編集後記         「娘へ」   あなたが亡くなって17年が過ぎました。今日は命日です。  あなたに何もしてやれなかった事を、心から申し訳なく思っています。 毎朝のランランとの散歩は、山口川に沿って歩きますが、30分ほどの落ち着いたひと ときです。あなたに対して、こういう時間を持ってあげることが出来ませんでした。 朝日を浴びたネコヤナギの銀色のうぶ毛を、それから、土をそっと持ち上げる健気な フキノトウを、あなたと分かち合う事が出来ませんでした。ごめんなさいね。 つぐないに何か出来る事があるでしょうか? 今になっては何も無いかも知れません。  時間を取り戻すことは出来ないのですから。 でも、私に残された時間をクリニックにいらっしゃるお子さんたち、家族の方たちに 差し上げる事は出来るかもしれない。 いいえ、出来そうだと思いませんか? そう、大それたことは出来ないけれど、「おとなは子どもの味方ですよ。」と、しっか り伝えたいなーと思います。そして何か困った事がある時は、家族の方たちと一緒に、 共に考えて行きたいと思っています。 本当にささやかな力しか無いけれど、そうし たいと願っています。  2003年4月15日 内田瑛子 記

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