それに正解はないと思う。絶対、音楽に色はあると思うけど、それぞれの人が見える色は、それぞれ違う色だと思うから。
だけど、私の好きなロックの色は、なんだかブルー系に統一されてるようだ。曲のイメージもそうだし、実際、歌詞にブルーをイメージする言葉が良く出てくるのだ。色のブルーもあるし、feel blue、BLUESっていうのも多いけどね。 ブルー系の中でも、水色が多いようだ。私の好きなベンジーの詞、チバユウスケの詞、曲名にまで、とにかく水色が多い。なぜだかはわからない。彼らのSOULが水色なのかもしれない…。私は、それに魅せられるのだ。 それで、「水色」について考察してみた。私はずっと、空と海の色、水色、そして太陽について、思いをめぐらせていた。そのレポートを掲載してみることにした。 UA 「泥棒」(2002.09.19) 4曲目「瞬間」。この曲の中のポエトリーリーディングがすっごい好きなんだ。はかない…。せつない…。〈水の色は空の色〉 うん、そうだね。そうなはずなんだけど…。 〈心の色は、変わらない空と海の色〉か。UAのSOULは確実に“水色”のようだ。空は1秒1秒変わるし、それに伴って海も変わるでしょう?人の心だって、一瞬で変わってしまうでしょう?いつも空や海のように、美しければいいってこと?でも、環境汚染はどんどん進んでるよ…。すべて人の力でね。UAの「水色」、とってもキレイな曲なんだ。いつどんな時に聴いても、キレイと思えれば、それでいいか…。 私は幼い頃、お絵かきが好きで、クレヨンが好きで、でも、ひとつだけ納得いかない色があった。"水色"...水は無色透明なはずなのに、なぜこれが水の色??小学生になって絵の具を使うようになった時、わざとコップの水に水色の絵の具を溶いて、「これが水色ね!」って納得しようとしたんだった(笑)。水は透明なのは知ってたけど、透明だから、光を通過して色を映し出すってこと、気付かなかったんだ。ガラスと同じなのに。 でも知ってますか?クレヨンには空色っていうのもある。納得行かない。水色よりも薄くって透明感があるきれいな色。まさに"sky blue"、快晴の空の色。水色は英語では"light blue"、淡い青。これなら納得行くんだけどね。可視光線の青って考えると、まさに空の青。不思議なもんです、言葉って。 空色というと、もちろん昼間の晴れた空の色。でも、本当の空の色って何色?やっぱり、地域によって空の色って変わるよ。水平線から天頂に近づくにしたがって明るさは低下するけど鮮やかさは増し、天頂のほうがわずかに紫っぽいんだそうです。そうかなぁ? 何とか"本当の空の色"を見極めようとした人がいるんですよ!アメリカ人の色名辞典の編者が、「夏と晴天の10時から15時の間、NYから50マイル以内の上空を、厚紙にあけた直径1インチの穴から約30センチ離れて覗いた時の色…」、それを"sky blue"と決めたそうです。どうしてこんな細かい条件をつけたのかわからないけど、これでは空が小さそう。高層ビルの隙間から見上げてる感じじゃない?もっと大自然を感じさせるイメージにして欲しかったな。だって、空は自由の象徴なんじゃなかったっけ。自由の女神さんは、空と海に向かって、市民を先導してるのではないですか?(笑) "空色"とは、平安時代から使われている古い色名だそうです。空の色や空模様全体を表すのに"天色"という言葉を用いますが、天体や気象に関連した日本の古くから伝わる色の名前は、英語に比べて格段に少ないんだって。だから、色数の多いクレヨンや絵の具には、パッと聞いただけでは色が思い浮かばない、カタカナの名前がつけられているんだね。日本語にはそんな名詞は存在しないんですね。納得です。 日本には四季折々があって、その変化を楽しんだり、大事にしたりするじゃないですか。気象には敏感なはずですよね。なのに、その色を表す言葉に乏しいだなんて…。日本人って敏感に繊細に感じやすいって思ってたんだけどね。日本の色の名前は、物や植物からの染色技術に由来した命名が圧倒的に多いんだって。そういえば、平安貴族の着物の色名なんて、繊細にして鮮やか。グランジなんて流行ファッションもあったけど、現代の重ね着よりもかなり発達してて、おしゃれだったんですね。 地味な着物しか持ってない、読み書きのできない、天気に敏感な農民の風習よりも、優雅な貴族文化が勝って、日本語は歴史的変化をしながら、独自の言語世界を作っているのですね。だけど、気象現象のように移ろう景色に名前を付けて、固定概念にしてしまうことを避けたのかもしれませんね。ほら、日本人は繊細だから(笑)。日本の空はなんとも大きい感じだね! 