ターニング・ポイント


2001.8.3 Fri.
パ・リーグ公式戦
Fs-H 19回戦[東京ドーム] 観衆:24,000人
8-13
TN
1
2
3
4
5
6
7
8
9
R
H
6
3
1
0
1
0
2
0
0
13
F
0
0
1
4
0
0
1
2
0
8

W星野10勝6敗 L岩本5勝7敗 HR松中28(3) 城島21 秋山7 小久保33(3) 小笠原20 實松1(2)・2(2) バルデス15



-STARTING MEMBER-
Fs
 
H
1
小笠原
柴 原
2
奈良原
大 道
3
片 岡
井 口
4
オバンドー
小久保
5
井 出
松 中
6
上 田
城 島
7
金 子
秋 山
8
野 口
バルデス
9
森 本
鳥 越
P
岩 本
星 野

金曜のナイター。
当初行けるわけがないと思っていたが、仕事が異常に早く仕上がり、行くことにした。

予告先発はおととしの調子を取り戻した星野と、えー、いつだったっけ、調子よかったのは…(爆み)なガンだ。
ともあれ、オールスター寸前になって、ガンも調子が上がってきた。
オールスター明けの最初の試合に先発したガンは早々のKOだったが、たまにはそういうこともあるさ。
きょうはやってくれるだろう…。会社を出る頃は試合は始まっていたが、とくに速報の類も見ずにいた。

東京ドームの外野入口は後楽園駅の目の前。ってことで、会社から近い銀座駅から丸ノ内線でドームへ向かう。
東京以外の方に説明すると、丸ノ内線は地下鉄。ってことでiモードの速報も見られないのだ。

何も情報もないまま後楽園駅を出ると、ドームの前にあるスクリーンが目に入る。
CSの中継画面がそのまま流されているので、中の状況がわかるのだ。
ダイエーの攻撃のようだ。強力打線相手にガンの左腕が唸る!

…さわん? あん? あれはルーキー・加藤じゃないか!
すでにガンの姿はなかった。

中に入り、通路からライトスタンドに入ると、正面に見えるバックネット裏上空にあるスコアボードに0-6と表示されていた。まだ2回表だ。
「なん…」
心の中で“なんじゃそりゃ”とつぶやきかけたその直後、レフトから大歓声が…。
ふたたびバックネット裏のスコアボードを見ると0-9
「来たら3点かよ」
さらに心の中で三村マサカズになってツッコんだ(爆み)

小久保加藤から3ランを打った瞬間だった。

おーけん、のりさん、RINさんのグループに合流。のりさんに試合経過のメモを見せてもらった。
1回表に松中城島秋山の三者連続アーチがあったようだ。秋山に打たれたところでガンはKO。
井口三邪飛の一死しか獲れなかったようだ。

加藤は三振でアウトを獲って行くが、3回表には大道にお得意の右方向への二塁打を浴び0-10とされる。

3回裏・二死走者なしからオガ。HR19の表示を目にして「よし、20号だ」と私が呟いた通り、20号が出た(笑み)
もう、私のホームラン予言もふつうになってきた。やっとこさの得点で1-10

4回表・加藤続投もキャッチャーが野口から實松に代わった。
野口のリードの悪さに対する罰だと思われたこの交代。
この試合だけではない、後の事の運びを考えたとき、非常に重要な一瞬となった。

ファームで組んでいたこのバッテリー、この回を三者凡退で切り抜ける。
その裏の4回裏・突如制球難に陥った星野は、シャーマン井出に連続四球。
上田倒れた後、金子が右中間へ運びタイムリースリーベース。3-10とする。

そして、守備から出場の實松に早速回った。
昨年のプロ初打席、捕られはしたが左中間あたりへの大きな飛球だったと思う。
もともとバッティングにも期待のもてる選手ではあった。

そして、この打席、レフトポール際へ大きな打球が飛ぶ! 柵は越えた! ホームランか!?
いや、ファウル。どう見てもポール際1mを切った距離のところに入った。
「うひゃ〜〜」ライトスタンド全体がそんなタメ息を吐いたその次の球、實松の打球が今度はこっちに飛んできた!
そしてライトポール際、こんどはフェアゾーンのスタンドに飛び込んだ!
プロ入り第一号アーチだ!
その瞬間に立ち会えた喜びもあった、同時に、左右どっちにもフッ飛ばすその秘められたパワーにただただ驚かせられた。
得点はやっとこさ5-10。しかし、新たな「刺激」を受けたスタンドは大量リードのような大盛り上がりだ。

