☆☆大学の学生さん
     クリニックで実習
          2005/8/26 new
  
    
6月27日(月) いよいよ☆☆大学看護学部の学生さんが来院しました。
クリニック実習の初日です。 ほっそりと美しい方でした。クリニックの実習は
6/27(月)、 7/1 (金)、7/4(月)です。もう一日6/28(火)には保健センターで
6ヶ月健診を見てもらいました。その他に、宮古市社会福祉協議会、佐原保育所
で合計二週間の実習でした。
学生さんのテーマは「発達障害をもつ児の環境と課題」というものでした。
当科はごく普通の小児科の診療所ですので、市中の一般小児科の診療の流れ
を見て貰うことにしました。基本的な、子どもさんやお母さんお父さんetc.との
コミュニケーションのとりかた、診療の進め方、日常のケアの指導のし方を、いつも
のようにありのままに見てもらうことにしました。
この週はアデノウィルス感染症、溶連菌感染症、感染性胃腸炎、水痘、突発性
発疹症、ヘルパンギーナ、ムンプスなどの感染症が多く、喘息発作、アセトン血
性嘔吐症の症例もあって、症例の種類、件数には比較的恵まれました。
可愛らしいエプロンをつけて、実習生のネームカードもつけて、真剣に一日一日
を過ごしてもらいました。お昼にはクリニックのスタッフと一緒に食事をしてもらい
ました。
 どうでしょう、子ども好きの若い方が一人増えたでしょうか?
  
    
 7月23日 ☆☆大学看護学部から書類が届きました。
学生さんのレポートのコピーでした。
 1、始めに  2、ケース把握  3、考察  4、まとめ  5、文献と 段が進み
A4判、3ページに仕上がっていました。3、考察がとても素晴しいと思いましたので
紹介いたします。岩手県の障害児療育についての考察でした。
私の心の中で封印していた問題についてでした。
障害児療育について、特に沿岸部は恵まれないと思っていましたが、その問題
について目をつむったまま、言葉に出さないまま開業18年間を過ごしてきました。
 今学生さんから明確に指摘されたのでした。

    
    
    「発達障害をもつ児の環境と課題」
〜宮古市の事例を通して〜     ☆☆大学看護学部4年  高田 幸子

3、考察     (1,2,4,5、部分は省略します)
 宮古市の課題として3点を挙げた。一点目は、宮古市においては、児が診断を受ける
病院や療育を受ける専門機関がないために、定期的な訓練を受けることができていない。
また、時間をかけて盛岡や一関に通わなければならないという精神的なストレスや、
肉体的な疲労もあると考えられる。二点目は専門職の技術レベルの向上が必要であると
考える。三点目は障害を持つ児や親に対する理解と協力が得られるような環境作りをして
いく必要がある。専門職と周囲の人が一緒になって支えていける地域全体の仕組みが
必要である。
  
     
7月30日 岩手小児科医会が、盛岡市内で開かれました。伊東宗行先生から
報告がありました。先生は重症心身障害児施設みちのく療育園の施設長をしてい
らっしゃいます。

「第4回岩手県障害児療育のあり方検討委員会の報告」
昭和35年にできた都南の園が老朽化している事とあわせて、療育センターのあり方を
議論した。現在まで4回の会議が開かれた。
    療育センターには5つの機能を持たせる。
1.相談部門
2.診断部門
3.治療療育部門
4.地域支援-盛岡市近郊以外の地域にサテライトを設けるか、その地域で行
   われている 小児の発達障害支援事業を支援する。
5.研究、実態調査、情報発信部門
問題は、県の予算の範囲でどのように実現できるかという点である。

  委員会のメンバーは、小児科から森田、千田教授、和田、米沢、伊東、整形外科
から田澤(都南の園園長)、県教育委員会、岩手大学教育関係者、保健福祉関係者、
保護者代表である。 (敬称略)

  付記: 第5回委員会は 7月7日岩手水産会館で開かれました。会議録は
       岩手県障害保健福祉課のホームページに載っています。ご覧ください。
      第6回委員会は 8月25日 13:00〜15:00  傍聴できるそうです
                詳細は上記ホームページをご覧ください。
  
    
8月2日(火)早速に、この委員会について、学生さんと、☆☆大学の担当の先生
にメールを入れました。
このシステムが発足したらどんなに素晴しいことでしょう。「うちの子は発達が
遅れているのではないか」と感じた時、「うちの子は学校に行けないでいる」と悩んだ
時、上記の1.か4.の方法で受診すれば良いと明示されたわけです。私たち一般
小児科医も助かります。
委員の皆様、どうぞ頑張ってシステムを作り上げてください。お願い致します。


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