日本語では"空色"と一言でしか表せない色も、英語では豊富にある。"sky blue"に始まって、"sky gray" "azure blue" "cerulean blue"とある。アザーブルーってどんな色か、全然思い浮かばないな(辞書には紺碧、薄紫とある)。セルリアンブルーって絵の具があった記憶があるけど、どんな色だったかはっきりと思い出せない。辞書によるとコバルトブルーと似てるみたい。陶磁器の青。尊い色だね。(コバルトブルーの心って、どんな心だろうね。)他、"horizon blue"は水平線の空の色。UAの「HORIZON」はこの色なんだ。(もしこの世に言葉なんてなければ…って歌ってるけど。空と海が溶け合う日…) 天頂の色は"zenith blue"。"heavenly blue" "celeste blue"とは、神がまします至高の空の色なんだって!どんな色だろうね。シカオさんの青空は、宇宙までつきぬけそうな色。ヘヴンリーブルーかな。UAの水色は、どんな色なんだろう。名前をつけてあげよう、"アマミアンブルー"、なんつって(笑)。(彼女の母が奄美の出身なんですよ。) 水色も平安時代から使われている色名だそうです。日本は水が豊かで、河川、湖沼、泉、海、身近にいっぱいある。なのに、いろんな水の色を表す名前には、やっぱり乏しくて、例えば着物の色に使われた、"水浅葱(みずあさぎ)" "水縹(みずはなだ)"といった古い色の名前の"水"は、水の色ではなく、水で薄めたようなという意味で、色の薄さを表しているらしい。 ※浅葱色=緑がかった薄い藍色。縹色=藍染めの紺に近い色。 一方、英語では、やはり水の色名が豊富なんです。一般的な水の色は、"water blue" "water green" "aqua" "aqua green"。青と緑があるんだね。辞書で"aquamarine"は、淡緑青色と訳されてました。泉の色は"fountain blue"、"river blue"はもちろん川の色。 といっても、一色になんて浮かばない。さまざまな色、表情があって、一色に統一することなんてできないと思うけど。オンネトーの色を表せる言葉なんて存在しないんだね。 では、ベンジーの水色はどんな色なんだろうね。名前をつけてあげよう、"ナゴヤンブルー"なんつって(笑)。違うわ。ベンジーの場合、ルーツじゃなくって、名古屋から出て、今もこれからも向かっている先にある色なんじゃないか?それは、どこで、どんな場所か、まだわからないから、まだ確定できない色。でも絶対、とってもキレイな混ざりけのない水色な感じがする。 JUDE 「Charming bloody Tuesday」に収録の「バスケットロードからの脱出」の歌詞より、〈バスケットロードの途中に捨てられてたテレビ〉に塗ったのは、どうして水色なんだろう?って思った。アルバムのイメージどおり、ピンクでいいじゃない、そのほうがかわいいじゃない?って思ってた(CD盤が全面ピンクなのです)。でも、水色について考察してたら、ひとつ思い当たったことがあったので、書いてみることにする。 インテリア雑誌で、テレビにペインティングしちゃうのはよく見かけます。無機質な機械にオリジナルな表情をつけようという試み。確かに黒いテレビはインテリアとしてよろしくないからね。最近のテレビは色もデザインもよくなったけど(私のテレビはシルバー)。普通、テレビのペインティングはもちろん外枠だけで、画面には塗るはずがありえませんね。だけど、〈電気が止められてるから観ることは出来ない〉テレビの外枠だけキレイにしたって意味ないじゃん。彼は何も映し出さないブラウン管に、自己を投影したんじゃないか?自分の心を映し出したの。画面に塗ったの。その色が水色なの。脱出した先にあるのは、美しい空と海が広がった水色の美しい世界。拾ったのってきっと、黒い14インチのテレビよ。彼の外側にあるのは、真っ黒な世界。今までは、「なんか腐ってない」って感じでただ見てたけど、水色の世界に塗ってしまいたいのね。それで、全部水色に塗って飾った。満足♪明日、その中のブラウン管だけ持ち出して、うまく脱出できるといいね、なんて思った。どうでしょう?どう思われましたか?たぶんきっと、正解!…… ベンジーもUAと同じく、心の色は空と海の色⇒水色ってことにして、その色は似てるけど異なる色で、それが惹かれあって混じり合って、絶妙なハーモニーを響かせた。めでたくAJICO誕生!パチパチパチ。なんちゃって。 (ちょっと古いけど…) これで、「水色って何だーっ?!」って疑問からは脱出することにする(笑)。ちょっとは勉強になったでしょう? |