薬師岳1
2003年月6月5日(木)晴れ
所在地  岩手県遠野市
標 高  1644、9m
 薬師岳は日本百名山で知られる早池峰山の南隣に立つ山です。早池峰山の登山口の一つ小田越登 山口からは1時間30分ほどで登れる山ですので、早池峰山登山のついでに登られる方も多いようです。 今回は早池峰山が遠野三山の一つということで、遠野側から早池峰山へ登るルートを歩いてみようと思い たちました。案内地図を見ると遠野側登山口から横通り「大出コース」を使うと小田越登山口まで2時間3 0分、更に早池峰山頂まで2時間30分とあります。早池峰山まで日帰りでも往復できる距離ですが、早 池峰山へはすでに昨年登っているので今回は薬師岳を経由して小田越登山口に下り、大出コースを戻っ てみることにしました。
登山口手前から見える薬師岳
 遠野市綾織町の国道283号綾織郵便局の丁字路から北へ向い、石上山登山口を通り県道160号( 土淵達曽部線)に合流する。桑原バス停の交差点を左に入って早池峰神社方面に向う。上附馬牛(か みつきもうし)の大出集落に着いた。そして早池峰神社の山門前で今日の山行の無事を祈願する。登山 口の案内標識に従って大野平方面に向って行くと登校途中の小学生が歩いて来る、そして道端の所々に は立木に一斗缶が釣るされていた。どうやら缶を打ち鳴らして熊避けにするらしい、この辺りの山には熊が 多そうだ。 登山口に近づくと牧草地の向こうに目指す薬師岳が見えてきた。東西に稜線を伸ばし緩やか なピラミッド型をしていて、何となく早池峰山のミニチュアといった感じにも見える。 早池峰神社から4、7k mほど進んで馬留登山口に着く、途中の道は良く整備されていて乗用車でも安心して登山口まで進入で きる。
登山口駐車場
登山口
7:45分  馬留登山口出発
又一の滝まで1、0km、薬師岳まで3、5km、(薬師岳経由小田越登山口まで5、0km)大出コースは 小田越登山口まで約6、0km
 登山口の50mほど手前に駐車場がある、広くはないが15台ぐらいは止められそう。駐車場には他に車 が無かった。このコース今日は私一人だけの山歩きになりそうなので音色の違う熊避けの鈴を2個付けてみ た、これで熊も山男が二人歩いてくると思うだろう...? 登山道の左下を流れる滝川の瀬音を聞きなが ら、林間からは蝉の鳴き声を聞きながらの歩きになる。良く整備された中斜面の登りが続き、滝川に流れ込 む支流には丸木橋が掛けられている。
整備された登山道
8:06分  又一の滝着
 滝川をせき止めるように正面に岩壁が立ちはだかっている。灰色の岩肌を舐めるように水流が滑り落ちて くる。落差30mほどの見事な滝、滝の正面には杉の木が数本、そして左岸には小さな祠がある。
ここから滝の上流に向って左岸の急斜面を登って行くと斜面の途中に大出コースとの分岐がある。
又一の滝
8:12分  大出コース分岐着
 薬師岳まで2、5km、「大出コースは薬師堂まで2、0km、小田越まで約5、0km」
この分岐から左に進むと薬師岳山頂を経由して小田越に向う道、右に進むと薬師岳の東斜面を迂回して 小田越に向う道になる(横通り=大出コース)。早池峰山に登る場合は右の大出コースを利用した方が距 離は少し長いが無駄な登りが少ないので時間的には近道になるようだ。 分岐から左に入り薬師岳へと向 う、又一の滝を過ぎると道が細くなった、そして沢には橋が無い。だがしっかりした道なので不安を感じるよう な事はない。
8:17分  滝川を渡渉する
 滝川を渡ると尾根の上まで急斜面の登りになる、200mほどで広い尾根に出た。
横通り分岐
滝川渡渉点
8:27分  尾根の上に着く
 広い尾根の道を見事なブナ林を眺めながら進む。次第に勾配がきつくなり標高1000m付近からは急 登になった。頻繁に立ち止り振り返っては林間を眺めながら進む。足元には筍がにょきにょきと生えている、 熊が出て来ても不思議ではないのだが全く食痕や糞が無い。そして登山道の両脇には小ぶりなマイズルソ ウが群生して白い小花を咲かせている。標高1300m付近からは急登が終り緩斜面になった。
ブナ林の中を進む
9:07分  オオシラビソの森が始まる
 1300m付近からは広葉樹林にオオシラビソが混じるようになった。強い陽射しが遮られるのでじめっとし た雰囲気が林間に漂っている。この辺からはツバメオモト、ショウジョウバカマなどが咲いているが、花の色が 鮮やかだ。特にショウジョウバカマのピンクが素晴らしい!1300m付近でブナからオオシラビソの混合林へと 一気に植生が変化していく様子はこのコースの見所の一つでもある。
オオシラビソが混じるようになった
1300m付近のツバメオモト
9:19分  廃道の分岐着
 登山道の左側に「通行できません」の立札が立っていた。地図を見ると上大出地区から登ってくる登山道 (笹森コース)との分岐点のようだ、少し分け入ってみたが登山道は全く踏み跡が無くなっていた。
9:45分 尾根は次第に狭くなり周囲の樹高も低くなってきた、大きな岩が剥き出しになり、いじくれたコメ ツガ?やハイマツが生えている一見庭園を連想させる場所に着いた。同じ様な場所が他にも有ったな... そうだ焼石縦走路の「御坪の庭」に似ている。
9:50分  森林限界を超える
 庭園を抜けると山頂が見えてきた、ここからはハイマツと石楠花が密生する岩場の道になる。大きな岩の 上に腰掛けて今登ってきたコースを見下ろしながら休憩する。ここからはハイマツの枝に体を擦りながら登っ て行く、そして次第に岩場の道になり山頂に着いた。
庭園を連想させる岩場
薬師岳山頂が見えてきた
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