2003/2004
 
インフルエンザ物語






              2004/3/14   new
 今シーズン(2003/2004)のインフルエンザ流行について書いてみます。
昨シーズン(2002/2003)は迅速診断キッドが無くなったり、輸入品の治療薬、オセルタミビル
(タミフル)の小児用ドライシロップが品切れになって大変難儀しました。今年はどちらの小児科
でも、秋口には、ワクチン、迅速診断キッドを十分に準備しました。薬局でもオセルタミビルを
十分に準備しました。そう思っていたせいでしょうか、いつもの年より流行が早く感じました。
12月13日、小児科の豊島先生から「インフルエンザAが発生しました。」とメールが入りました。
12月22日には新里診療所の大和田先生から「高校生にインフルエンザ流行中」とメールが入り
ました。うちにはこないですねーと話していましたら第51週、第52週(12月最後の週)に続々と
インフルエンザの方々がやってきました。工業高校、商業高校、宮古高校の修学旅行の生徒
たちが運んできたらしいのでした。 ある家族のケースを紹介いたします。











 父は 宮古工業高校教師  
       12月9日から12月12日の修学旅行につきそった
        旅行先は長崎、大阪、京都
        旅行の後、学校内で 高熱者 が続出した
        本人は12月24日、25日、26日39℃以上が続く
        25日の 簡易検査で インフルエンザA (他医)
  第3子 (3才) 26日 37.3℃
          27日 38.8℃ 簡易検査で インフルエンザA(当科)
  第1子(10才) 27日 37.8℃  検査なし
  第2子 (8才)  27日 38.5℃  検査なし
    母は全く 症状無し
        治療  父と子ども3人は オセルタミビルを使用








26日にはまだ元気があった第3子が、27日にはぐったりとソファーに寝そべり、第1子、第2子
も同様に横になっています。「せんせい、お正月におじいちゃんの家へ行って良いですか?」
とけなげな質問をします。「5日間も時間がありますから、きっと良くなりますよ。」と答えました。
後日聞くところによりますと、お子さんたちは翌日の夕方には解熱して元気になったとのことで
した。おじいちゃんとおばあちゃんは、ワクチンもしてあったそうで、無事でした。
  お母さんは、ずっと何事も無くお元気でした。

















2003年 第52週 (12月20日〜12月27日)















2004年 第5週 (1月26日〜1月31日)
















岩手県結核感染症サーベイランスのホームページから、週ごとの発生地図をダウンロードして
使わせていただきます。岩手のインフルエンザは宮古が流行の最先端でした。2003年第52
週は、宮古で、1定点あたりの週間患者発生数は7.0人、一関8.2でした。その後どんどん
発生数は増加し、第5週は殆どのエリアで、30人を超えました。 第6週は沿岸部は下り坂で、
内陸部はまだ猛威を振るっています。第9週になりますと宮古は早くも終息に近づいています。
 













2004年 第6週 (2月2日〜2月7日)
















 2004年 第9週 (2月23日〜2月28日)

















2002/2003 発生時期の比較 全国、岩手県、うちだ小児科クリニック 2〜週のずれがある





































2003/2004  発生時期の比較 
全国、岩手県、うちだ小児科クリニック 
  ほぼ同時期の発生

 インフルエンザも桜前線も、南から北へゆっくり
とすすむものでした。今シーズンは修学旅行生
たちに運ばれて、超特急でやってきました。
人、物の流動が病気も運びます。