7/19 上高地(6:00)---横 尾(10:00)---大 曲(12:00)---水俣乗越(13:00)---北鎌沢出合(15:00)

7/20 北鎌沢出合(5:40)---北鎌沢コル(8:00)---独標手前(10:00)---独標越えた稜線(10:50)---
    北鎌平(13:00)---槍ヶ岳(14:10)---槍 平(16:30)

7/21 槍 平(7:00)---白出沢(9:00)---新穂高温泉(10:00)

  

穂先を目指せ!

 

北鎌沢出合からコル方面を見上げる 北鎌沢右俣の出合
北鎌沢右俣 遡行中 北鎌沢右俣 中流域
北鎌沢右俣 詰めのあたり 北鎌沢のコル
昨日早くに寝すぎたせいか夜中に何度も目が覚める。多少興奮もしてるのだろう。
シェルターを叩く雨の音も鳴り止まない。雨がひどければ北鎌尾根は中止にすると前日に申し合せている。
せっかくここまできてるだから、多少の雨なら強行突破したいところ。しかしまだ見えぬ不安も大きい。
明け方、雨はあがったようだ。シェルターから顔を出すと少しだが青空が見えている。
よしっ!行けるぞ。 出発準備に取りかかる。 
昨日、僕達が撃沈してから来たのだろうか、テントがひと張り増えている。

身支度をして6時前には歩きだす。昨日会った単独行者のテントと
あとから来たパーティのテントはすでに撤収されている。2組先行したと言うことだ。
ゴーロ帯を10分程登って行くと右俣との分岐に到着。
左俣の方が水量が多いのでうっかりしてるとついつい見落とししまうかもしれない。
右俣はまっすぐコルまで突き上げてるのが特徴なので注意していれば迷う事はないだろう。

右俣は直線的にコル目指して高度を上げて行く。
朝一の急登はきついがその先の行程を思うとあまりゆっくりもしてられない。
中流域に入ると、大きな岩がごろごろしていて、たまに攀じ登りながら進んで行く。
昨日遅くに来たのは二人組のパーティだったようで、途中で休憩しているところを抜いていく。
岩小屋状の巨岩を越えたり、残置ロープのたれた巨岩を越えたりと
事前に先人の方達のHPで拾ったレポの通りの地形がでてくるのでなんだか安心する。

詰めもだんだん近づいてきたところで二股があるがここは右に行くということだ。
もう少しでコルというところで雪渓がいやな感じで残っていた。
これをきらって、左岸のドロつきに逃げるもこの斜面がまた悪い。
トレッキングシューズを蹴りこんで不安定な草の根を掴みながら攀じ登って行く。
なんとかルンゼ状の安全地帯にたどり着いて後のメンバーを待つことにした。
哲ちゃんの沢靴だとどうしても突破できないので、ここでかっきーがロープを出す。
ごぼうで哲ちゃんとなごPが上がってきてなんとか全員突破。
結局今回の山行で唯一ロープを使ったのはここだけだった。

雪渓を巻いて最後の詰めは草つきの中の踏み後をコルまで登って行く。
出合からコルまで2時間30分程かかってしまったが、雪渓の巻きで30分程とられたので
だいたい予定通りの時間でこれたことになる。順調順調。
コルは小さいテント二張り分くらいのスペース。コルのむこうがわに硫黄尾根が見えている。
僕はここでハーネスをつけて準備OK。いよいよ北鎌尾根に突入だ。

 

P8の登りから北鎌尾根下部を振り返る P8までは木の根をつかんだりのエテ登り
北鎌沢出合を見下ろす 独標手前から天狗ノ腰掛を振り返る
北鎌沢のコルからは踏み後に従って稜線を行く。
小ピークをすぎて少し下ったコル状の場所にもテントのスペースがある。
先ほどの二股を右に行かず左に抜けたらこの場所にあがってくるようだ。
どうやら2人組パーティは雪渓を嫌ってこちら側を登ってきてる。

ここから潅木帯の急登を木の根を掴みながら高度をぐんぐん稼ぐ。
この時間になると多少残っていた視界もどんどんガスの中に消えて行く。
P8へ登る途中振り返ると北鎌尾根の下部のピークがするどい姿を見せている。
1ヶ所千丈沢側をトラバース後に木を掴みながら攀じ登る場所があるが、とくにややこしい場所もなくP8まで行ける。
P8まで抜けるとあとは大槍までずっと岩稜帯が続く。

ガスで視界が閉ざされているが天狗の腰掛(P9)は頂上が平でテントスペースがいくつかあるのですぐにわかる。
天狗の腰掛(P9)から独標(P10)のコルを通過し千丈沢側に派生する小尾根を乗越したところで休憩。
目の前にどっかーんと独標が立ちはだかって圧倒される。

 

独標(P10) トラバース開始
トラバース取り付きは岩を抱くように越える トラバース道
しゃがみながら通過 だんだんバンドは細くなる
残置ロープのさがったチムニーが目印 チムニーをひとまたぎ
ゆっくり休憩をとり、いよいよヘッチンをかぶる。
ここから北鎌尾根の核心部が続いていく。
今回初めて山にお守りを持ってきた。胸のお守りに手を当てて勇気を呼び起こす。
さあ、いくぜー!

独標を越えるのは直登コースとトラバースコースがあるらしいが、時間の関係で後者を選択。
まずは独標とりつきまで登って行く。トラバースは最初、岩を抱くようにまたぐことから始まる。
遠くから見てたらやらしそうなトラバース道も実際行ってみればしっかりした踏み後がありぜんぜん楽勝だ。

軽快に進んで行くと今度は四つん這いにならないと通れない箇所に出くわす。
ここも、問題なく通過。もちろん落ちたらただではすまないが難しくはない。

ちょっとしたテラスに出て、その先は急にバンドが細くなる。
なおも進むと何度も写真で見慣れた残置ロープのさがったチムニーに到着。

ハング気味の岩を残置ロープに頼るのは嫌なのですぐ横のフェースから登る。
チムニー上部からトラバース道はなおも続いているが、僕達はそのまま稜線にむけて登って行くことにした。
どうもその方が正式ルートらしい。

 

穂先を目指す