5回表・バルデス加藤からソロ。まぁ、この人もFs戦でよく打つんだ。
ちょっと前に勝ちを意識した瞬間があったのに、直後のこういう中押し点ってガクってくる。5-11

6回裏・二死から金子を一塁において實松の第二打席。
しかし、空振りの三振。さっきの一発はやっぱり、先輩・野口同様1・2の3の決め打ちだったのか?
…と思わせるほどの豪快な空振りだった(笑み)

7回表・佐々木が走者2人を背負って柴原を迎える。
ここで、佐々木はワイルドピッチ。三塁から秋山が生還。
さらにまたもやワイルドピッチで、お次はバルデスが三塁から生還。
なんだかんだで柴原は三振。この三振ひとつ獲る間に、バラバラに2点を失った。こんなのプロでは見たことないなぁ…。
大道にヒットを許したが、ここまで無安打の井口はなんとか仕留めて、この回終えて5-13となる。
またまた8点差。結局、佐々木がぶっ壊してしまった。味方にもダメージの大きい失点の仕方だった。

7回裏・二塁打のオガをおいて二死から片岡のタイムリーで1点返して6-13
しかし、つづくシャーマンがサードゴロ。
昨年までなら、ランナーがいれば最低でもセンター前へミートで抜いていたシャーマン
しかし、打率は1割低い.250だ。このところホントに期待できない。

8回・抑え半失格状態のミラバルが敗戦処理で登場。三者凡退。
ビハインド登板はいっつもこう。敗戦処理を全部ミラバルに任せちゃってもいいんじゃないか、ってくらい調子がいい。
その裏・井出を一塁において實松の第三打席。
応援団のコールはもちろん「ホームラン、ホームラン、さっねっまつっ!」だ。
そして、その期待が現実になった!
右中間方向へ飛んだ打球はグングン伸びて、スタンドイ〜ン!
プロ入り第一号の日に、二本目も打ってしまった。7月1日にナマで見た高山久と同じことをやってのけた!

この二発目が、新たなヒーローの誕生の瞬間だった。8-13

9回表・ミラバルは相変わらずで三者凡退。オマエのその勢いは勝ちゲームになるとどこに行っちゃうんだ!?

9回裏・奈良原に代わってショートに入っていた賢介の打順。
右の岡本だからそのまんま打って然りと思いきや、代打・中村豊
右投手対左打者なのに右の代打を出す、この東尾っぽい采配(爆み)が当たって、はレフト前ヒット。
さらに片岡四球で、無死一・二塁のチャンス。ふたたびチャンスで四番・シャーマンに回った。
一発出れば無死のまま2点差まで詰め寄って試合がわからなくなるところだったが、期待はずれの空振り三振。
オマエが打たなきゃ誰が打つ? って場面で打ってくれなくなってしまった。どうしたの?

この後井出がセンターフライ、手首の痛みと疲労でスタメンを外れていたユキオが代打もライトフライで試合終了。
あるところで引退説が流れたユキオ、時期を合わせるようにスタメンを外れたのでちょっと心配…。
 

ダイエーはランナーが出れば必ず得点するという展開だった。
つまり、0点の4イニングはすべて三者凡退。効率がいい、と言っていいだろう。
 

スコアを見ると試合は大敗だが「一発を秘めた實松」という新たなヒーローが誕生した。

【●●●今季観戦通算 3勝11敗 勝率.214●●●】



さて、この8月3日の観戦記は観戦してからだいぶ経った8月14日の深夜に書いている。日付はすでに15日だ。
この3日の試合の翌日、實松はスタメンマスクを被る。その4日は中村豊のサヨナラヒットで勝利。
さらに続けてスタメンマスクの5日は再び一試合二発を放って、勝利。試合後、初のお立ち台に上がった。
7日の近鉄戦で敗戦するも、8日10日12日13日14日と5連勝! すべて實松がスタメンマスクだ。
なんと實松がスタメンマスクになってから7勝1敗!!
この8試合、マスクは独り占め。野口は代打でしか試合に出ていない。
野口が巻き返すチャンスすら与えていないわけだ。
…まさに、3日の試合の交代出場が大きなターニングポイントになった。
今後の動向に注目だ。


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