乳頭山～千沼ヶ原１

乳頭山、正式な名称は烏帽子岳ですが山頂の形が乳頭に似ているところから乳頭山と呼ぶ人の方が多いようです。乳頭山へは秋田県田沢湖町乳頭温泉郷の黒湯登山口から登るのが最短コースのようです、私の足では１時間２０分で登りましたが男性であれば２時間少々で充分登れるようです。
今回は岩手県雫石町滝ノ上温泉登山口から登ってみることにしました。復路は笊森山（ざるもりやま）を経由して千沼ヶ原を通り平ヶ倉沼を廻り滝ノ上登山口へ戻りました。

８：４５分　　滝ノ上温泉登山口出発
白沼まで２,２ｋｍ　烏帽子岳まで６,０ｋｍ
　滝ノ上登山口近くには広い駐車場と小さいながらトイレもある。登山口に着いた時ちょうど単独男性が上り始めるところだった、ゆっくり身支度をして登山者名簿に記帳して先発者を追いかけるように登り始めた。昨夜まで雨が降っていたので草の露でズボンがずぶ濡れになるかな？と心配していたがつい最近刈り払いをしたらしく青々とした笹が刈り倒されている。道幅も広くよく整備されていて歩き安い。登山口の標高が６３０ｍ、白沼までは標高差４００ｍの急斜面が続く。

滝ノ上登山口付近の駐車場

滝ノ上登山口

９：４５分　　白沼着
　白沼は岩手県指定の天然記念物モリアオガエルの繁殖地になっている。木製の説明板には、６月下旬になると白い泡状の卵が岸辺の樹木の枝に付着して白い花が咲いたように見えて美しい。と書いてあった。沼の中央に水草が生えているので水深は浅そうだ。

広く刈り払いされて歩きやすい
登山道

白　沼

　白沼を過ぎると次第に急斜面になっていく、登山道の刈り払いは白沼までだった。しかし荒れてはいないので足に草が絡みつくような場所は無い。間もなく登山道は樹林帯を抜けてガレ場の急斜面になる、振り返ると裏岩手連峰の三ツ石山が見えてきた。
白沼から上の道を「マムシ坂」と言うらしい、白沼の上から湿原の上の尾根に着くまでに見かけた蛇は大小２匹、普通の蛇だけだった。後で先行の男性に聞いた話では３匹見かけたと言っていた。登山道で蛇を見かけることは殆ど無いのだが此処は蛇が多いようだ、古い案内地図には「マムシ多し注意！」と書いてあったが新しい案内にはマムシの注意書きは無くなっている。登山道は良く整備されていて足元の視界が良い、間違っても踏みつける心配はないので安心だ。

マムシ坂から三ツ石山が見えてきた

マムシ坂のガレ場

１０：１６分　　湿原着
　急な登りが続いたので湿原の木道に立つとほっとした気分になる。湿原の正面にはなだらかな尾根が見える、目指す乳頭山はあの尾根の向こうだ。湿原から尾根までは小さい沢沿いの登山道を登っていく。
森林限界を超えると後ろには岩手山から八幡平に向かって伸びる裏岩手連峰が、そして正面には笊森山、秋田駒ケ岳、そして乳頭山も見えてきた。

湿原と山頂手前の尾根

尾根の斜面から正面に笊森山が見える

　腰高よりも低いハイマツや潅木に覆われたなだらかな稜線の先に乳頭山が見える。山頂がツンと空に突き出した様子を見ていると山名の由来が想像できる。

１１：１２分　　山頂直下の分岐着
滝ノ上登山口から６,１ｋｍ　千沼ヶ原まで１,５ｋｍ
　右方向が乳頭山山頂、左方向が千沼ヶ原、笊森山を経て秋田駒ケ岳
１１：１８分　　乳頭山山頂着
　山頂直下まで来るとパラパラと雨が落ちてきた。登山口を出るときには青空だったので雨具をもってきていない、まだコースの半分までしか来ていないというのに・・・しかし雲が高いので大丈夫だろう。山頂直下の急斜面で傘をさした５０代の男性とすれ違った、これから千沼ヶ原を廻り平ヶ倉沼方面に下りる予定だという。同行のお誘いを頂いたので今日はこの男性と一緒に下山する事になった。千沼ヶ原で落ち合うことにして乳頭山山頂に向かう。
山頂に着くと雨は止んでいる、岩手山、秋田駒ケ岳が灰色の空に黒い輪郭を浮き立たせている。
陽射しが無いので写真写りはイマイチだが、このところ連日雨続きだった事を思えば今日は絶好の山日和と言えるだろう。
　これから千沼ヶ原に向かうのだが、一旦笊森山に登り上空から千沼ヶ原を眺めてみる事にする。湿原は東西に分かれて２箇所あるのだが湿原の全体を一度に見渡すのは難しい。さしあたり笊森山の山頂から東側の湿原を眺めてみよう。
　乳頭山頂を下り広くなだらかな尾根を進んで行く、笊森山本体の登りが始まる直前に分岐が有った。
１１：４６分　　千沼ヶ原へ向かう分岐着
　この分岐から左に進むと０,５ｋｍ程で千沼ヶ原に着く。此処を直進して笊森山へ向かう。

１２：０２分　　笊森山から千沼ヶ原へ向かう分岐着
　笊森山頂直下の分岐から左に下ると千沼ヶ原へ向かう登山道になる。
１２：０９分　　笊森山山頂着

乳頭山頂から千沼ヶ原方面の展望

笊森山北斜面は紅葉が始まっていた、遠景は岩手山

色付いた木の葉