クリニックの一日
「モックンとの秘密の時間」
ある不思議な時間がありました。
「独りで いいの!」といすに座ったモックン、3才6ヶ月。
診察が終わって、お母さんは弟ヤックンを迎えに待合室に引き返し、
看護婦さんもふっと居なくなり、モックンと私の二人だけの瞬間が
来ました。
モックン「触ったら恥ずかしいかな?」
私 「いいよ!」
モックンは小さい人差し指で私の右手首にそうっと触れました。
映画「E.T.」の一場面のように。
しおれかかった花が、ふと生き返ったあの場面のように、私にも、
パワーが伝わってきました。
急に温かいものが胸いっぱいに広がりました。
楽しい診療が続きました。
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