏腹に体はルフィの愛撫に素直な反応を返してしまう。
「あっ・ひゃん・・・うんっ・・・やめ・・ろって・・・・」
俺自身ですら知らなかった弱点を見つけて、ルフィは嬉しそうに破顔する。
「なぁ、ゾロ。気持ち良いか。」
なんてことを聞きやがる、こんちくしょうが・・・と思いはすれど、すでに体はルフィによって 退っ引きならないところまで追いつめられていて、いつのまにか三本に増やされていた指にも 気付かないくらいだった。
しばらくそのままで俺の反応を楽しんでいたらしいルフィが、ちょっとだけバツの悪い顔 で俺に伺いをたててくる。
「ん、なぁ、ゾロ。・・・そろそろいいかな?」
クイと自分の実状を、俺の足に押し当ててきたから、ルフィも余裕がないことに気づいた。
俺はルフィの頭を捕まえてやると、耳元で囁いてやる。
「あぁ、こいよ。ただし・・・ゆっくりとな。」
ルフィはコクコクと肯くと俺の中の指を引き抜き、自身を押し当ててくる。
だが、さっきのように一息に入れず、ゆっくりと挿入をはじめる。
「うっ・・・くっ・・・・」
指よりも確実に大きいルフィのモノは俺の内壁を擦り上げるように内部に侵入を果たしていく。
俺は、指では味わえなかったルフィのモノの持つ熱さにビクリと体が反応していく。
すべてを埋めこんだルフィはしばらく俺の反応を窺い、その中に苦痛がないことを確認すると、 安心したように啄ばむようなキスをしてきた。
覚えたばかりの俺の弱点を中心にルフィは抽挿を開始する。
それも、最初は数センチの動きでゆるゆると俺の中を擦りあげる。
俺はピリピリと走る痛みのようなものに惑わされつつも、確実に自分の体が変わっていくの を感じていた。
(俺は、こいつのものになる。)
だがそれは決して不快な事ではなく、それを望んでいる自分がいる事も知っていたから、 俺は手をのばしルフィを捕まえて抱きしめる。
「あっ・・ルフィ、離・・・す・・な・・」
俺の願いをどう受けとめたのかルフィはギュッと抱きしめ返し、小さくゴメンと謝った。
「ル・・フィ、何言って・・・?」
意味はすぐにわかった。
ルフィが我慢しきれないというように激しい動きに変わったからだ。
「はっ・・・ひぃっ・・・つっ・・くぅっ・・・・・うぁっ・・・・・・」
さっきまでとはまったく違う、引き裂かれるような衝撃が一度に襲ってきて、 俺の思考は痛みと快感の間でさまよう。
だが、ルフィが小さな声でゴメン、ゴメンナと呟いているのが聞こえたから 俺は逃げそうになる腰を必死で押し止める。
「あ・・・やまん・・・な・・・この・・・馬鹿が・・・・・・」
ギュッと眉根を寄せたまま目を瞑るルフィの顔を両手で引きよせ、まぶたに軽くキスを落とす。
ゆっくりと目を開けたルフィの瞳の中に俺への情欲の火が宿っていたから、さっきの衝撃で 萎えそうになっていた俺自身がまた擡げて来るのを感じる。
「い・・・んだよ・・・、ル・・フィ。わか・・・ん・・だ・・・ろ?」
俺自身をルフィの腹に触れさせてやると、ルフィは不意に笑顔になり、俺のモノを握りこむ。
「うん。わかった。・・・一緒にイこうな。」
そうして、自分のリズムにあわせて俺自身を扱き出し、俺は前後を責められてなすすべ もなくルフィにしがみつく。
あぁ、さすがだよ、海賊王。
一番大切な事は教わらなくとも知っているんだな。
俺の欲しい言葉も、俺が何を望んでいるかも。
・・・ だって初めて体を繋げたんだから最後まで一緒にイキたいよな。
「あっ・・はぁっ・・・もっ・・もたな・・・」
「う・・・ん。俺・・・も・・・」
片手で俺のモノを扱き上げ、空いた手で俺の腰をグイと引き最奥まで叩きつけてくる。
瞬間、俺の中に熱いモノが流れ込み俺もルフィの手の中に解放していた。

抱きあったまま、まだ荒い息を整える事もできずにお互いの顔を見る。
嬉しそうなルフィの瞳の中に、やっぱりテレ臭そうに笑ってる自分を見つけて苦笑する。
「もう、いいだろ。とりあえず、抜けよ。」
中に埋まったままのルフィをなんとかしないといつまでも疼きが消えなくなる。
そう思ってルフィの肩を軽く押してやったら、ルフィは逆に俺を押し倒してきた。
「コラ、ルフィ。なにしてんだよ。」
「いやだ。」
「あ?何言ってんだ?」
「ゾロの中から抜くのはいやだ。」
呆気にとられる俺にキスの雨を降らせると、
「ゾロが痛い思いするのは嫌だから、痛く無くなるまで慣らすんだ。」
その台詞に俺の顔から血の気が引いた。
もともと受け入れ不可な場所へ入れているのに、痛みがまったく無くなるなんてことが あるんだろうか?
「ちょっと待て、ルフィ。それは多分不可能に近いと・・・」
「大丈夫だ。ゾロの気持ち良い場所はわかったし、もし二度目がだめでも三度目があるしな。」
にっこりと笑って言ってくれる。
俺は内心で悲鳴をあげつつも、ルフィの腕に絡めとられていった。
そして、宣言どうりにルフィは俺が痛みを感じなくなるまで、正確には意識を失うまで 俺の中に君臨し続けた。
次の日、俺は立ち上がる力もなかったけれど・・・。

そこまで思いだして、俺はハッと目を覚ます。
船首甲板にはルフィとウソップが なにやら怪しいモノを研究している。
それを横目で見ながら、あの時のルフィは まだ可愛気があったよな、などと考えていたら、チラリとルフィが俺を見て薄く微笑んだ。
夜の瞳で・・・。

初めてってのは思い出にはいいかもしれないけど、今の俺を体ごと縛りつけておけるのは あの瞳だけだし、変わっていくルフィを知ってるのも俺だけだから。
(今夜が楽しみだ。)
考えながらまた目を瞑る。無邪気なままのルフィを思い出しながら・・・・・・。



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戯言:は・・・はじめて?の割にはゾロ兄さん、余裕ですね。
うちのルゾロは滅茶苦茶ゾロがルフィに甘いから、もうなんでもこーい!!!
という展開になっちゃうんですよね。どこか攻め王様、健在だし。
もう、いいや。言い訳もつきちゃったし。とりあえず、すみません。