小白森は、早池峰山南隣の薬師岳から、西に伸びる尾根上に位置している。登山道はないので積雪期に登るのが一般的だと思う。先週から温かい日が続き、麓では殆ど雪が消えている。山の雪も締まってきて、そろそろラッセルなしで登れるかもしれない。早池峰山周辺で残っている未踏峰の一つ小白森へ向う。
 早池峰山の冬期登山口、岳集落「峰南荘」前の駐車場に車を止める。ここまで県道25号の路面には雪が無かった。駐車場の雪もだいぶ少なくなっているが、駐車スペースは5〜6台分といったところだろうか。隣接しているさわやかトイレは冬期閉鎖中で使用はできない。
小白森
所在地  岩手県花巻市、遠野市境界
標  高  1350.4m
2008年03月13日(木) 曇り〜晴
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えんど
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小白森↓
薬師岳↓
早池峰ダムを過ぎると小白森が見えてくる ↑
7:05分  駐車場出発
 駐車場から先の県道にはまだまだ雪が残っている。雪の上には踏込まれて硬く締まったトレースがついている。ツボ足で軽快に歩けるが、トレースから外れるとズボッと30cm近く足が沈み込む。小白森北斜面の雪の状態はどうだろうか・・今日はラッセル覚悟の山行だが気にかかる。
7:20分  笠詰橋着
 笠詰沢に到着、橋を渡って右側に小さな祠がある。更に20mほど進むと右に分かれる林道がある。この林道は1:25000地図には記載されていないが、笠詰沢の右岸沿いに伸びている。
 林道にはトレースが無い、ここでカンジキを付けて林道に入り杉林の中を進む。日陰の林床は雪が深い、カンジキで雪の皮を踏み抜きながら軽いラッセルで進む。
 杉の植林地を過ぎると雑木林に変る。日差しで融けた雪が締まっていてカンジキで雪渡りができるようになった。
 右手に笠詰沢の水音を聞きながら進むと、回り込んできた笠詰沢に突当たって林道は行き止まりになる。
峰南荘前の駐車場→
(下山後に撮影)
笠詰橋(下山の時に撮影) ↑
小白森に続く尾根↓
7:50分  林道終点着
 笠詰沢の上方を見上げると、小白森から伸びてくる尾根上にある標高912mピークが見える。ここからは左(笠詰沢の右岸)の急斜面に取付き、尾根に向って登ってゆく。カンジキを逆ハの字型に開いて爪を雪面に食込ませて登る。雪の表面が硬く締まっているのでラッセルは殆ど無い、快適に登る。ナラ主体の雑木林を見上げると、枯れ枝がぶら下がった木が目についた。良く見るとナラの木の枝先が折られている。熊棚を発見!
周囲を眺めると、枝先を折られた木々があちこちに見える。まさかこんな所で熊棚にめぐり会えるとは思ってもいなかった。これは幸先が良い、熊棚観察をしながら登る。
林道を進む ↑
林道終点に到着 ↑
標高912mピーク↓
ナラの木に熊棚を発見 ↑
標高912m地点に到着 ↑
8:14分  標高912m地点着
 尾根上のなだらかなピークに到着。尾根上には赤テープがあった。左方向から登って来るルートがあるのか・・と思って下山の時に尾根を下って見たが、赤テープは100mほど先で無くなっていた。(真っ直ぐ尾根を下れば笠詰沢に下りられるのだが、北斜面は雪が深いので林道終点から登った方が良いと思う)
912mピークから少し下り、尾根を緩やかに登って行く。次第にダケカンバが目立つようになる。雪の上にはカモシカや野兎の足跡が見える。
8:45分  標高1030m地点着
 なだらかなピークに到着。正面の少し左方向に、ダケカンバの林間を透かして小白森の山頂が見えてきた。一旦鞍部に下り登り返してゆくと次第に尾根が広くなる。山頂は左方向だから尾根の左側を進むと近道のような感じもする。しかし下山の時に尾根を間違えると一大事になる。今日は目印用のテープを持ってきていない。右手に見える笠詰沢から離れないように尾根の幾分右よりを登ってゆく。鞍部を過ぎるとブナとダケカンバの古木の森が始まる。この森は素晴らしい!昨年青松葉山で見たダケカンバの古木の森を思い起こさせてくれる。
標高1030m地点から山頂が見えてきた ↑
標高912m地点を過ぎると左に早池峰山が見えてくる ↑
(下山の時に撮影)
ブナとダケカンバの原生林が始まる ↑
小白森の風景
(縮小画像です、クリックすると拡大します。1000×750ピクセル、ファイル容量は約200kb)
小白森山頂↓