焼石縦走コース
2000年9月7日(木)
東焼石岳から六沢山
中沼登山口⇒1:15分⇒銀明水⇒58分⇒姥石平⇒22分⇒東焼石岳⇒1:27分⇒金明水
中沼登山口⇒4:02分⇒金明水避難小屋
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 今回は、焼石岳の代表的な登山口の中沼登山口から、姥石平、金明水避難小屋、そして金明水直登コースを通って中沼登山口までの周回コースを歩いてみました。その内の金明水避難小屋までの記録です。

  国道397号から登山口までの尿前(しとまえ)林道、荒沢林道の荒れ具合が心配だったので、4駆の軽トラックで出かける。国道4号線から国道397号に入り後は一路西に向かう。この道は秋田県の十文字町に続いている、石淵ダムの上流からは焼石連峰ビーチラインの愛称で呼ばれ春の新緑、秋の紅葉が美しい。しかし冬期間は通行止めになる。石淵ダムの下流では胆沢ダムの建設に伴う国道の付け替え工事が盛んに行われていた。石淵ダム下流の住宅や商店、それに温泉宿も移転してすっかり無くなり土砂の置き場になっていた。胆沢川を渡り川幅は狭いが深く落ち込んだ尿前渓谷に架かった橋を渡ると、まもなく右側に中沼登山口の案内標識が見えてくる。

7:10分  尿前林道入り口着
 ここから尿前林道に入っていくが、工事車両が進入しているようだ。ダンプが走ったような轍がある。何年か前に来た時は大変な悪路だったが、それに比べるとずっとよくなっている。道に木々や草がはみ出して車に触るようなところは無かった、これなら乗用車でも大丈夫だろう。
7:41分  中沼登山口着
  登山口では駐車場とトイレ整備の工事をしている。今までは駐車場とトイレは無かったがこれで随分便利になると思う。駐車場は約50台といったところだろうか。
7:53分  登山口発
 登山道はだいぶ踏み込まれている。刈り払ってはいないが草木が体に当たるようなところは殆ど無い。登山口に登山道工事中の標識が立っている。雑木林の中を行く。緩斜面の後、少し急な斜面を登ってまもなく中沼に着いた。
8:15分  中沼着
 先に登っていった15人ほどの人たちがベンチに座って休んでいた。木道の工事をしている作業員の人たちだった。中沼から銀明水の手前までの木道の交換と新設をしている。今までの木道はだいぶ痛んでいたから湿原を踏み歩いていたところも有った。登山者が増えているので出来上がれば湿原の保護に役立つだろう。
中沼の外れの湿原で登山道を横切って草むらを動物が歩いた跡が有った。作業員の人がそれを見て熊が歩いた跡だと言っている。小熊だそうだ、「小熊でも喧嘩をしたらとてもかなわないぞ」とも言っている。古い木道の杭穴につまずかないように気をつけて歩いて行く。
8:34分  上沼着
 登山口から1,6km、、銀明水まで1,9km地点についた。焼石岳の山塊には雲が一つもない、風も吹いていない。こんなに天気が良い日は焼石では多くは無い。晴れているうちに稜線に出て、写真を撮ってしまおう。先を急がねば。
8:53分  ツブ沼コースとの合流点着
 この合流点の手前にお花畑が有る。小さな湿原だが焼石のお花畑の玄関口と言ったところだろうか。ここから銀明水まで林間の中斜面の登りが続く、銀明水を過ぎてしまうと高い木は無くなってしまうので木陰を歩けるのは今の内だけだ。
9:08分  銀明水着
 ここから、焼石岳2,7km、姥石平1,9km、ツブ沼6,1km、中沼2,4km
