翌朝2:00に起床。パンと紅茶の朝食をすませ、すばやくテントを撤収。 まだ空には一面の星空。風があるのか星が瞬いている。 月がないのでヘッドランプの明かりをたよりに歩き出す。 ハイマツの中を登っていくとだんだんと視界が広がりはじめる。 行く手に穂高の岩峰群、左手には笠ヶ岳が黒い影を見せている。右手遥か下に上高地の明かりがぽつぽつと見える。 ハイマツ帯をすぎいよいよ岩峰にとりつく。最初のピークが西穂独標(2701m)。 独標からはいったん急下降する。まだ薄暗く道が見えにくい。 慎重に慎重にとつぶやきながら進む。まわりでグエ〜グエ〜と鳴いてるので何かな? と思っていると雷鳥が2羽道をふさいでいた。近づくと急にバサバサッと飛んで行ってしまう。 飛ぶ雷鳥を見るのは2度目だ。 少し明るくなりヘッドランプをはずす。目の前にピラミッドピークが名前の通りの姿で立ちふさがる。 |
ピラミッドピークまでは、痩せた岩稜を慎重に登る。まわりが明るくなってきたので 幾分気持ちにも余裕が出てきた。まわりの山々も徐々にはっきり見えてくる。 残念ながら日の出は前穂高にかくれて見ることが出来なかった。 ピラミッドピークで小休止。西穂高まであと少しだ。 |
ピラミッドからも痩せた岩稜帯が続く。太陽が吊尾根のあたりから顔を見せ始めた。 朝日がまぶしい。西穂高岳(2909m)に着く頃には完全に夜が明けていた。 山頂からは360°の大展望。素晴らしいところだ。 小休止のあといよいよ縦走開始。気を引き締め下って行く。 まず最初の難所ははルンゼ状の岩場に長い鎖。慎重に慎重に。 |
鎖場を通過しなおも続く岩場を乗り越えて行く。いくつかのアップダウンを繰り返し いよいよ難関・間ノ岳の登りにさしかかる。この山は浮石だらけで落石のないよう一歩一歩 確実に登る。足元を注意して登ればさほど苦労することなく間ノ岳(2907m)に達した。 休まず下りに突入。さすがに下りはよりいっそう気を使う。ほんまに浮石だらけだ。 このあたりまでくると奥穂からのパーティとすれ違うようになる。 落石だけは起こさないようにしなければ。慎重に慎重に・・・ 今度は目の前に有名な逆層スラブが見えてきた。 (右の写真の黄でかこってるのは人です) |
奥穂高まではまだ半分も来ていない。険しい道が続いている。 いったん間ノ岳と天狗の頭のコルに降り立つ。 すぐに逆層スラブの鎖場に突入。写真右の人が登ってるところが鎖場だ。 靴底の摩擦を最大限に利用して登る。間ノ岳と違って楽しい岩場だ。 スラブを越えて岩稜沿いをぐいぐい登ると天狗ノ頭に到着。小休止をとる。 つづく |