7/19 上高地(6:00)---横 尾(10:00)---大 曲(12:00)---水俣乗越(13:00)---北鎌沢出合(15:00) 7/20 北鎌沢出合(5:40)---北鎌沢コル(8:00)---独標手前(10:00)---独標越えた稜線(10:50)--- 北鎌平(13:00)---槍ヶ岳(14:10)---槍 平(16:30) 7/21 槍 平(7:00)---白出沢(9:00)---新穂高温泉(10:00) |
いくつのも小ピークを越えて | 縦走路は続く |
奈落の底へ向かうような錯覚 | 槍はまだか? |
登ってはくだる繰りかえし | ここは何処? |
濡れた岩のクライムダウンは緊張する | 北鎌平までやってきました |
もろいザレ場のような斜面を登りきると稜線に出ることができた。すぐに独標とつぎのピークとのコルだ。 時間の関係で独標の頂上まで戻ってることは出来ないのでパスすることにした。 少し休憩をしてるうちについに雨が降り出してきた。どんどん岩が濡れて行く。 急いでレインウェアを着込む。雨に濡れるとビブラムソールの靴底はグリップ力が弱まるので注意だ。 この場合は哲ちゃんの沢靴がうらやましい。 さて次ぎのピークはどうするか? 千丈沢側に踏み跡らしきものがあるし・・・ 鞍部まで降りてみて直登に決定。 ここから北鎌平(P11〜P15)まではいくつもの岩峰が連なっていてコースどりがとても難しい。 へんに巻きの踏み跡に入ってしまうとひどい目に会うことがあるみたいだ。 僕はみんなの力量を信じているので可能な限り直登で行こうと思っている。 これを登るの?っていうような直登ルートでも上にあがると道は続いている。 登っては少し下りまた登っては下りと繰りかえす。 景色はガスで真っ白。 現在地がどこかぜんぜんわからない。 行く手にぼんやりと次ぎの岩峰が続いてるだけ・・ 一ヶ所、天上沢側を巻くが、ひどいザレ場で1歩あるくごとにガラガラと落石が起こる。 こんな石に当たったら終わるなあと思っても通過しないと先に進めない。 トラバースを終えると今度は踏み跡を見失った。 慎重に探すとハイマツ帯の中に続いてるのを発見。なんとか稜線に復帰することが出来た。 このあたりで昨日会った単独行者が休憩していたので挨拶して抜いていく。 この天候でこんな場所にひとりだと心細いんだろうなと思う。 再び直登を繰りかえす。この尾根は技術うんぬんよりまずは体力勝負だなと判ってくる。 今度は千丈沢側のトラバースに入る。 道はしっかりして快適に歩けるが、なんとなくこのまま進むのは嫌な感じがして 巻き道を離れて稜線に出てみることにした。するとぴったり北鎌平に飛び出した。 やっぱり、あの巻き道は誰かのレポで読んだ北鎌平の先に出るコースだったみたいだ。 いよいよ、僕はあの北鎌平に立っているんだなと妙に感慨深い気持ちになっている。 |
奇跡の大槍登場 | 大槍取り付きまではこのような登り |
下のチムニー | 左側から登り右にトラバースしクリア |
よっちゃん アタック中 | かっきー アタック中 |
上のチムニー | なごP アタック中 |
頂上はすぐそこ | 穂先に立つ! |