涌き水は数年前に来たときと変わらない水量で流れだしている。広場の木のベンチが新しくなっている。太い丸太を半分に切って、角に切り落としたものだ。これなら長い風雪に充分耐えられるだろう。座りごこちもいい感じだ。どっしりとしている。広場には砂利を敷いたような感じで、整備されている。ベンチに座って一休み、横岳の山稜もはっきりと見える。今日は湧き出してくる雲もない。焼石は天気が変わりやすい山だ、崩れてくると横岳の稜線を越えて雲がどんどん駆け下りてくる。しかし今しばらくは天候が崩れる心配は無いようだ。ところで、銀名水の避難小屋が新しくなったと、何かのニュースで聞いた気がする。
 避難小屋は広場から少し登山道を進んだ右手にあるはずだ。登山道からは見えない、直ぐそこにあるのだが案内の看板も無い、前回に来た時もそうだった。ある場所がわかっているので直ぐに見つけたが、始めてきた人は戸惑うことだろう。石でごつごつした道を登ると立派になった避難小屋があった。2mほどの高さに基礎のコンクリートを打ってあり、トイレの外には浄化槽らしき設備が見える。
 窓はアルミの2重サッシ、外壁は新建材、新興住宅地に有るような建物だ。階段を登っていくと玄関の脇に避難小屋使用上の注意が書いてある。トイレが簡易水洗のため、トイレットペーパー以外の紙を使わないようにと書いてある。玄関を入って直ぐが小さい部屋になっていてトイレのドアが三つ並んでいる、男用、女用、そして冬期間用の三つだ。男用のトイレを覗いてみたが、和式の大小兼用の便器だった、換気用のファンが廻っていてとても山中の避難小屋とは思えない。
 床は木のフローリングで登山靴で歩くのはもったいないようだ。部屋に入ると、両側に一段高く、フローリングの床があって、屋根裏の部屋には梯子で登るようになっている。窓の数が多く、部屋の中は大変明るい。昨年新築したようだ。簡易水洗と言うことも有って、トイレの匂いがしないのが良い。屋根の上に太陽電池があって、トイレのファンと無線用の電源を発電しているようだ。収容人数は20人と書いてあるフトン、薪ストーブ、畳は無い。
銀明水避難小屋
銀明水の涌き水、地面から湧き出して来る
中沼登山口の案内標識
中沼
 銀明水を過ぎると急登になる。ここからは高い木は無くなる。時々沢を横切りながら登っていく、気がつくと一本の沢を何度も横切っていることに気づいた、汗を掻きながら登る。沢の水で腕を洗い、タオルを冷して首に巻いて歩いて行く、しだいに勾配が緩くなってきた。右手遠方には経塚山、天竺山が見えてきた。木道の端に着くと焼石岳の山頂が見えてきた、草原の中に盛り上がった小高い丘といった感じに見える。
 間もなく姥石平に到着、正面に焼石岳山頂、左に横岳、右に東焼石岳に囲まれて盆地状になっている。ここから南本内岳までのなだらかな登山道沿いには色とりどりの花が咲き5〜6月には一面のお花畑になる。
10:06分  姥石平分岐着
 姥石平の分岐から焼石岳山頂までは20分で行く距離だが今回は右に曲がって東焼石岳に向かう。東焼石岳はなだらかな丘といった方が良いような感じだ。標高は40m焼石岳の方が高いのだが焼石岳山頂が直ぐそこに見えるので焼石岳に登って居るような感覚にもなれる。焼石岳の北側には南本内岳も見えてきた。
木道の端から焼石岳
姥石平と横岳
10:28分  東焼石岳着
 標高1507m、姥石平から1km、銀明水から2、9km、金明水まで3、3km、
山頂はなだらかで広い、西に焼石岳、南西に横岳、北西に南本内岳、東に六沢山、その遠方に経塚山、天竺山が見える。少し北側には牛形山も見えている。しかし薄曇になってきたのでそれよりも遠景が見えない。スッキリと晴れていれば早池峰山まで見えるはずだが。南本内岳を見るのは始めてだが、どこかで見たことが有る、、。そうだ秋田駒ケ岳近くの烏帽子岳(乳頭山)に似ている。稜線がなだらかで、山頂がツンと尖っているところはそっくりだ。
 ここから金明水避難小屋まで山の稜線を辿って登山道が続いている。多少のアップダウンは有るがそれほどの標高差は無いようだ。天気が下り坂なので先を急ごう。
