1.フミカちゃんのプレゼント
 2.休日診療所のであい

            2005/11/6 new

  
フミカちゃんのプレゼント

フミカちゃんの作品
フミカちゃんは4才です。 3ヶ月健診以来クリニックのおなじみさん
です。クリニックに来る時はお父さんかおばあちゃんと一緒です。
去年まではいつもいつも泣いていました。今はニコニコして入って
きます。 昨日はお咳とゼロゼロがあったのでお薬を出しました。
又今日も来ています。そんなに悪そうでもないのにどうしたので
しょう。
「どこかが痛いそうです。」とおばあちゃんがおっしゃるのですが、
どこも昨日と変わった変化は無いのです。頭から、胸も、背中も、手
も足も見ましたが、悪くなったように思えません。どうしたのでしょう。
「なんか持ってきたのでしょう。早く先生に見せなさい。」と又おばあ
ちゃんが促しました。フミカちゃんが20センチ四方くらいの白い箱を
そっと開けました。 黄色や、緑や、青や、赤紫の折り紙が入って
いました。
「先生にあげる。」とようやくフミカちゃんが言いました。「じゃあこれ
をください。」と赤紫のをもらいました。「お雛さまらしい」とのおばあ
ちゃんの言葉でした。このプレゼントのためにきちんと診察の順番を
待っていたらしいのでした。本当にありがたい事でした。
優しいフミカちゃんの心に熱いものを感じました。 

ブドウ


           
休日診療所のであい

ワレモコウ  お隣の庭
ある日、知らないかたから一通の手紙が届きました。
9月の休日診療所ではじめてお会いした患者さん方からでした。
休日診療所には市内の医師が交代で日曜、祭日に勤務して
います。
確か30代の女性でした。症状と便性から細菌性腸炎が疑われ
ました。しかし休日のため培養検査が出来ません。又市の予算
の都合で、子ども用のFOM(細菌性腸炎の抗生剤)はあります
が成人用の錠剤がありません。ですから子ども用の甘いお薬を
たっぷり飲んでいただきました。
 お手紙の一部分をご紹介します。

コスモス  河川敷公園
       内田先生
前略
9月19日休日診療所でお世話になりました。その節は大変お世話
になりましてありがとうございました。
4日間調子が悪く、休み明けを待てずに診療所にお世話になりました。
とてもとても甘いお薬でした。一週間でだいぶよくなりまして、今は
すっかり良くなりました。お礼が大変遅れてすみませんでした。
何を食べてもお腹をこわした事がなく、身体も丈夫で病院にかかった
事が無かったのですが、今回はとても怖い思いをしました。
健康で暮らせる事の素晴しさを心から感じました。
10年以上勤めた会社をある事情で止めました。今は資格を取ろうと
勉強中です。
今後とも市民のためによろしくお願い致します。
先生もお身体大切にしてくださいませ。      草々

ヨウシュヤマゴボウ    裏山
    
       お返事
お手紙をありがとうございました。 とても美しく丁寧なお手紙で
心から嬉しく思いました。
いつもの診療は、お子様が主体ですが、休日診療所では子ども3に
対しおとな2という割合で患者さんがいらっしゃいます。
それぞれの方が背景にいろんなものがありますから、できるだけお
話をしっかり伺いたいと思って居ます。宮古市は予算が大変なので、
お薬の準備が十分ではありません。今回もお子様用の甘いお薬を飲
んでいただきました。本来なら細菌培養をした方が安全ですが、
休日のため出来ませんでした。体調が改善されて本当に良かった
です。人生には、思いがけない、辛く悲しい事はつきものです。
でも何かに向かって努力する事、チャンスを逃がさない目線を持つ
事で、ある日突然素晴しい場面に出会えるように思います。
どうぞ良い日がやってくる事を信じて頑張ってください。
     ではお元気で。       2005/10/24     内田 瑛子

ナナカマド   図書館
  

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