2005.11.23
悪者はご近所さん

ようすけちゃんのニッキで、かの「同級生片想い殺害事件」の現場の近所を仕事で通る、という話があった。


オレの人生でそういう事件が身の近くで発生したのは、小学校への通学路の途中のアパートでの殺人事件だ。
事件の詳しいことはよく知らない。
事件の翌日だったか、遊びに行くときにそこを通ると、1台のパトカーが去っていった。
ふだん人通りの少ない現場にはテレビの中継車が集まっていて、初めて見る警察犬なども含め、
たくさんの人が集まった異様な光景だった。

マスコミの1人がなぜか通りかかったオレに話しかけてきた。
「パトカーみなかった?」
「みました」
「とっち行った?」
「あっち」
という会話をする。
…なんだか未だによくわかんないが、小学校低学年だったオレとしては
「となりの奥さん? ふだんは明るくていい人だったけどねぇ」
的な、ドラマのワンシーンに出たような気分で面白かった。

あとは、中学のオレは通らない方面の通学路で通り魔があったっけ。


なんでこんな話をしているかというと…
いま耐震強度偽装で世を騒がせている姉歯一級建築士。報道で「千葉県市川市の姉歯建築設計事務所」という表現をよく耳にする。
はぁ、わが市内の人か、と気になっていたので、きょうネットで調べてみた。

するとだ、市川市富浜2という情報を引き出した。
富浜… 妙典の駅の周りじゃないか!
地元も地元だった。さらに調べると2chの掲示板がひっかかり、番地と電話番号まで出ていた。
奇遇にもようすけちゃんに続いてオレの近所でも世を騒がす人間が現れたのだ。

こうなったら家を見にいかない手はない(笑み)
番地は駅から1本海側の路地を入ったところ。19時まえにチャリで訪れてみた。家からチャリで3分くらいか。
iFsで妙典のガストに寄ったことがある人がいると思うけど、あのガストの前の道を挟んだ反対側に姉歯の住処があるのだ。
住宅街のため街灯もさほど多くないのだが、マスコミらしき人間が固まって立っていたのですぐわかった。

あんまりジロ見するわけにもいかず、通行人を装って通り抜けた。
マスコミのやつらはもっとガン見してるんだけどね(笑み)


まーしかし、「被害者」は膨大な数にのぼるわけで、とんでもない奴がこんな近所にいたわけだ。

今回震度5クラスで倒壊の恐れがあると言われたのはヒューザーが建築主の9棟、サン中央ホームの3棟、シノケンの3棟、京王電鉄の1棟。
京王は茅場町の京王プレッソインというホテルだったが、五反田のプレッソインも耐震強度計算に改ざんの跡がみられるということで、
茅場町に続いて営業停止となったようだ。京王に限らず、今後こういう物件が続々出るのは間違いない。
ほか、よくよく調べたら、大きな地震がこなくても、数年後には経年劣化で倒壊する可能性がある物件も出た。

あちこち見ていると、基準を満たしていないマンションの「建築主」であるヒューザーの物件は、どこも周囲の同条件の物件よりも安いんだとか。
間取りや立地が同じでも、1,000万も安かったりするという。
そこには、目に見える部分では床暖房の省略などがあるんだそうだが、基礎の省略もまた間違いないだろう、と。
そして、ヒューザーの物件の施工を担当した木村建設は不渡りを出して業務停止になってしまったそうで、
きのう得意先が訪れたら社屋に貼り紙があって、社員はだれ一人出勤していなかったそうな。
その得意先はおととい行こうと連絡したら「きょうはダメだからあすの9時に」と社長に言われて来たのに、そんな状況だった。

ここのコラム「じしんのひがいにあう」でも扱った今年7月23日の地震は、足立区で震度5強を記録した。
木村建設施工のマンションの住人がこの地震の直後にロビーへ降りると、
そこには木村建設の社員が来ていてケイタイで「はい、異状ありません」という会話をしていたそうだ。

ヒューザーの社長が芝居がかった記者会見をしていたけど、とにもかくにも、係わった業者の大概が何もかもわかってやっているということだ。

今後こういうのが姉歯と無関係なところでもどんどん出てくるんだろうな。
あまりに安いマンションも逆に買うには勇気がいる、ということにもなりかねない。


何を信じればいいのかわからない世の中になってきた。
知らぬが仏、とはよく言ったもんで。

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