北鎌平をあとにして、大槍を目指す。 岩が積み重なったような地形を行く。ここも稜線通しに真っ直ぐ登って行く。 あたりはガスで真っ白だが。大槍に近づくにつれて、どんどんその姿がガスの中から浮かんでくる。 大槍の取り付きに着いて天上沢側に少しトラバース。 ここにレポートで何度も見た「Berg Heil(登頂おめでとう)、穂先は近い、気を抜かずに頑張れ」のレリーフがある。 胸のお守りに手を当てて「さて、やるか!」 まずはペンキ印(何故か大槍の登りには目印があった)に従って岩を登って行く。 岩がしっかりしてるので問題なく登っていける。 ほどなく下のチムニーに到着。ここはいったん左側からあがり右側に移動しクリア。 あとのメンバーも問題なく上がって来る。ガスで高度感がないのが救いか? そのまますぐに上のチムニーがあらわれる。ここもホールドがしっかりしてるのでえいやっとクリア。 ここで、あとのメンバーが登ってくるのを待っていると人の話し声が聞こえてくる。 頂上はほんのすぐそこなんだと実感する。 すぐ左上に白い木の杭があるので、それを目指して登るといきなり右手上に山頂があらわれる。 さすがに海の日連休の中日だけあって、この悪天候でも頂上はいっぱいの人。 そのうち誰かが僕達に気づいて歓声があがる。 なごPが頂上の人にむかって手を振っている。 向こうの人も手を振っている。 そのまま岩壁にそって登って行くと頂上の祠の横に飛び出した。 頂上にいた人達に拍手で迎えられる気分はなんともいえないうれしさだ。 槍ヶ岳(3180m)には今まで何度も登っているが達成感は今回が一番強いだろう。 ここで記念撮影を撮ってもらう。みんないい顔だあ。 |
何かをやり遂げた表情はいいねえ | 一般道は大渋滞(大槍の下り) |
テン場もやっぱり雨だった(槍平) | 3日目もずっと雨 (滝谷 通過中) |
槍ヶ岳の頂上はガスで展望ゼロ。それでもどんどん登山者が登ってくる。 雨もきつくなってきたしそうそうに退散することにした。 下りはさすがに一般道なのでハシゴの順番待ちでなかなか進めない。 やっとのことで槍の肩に降り立ち、緊張感から解放される。 簡単にビールで乾杯するが、今日はこのまま槍平まで降りるのでゆっくりもしてられない。 休憩もそこそこに下山開始。 肩のテン場を通りぬけてジグザグに下ると飛騨乗越。 ここに来るといつも、真っ直ぐ穂高方面に向かいたくなってしまう。 残念ながら右に折れて飛騨沢を下りはじめる。 天気が良ければ気持ちの良い下りなのだが、今日はガスで真っ白。 ただあたりは黄色や白色の花が咲いていて目を楽しませてくれた。 山から降りて行く時はいつも後ろ髪が引かれる。出来ることなら1週間くらいとどまりたいなあ。 ジグザグの下りも一段落して道は左に大きく曲がり樹林帯に入っていく。 どんどん高度を下げて行き沢沿いの道になると槍平のテン場にひょっこり飛び出す。 槍平小屋で受付を済まし、シェルターを設営。1人で立てるのはなかなか難しいぞ。 何度か思考錯誤して設営完了。この作りだと絶対に稜線ビバークは不可能やなあ。 北鎌尾根達成記念宴会もほどほどに、みんな疲れてるのか早めにシュラフにもぐりこむ。 今晩も一晩中雨が降っている。 しみてきた雨が何度も顔に落ちてくるのでそのたびに目が覚める。 翌日も降り続く雨は止む気配もない。 槍平を出発し蒲田川に沿って新穂高温泉まで歩いてる間中、雨、雨。 しかし、こんな天候にもかかわらずみんな充実した気持ちでいっぱいみたいだ。 いつかまた、天気のいい時に北鎌尾根をたどってみたい。 大槍を見ながら歩いてみたい。 今回のメンバー全員に感謝してます。かっきー、なごP、哲ちゃん、どうもありがとう。 また、よろしくね。 (注意) 北鎌尾根はまず第1に体力が大事です。(アプローチ含めて) 次ぎにルートファインディング。今回はほぼ完璧に通れましたので、 ロスタイムもなく、稜線でロープも使わず穂先までたどり着くことが出来ました。 事前の研究と準備が大事だと実感しました。 北鎌尾根は目印や、はしご、クサリ場、それにエスケープルートのない縦走路。 やるからには万全の体制で挑んでください。 |