 次のピーク六沢山に向かって下っていくと、左側に沼が見えてきた。大小合わせて4個ほど有る、水面は青く澄み切った色をしている。ルートは沼より数十m高い尾根の上を進んでいく、足元は草原になっていて、背の高い草はないので歩きやすい。
東焼石岳から見た南本内岳
10:46分  六沢山着
 標高、1470m、山頂は広くは無い。金明水まで2、3km、姥石平分岐から2km、
 ここからも稜線のコースが続く。ここから金明水避難小屋まで大きなピークが2〜3個あるようだ、ピークを越えるにしたがって標高が下がっていく。登山道はしっかりと見えるが、次第に低潅木が多くなっていく。
11:13分  1380mのピーク着
 六沢山の次のピークに着いた。膝から腰下までのツツジ状の潅木に被われている。ここからの登山道はそんな感じだ。次のピークは1300m、そこを過ぎれば牛形分岐だ。
11:33分  牛形分岐着
 焼石岳から4、8km、六沢山から1、7km、金明水まで0、6km、経塚山まで3、4km、
 かつてここから牛形山まで尾根伝いに登山道が有ったという、1/25000の地図には今でも記載されている。しかし今では低潅木に被われていて全くルートが見えない。少し分け入ってみたが全く歩けない。稜線をすかしてみても登山道の名残りは全く見えなかった。廃道になってしまったのだろう、残念なことだ、ルートがあれば日帰りの周回コースとして、あるいは金明水避難小屋に一泊して縦走コースとして歩くにはちょうど良いコースなのだが。
 下っていくとまもなく金明水避難小屋が見えてきた。天竺山を背景にして登山道の鞍部に建っている。草原の急斜面に木製の階段が出来ている。下っていくと雑木林に入り沢を渡ってぬかるみを渡り歩いて行くと、まもなく金明水避難小屋に着いた。
牛形分岐から牛形山
天竺山の麓に金明水避難小屋が見える
←天竺山
↓牛形山
避難小屋→
11:55分  金明水避難小屋着
 中沼登山口から9、7km、4:02分、姥石平分岐から4、3km、
 避難小屋前のベンチで一休み。金明水避難小屋は、木造高床式で木の階段を登るとテラスが有りそこで合羽を脱いで中に入る・・と言った作りになっている。内部は一階だけ、薪ストーブ、フトン、畳は無い、宿泊は10人ほどだろうか、新しくは無いがこざっぱりとした建物だ。直ぐ近くに金明水の涌き水がある。休んでいると、経塚山方面から熊避けの鈴の音が聞こえてきた。どんな人だろう?山中での出会いは楽しみの一つだ。待っていると、やってきた人は大きなリュックを背負った一人の男性だった。ベンチに座って話を聞いてみると、千葉県からきた60代の方だった。
 今朝夏油温泉を出発今晩は避難小屋に一泊して明日は中沼登山口に下りる予定だと言う。30代からトレッキングを始めたが、山歩きの魅力に取りつかれたきっかけは、先輩に裏岩手縦走に連れって行ってもらい、その時に藤七温泉や松川温泉を宿にして裏岩手を歩いては温泉に浸かり疲れを癒したのが忘れられなかった。と言っていた。今でも月に1度は山を歩くようにしていると言う。
 やはり山の楽しみ方は、一泊の装備をしてゆっくりと歩くのが1番だろう。なかなか仕事の都合で一泊は難しいが何時か挑戦してみよう。さて、これからどうしたものか。休んでいるうちに30分が過ぎていた。これから真っ直ぐに来た道を戻っても4時間は掛かる。明るい内に中沼登山口に戻るには余裕の時間は一時間半だ。これから今日の目標である金明水直登コースに入ってみよう。そして、30分歩いて道がはっきりしていなければ引き返して来た道を帰ろう。
えんど
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