羽後朝日岳1
2003年9月15日(月)晴れ
朝日岳
標 高  1376m
所在地  秋田県田沢湖町、角館町
 羽後朝日岳は和賀山塊で和賀岳に次いで二番目に高い山です。国土地理院の地図(1/25000羽後朝 日岳)には朝日岳として山名が載っています。地図上では岩手秋田の県境沿いにある和賀岳貝沢コースから( 山名は記載されていませんが標高1313,4mのピークは「大荒沢岳」)から朝日岳に向かって登山道が伸びてい ます、直線距離にして約1,1kmです。しかしこの登山道は実際には存在しません、2001年に貝沢コースを高 下岳まで歩いた時に羽後朝日岳に向かう登山道に入ってみましたが大荒沢岳山頂までは踏み跡がありましたが その先は藪でした。最近このコースを藪こぎして羽後朝日岳まで歩いた方のコースタイムは片道3時間弱掛かっ たそうです。貝沢登山口から大荒沢岳まで約3時間掛かりますので日帰りでの登山はかなり厳しいと思います。 そんなところから羽後朝日岳への登山は諦めていたのですが、最近秋田県側に沢伝いに登るコースがある事を 知りました。しかも日帰りが可能という事ですので早速歩いてみました。

 東北自動車道を盛岡ICで下りる。そして国道46号を秋田県田沢湖町に向かう、県境の仙岩トンネルをくぐり 秋田側の最後のトンネルを出ると直ぐ左側にドライブイン「峠の茶屋」がある。ここから約3,4km地点の交差点( 最後のトンネルを抜けてから信号2つ目の十字路)を左に入る。農村集落の中を道なりに真っ直ぐ進むと次第に 山道になっていく、道は簡易舗装されていて国道46号交差点から約6,7km地点にあるゴミの最終処分場まで 舗装されている。処分場入り口から左の道に入り砂利道を進むと約1,4kmで丁字路に着く、ここに「部名垂沢 1,4km先→」の標識が立っている。標識に従い右に進むと1,3km付近左側に「部名垂林道」(へなたれ)の標 柱が立っている、ここから部名垂林道に入り約2,4kmほど進むと林道が行き止まりになり登山口になる。
 8月下旬に下見した時には登山口まで車で進入できたのだったが、600mほど手前の部名垂沢に架かる橋 が増水で決壊して通行できなくなっていた。幸い橋手前の路肩に車3台分ほどの空き地が在ったので車を止める 事ができた。
部名垂沢の増水で決壊した林道
登山口の上方に志度内畚から
朝日岳に繋がる尾根が見える→
朝日岳から延びる尾根
8:15分  林道決壊箇所出発
 林道には車が2台止まっていた。部名垂沢の決壊した橋(と言ってもコンクリートパイプを2本並べただけの物だ が)を渡り林道を歩いて行くと下山してくる男性とすれ違った。部名垂沢が増水していてとても登れなかったと言っ ている、確かに水は多そうだが危険なくらいではないようだが・・・話を聞いてみると登山靴に水が入るから登れな いという理由だった。沢登りのコースで普通の登山靴を履いていて水が入るのを気にしているとは・・それに先行の グループは登って行ったという。こちらはずぶ濡れ覚悟で出かけてきたと言うのに・・・
8:28分  登山口着
 登山口とは言っても標識がある訳ではない、ここが登山口かどうかも解らないのだがこれ以上奥には車が進め ない場所ということで仮に登山口とさせてもらう事にする。ここには平成14年完成の真新しい砂防ダムがある。 周囲には駐車スペースが10台分は充分にある。砂防ダムから部名垂沢の上を眺めると遥か上に尾根が見える 、志度内畚から朝日岳まで続く尾根だ。登山口の標高が約340m、尾根の標高が約1260m、標高差920 mあの尾根まで部名垂沢を登っていくことになる。
登山口
登山口から上流には砂防ダムが大小7つある、一番上流の砂防ダムまでは左岸にある荒れた工事用の道路を 歩いていく、ダム堰堤で遮られる場所には迂回路が出来ている。
砂防ダムを過ぎるといよいよ沢歩きとなる、8月下旬に下見に来た時よりは水量が少し多い、そして増水で沢の 石が動いたらしく足場の石が変わっている。沢のあちこちに赤テープが付けられていたのだったが増水でだいぶ流さ れたようだ、水中の石は滑りやすいので靴が濡れる事は気にせず足場をしっかり確保しながら登っていく。
砂防ダム
沢の中を歩いていく
沢の中を歩いていく
右岸が広くなった川原
9:23分  広い川原着
 右岸が開けた場所に着いた。焚き火の跡もあった。
9:31分  枯れ沢との合流点着
 部名垂沢の左岸から枯れ沢が合流している地点に着いた。ここからは部名垂沢の流れが狭くなり倒木や増水 で流された木の枝などが散乱している。部名垂沢の上には朝日岳へ続く尾根が幾分近づいて見えている。
 
朝日岳から延びる尾根
枯れ沢との合流点から部名垂沢上流方向を見る
枯れ沢との合流点から枯れ沢方向を見る
9:53分  二股着
 沢の合流点に着いた。コースは向かって左の沢を登って行く、右手の沢は滝が連続する急斜面だが滝の下に は目印のテープがあったので登る人もいるようだ。
左の沢に入るとガレた岩を敷き詰めたような沢底を勢いよく水が流れ落ちてくる、ここまで来ると飛び石を選んで歩 くなどという訳にはいかない、靴の中には水が容赦なく染み込んでくる。二股を過ぎると勾配も一段と急になって 滝が連続するようになる。
二股、写真左の沢が部名垂沢本流(8月撮影)
部名垂沢本流
二股を過ぎるとガレた沢を登る
10:05分  1番目の滝着
 滝の高さは10m弱といったところだろうか?滝に向かって左側の岩場にロープが垂らしてあった。滝は全部で6 箇所あるがいずれも巻き道やロープが設置してあるので特別に岩登り、沢登りの装備は必要としないようだ。しか しこの道は一般の登山道とは違ってコースの整備は行われていないようだ、多くの登山者が歩く事によって踏み跡 が道になったという感じがする。一歩足を踏み外すと大怪我をする危険性を伴っているので慎重に登って行く、沢 の勾配は次第に急になっていく。
二股を過ぎてから最初の滝
ダイモンジソウ
10:45分  6番目の滝の上着
 最後の滝の上に着くと沢の底からチョロチョロと水が湧き出している、部名垂沢の源流に到着!振り返ると二ノ 沢畚の稜線上に夏瀬ダム湖が顔を出している。沢登りは終わりここからは雑木に覆われた枯れ沢のトンネルの中 を登っていく。今日は天気が良い、山頂からはどんな展望が楽しめるのだろうか?自然に足が速くなる。
最後の滝上から夏瀬ダム湖が見える
最後の滝を過ぎると枯れ沢のトンネルを進む
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えんど