2005年8月29〜31日(月〜水)晴れ〜雨
所在地  岩手県滝沢村、八幡平市
 岩手山の馬返し登山口から八幡平山頂まで二泊三日で歩いてみました。岩手山から幾つものピークを繋ぎ歩き、八幡平山頂まで約30kmの山旅です。このコースは標高1400〜1500m前後の稜線上にあるため、素晴らしい展望を楽しみながら歩く事が出来ます。コースは十和田八幡平国立公園内に在りますので幕営は禁止になっています。宿泊は避難小屋を利用する事になりますが、コース途中にある避難小屋は3つ、岩手山八合目避難小屋、三ツ石山荘、そして大深山荘です。岩手山八合目避難小屋は夏の間だけ管理人が常駐しています。他の二つは無人の避難小屋です。岩手山八合目避難小屋は100人以上の宿泊が可能ですが、三ツ石山荘は20人ぐらい、大深山荘は20人弱といった感じです。
 コース途中の水場は、岩手山五合目、岩手山八合目、姥倉山と犬倉山の中間地点の水場、三ツ石山荘、そして大深山荘にあります。しかし、岩手山五合目と三ツ石山荘の湧き水は水量が細く枯れる可能性が大きいです。岩手山八合目の湧き水も一ヶ月近く雨が降らないと枯れることがあります。姥倉山と犬倉山の中間地点の水場と、大深山荘の水場は地形的に見て枯れる心配は少ないと思います。
 エスケープルートとしては、コースのほぼ中間地点から松川温泉、滝ノ上温泉、網張温泉へ下るルートがあります。
 今回二泊三日で歩いてみましたが、八幡平側からスタートすれば一泊二日で縦走する事も可能だと思いました。馬返し登山口は標高650mですが、八幡平側の登山口見返り峠駐車場は標高が1540mあります。コースのアップダウンはそれほど大きくないので、コースのほぼ中間地点にある三ツ石山荘まで7〜8時間で歩けます。三ツ石山荘を早朝に発てば、岩手山頂を廻って日暮れ前には馬返し登山口に下山できるでしょう。
 


 馬返し登山口には10時に到着。登山口にある休憩所の掲示板に貼り付けてあるタクシー会社の宣伝文「登山口まで15分で迎えに参ります」という会社の電話番号をメモする。(馬返し登山口は携帯圏内です)登山口駐車場に車を置く、そして八幡平のレストハウスから路線バスに乗って国道282号の「分れ」バス停まで戻り、そこから登山口までの8.6kmをタクシーで戻る予定。
10:25分  登山口出発
 今回は旧道を利用して登る。
11:40分  三合目通過
 四合目の手前で大きなザックを背負った地元の30代単独男性とすれ違う。一昨日、始発の路線バスに乗り(始発は盛岡駅前9:47分発、八幡平レストハウス11:37分着)八幡平山頂を廻ってから縦走コースに入り大深山荘泊り、昨夜は岩手山八合目避難小屋に泊まり下山してきたという。一番気掛かりだった大深山荘の水場は水量豊富だったとの事、この情報はありがたい。これで余分な水を背負う必要が無くなった。
 六合目を過ぎる頃から雲が広がり小雨が降り出してきた。七合目に着いた時には展望無くなり冷たい風が吹く、次々と登山者が下山してくる。
裏岩手連峰縦走コース1
八合目避難小屋のベランダ
八合目避難小屋の内部
13:50分  八合目避難小屋到着
 汗をかいた体が急速に冷えてくる、展望が全く無いので早々に避難小屋に入る。まだ時間が早いので避難小屋の中は閑散としていた。避難小屋の中は三段ベット状になっていて一、二段は背伸びをすると頭がつかえてしまう。奥の一段目に場所を確保して、管理人さんに宿泊協力金1500円を支払う。(小学生以下は500円、毛布の貸し出しは500円)食事は出ない、食料の販売はカップラーメン(300円)のみ。お湯は無料でもらえる。
 現在九合目にある不動平避難小屋の新築工事の為に、建設会社の方々が八合目避難小屋の隣にプレハブ小屋を設置して寝泊りしている。その為大型の発電機で発電した電気を、避難小屋の方にも分けてもらっているとの事だった。避難小屋の中は蛍光灯の灯りがついている、そして外にあるトイレもドアを開けると自動的に照明がついた。
 夕方になるとポツリポツリと宿泊者が入ってくる、結局10人ほどの方が宿泊する事になった。イヤホンでラジオを聴きながら横になる。次第に冷え込んできた、外に出てみると満点の星空が広がっていた。携帯で自宅に電話する、外のベランダの上は圏内だった。

8月30日(火)
4:30分  起床
 外に出てみると晴れている、気温4℃!寒い。東の空に浮かぶ雲は、赤く色付き初めている。姫神山、早池峰山もくっきりと見える。宿泊者は皆外に出てご来光を待つ。5時ちょっと前に朝日が顔を出した、一斉にカメラのシャッターが切られる。
5:45分  八合目避難小屋出発
 昨日、網張方面から登ってきた方が、お花畑分岐付近で鬼ヶ城の南斜面が崩落する大きな音を聞いたという。そのため管理人さんから念のため鬼ヶ城コースは通らないように・・という指示があった。九合目不動平から直進して、急斜面をお花畑に下りて行く。岩手山の山頂は、何度も登っているので今回はパスする事にした。
 それと言うのも今日は大深山荘まで歩く予定を立てているからだ。三ツ石山荘泊まりでも明後日、八幡平山頂まで充分歩けると思うが、定期バスの最終便が15:15分八幡平発になっている。もしも乗り遅れたら八幡平からタクシーで戻らなければならない。経費節約の為、頑張って歩こう。
八合目避難小屋から眺める朝日
岩手山を眺めながら
避難小屋を出発
7:05分  お花畑分岐着
切通し分岐まで1.5km、岩手山へ3.2km、県民の森へ6.6km
 お花畑の花は殆ど終わっている、僅かにリンドウが咲いている。
九合目不動平からお花畑まで急斜面を下りていく  裏岩手の山々が綺麗に見える
↓八幡平
↓畚岳
↓険阻森
↓大深岳
急斜面にはロープが設置されている
浮石が多く、足元が滑りやすいので注意!
お花畑分岐
お花畑分岐から岩手山を振り返る
↓平笠不動避難小屋へ
←岩手山へ
平笠不動避難小屋方向へ
200mほど進むと
御苗代湖がある
お花畑を過ぎると次第に沢沿いの道になる

地獄谷が近づいてくると沢の底が真っ白く変色している場所があった。
温泉が湧いているのかと思い水に手を入れてみたが冷たかった。

沢沿いの道は山側のササが伸びて張り出している。カッパを着込んできて良かった、スパッツだけではずぶ濡れになっていただろう。
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