下図のように、日本の子どもは夜10時以後に寝る子が約半数を占めるに至った。
「夜ふかし朝寝坊」の問題点を挙げた。
a)生体時計と地球時間のずれ
ヒトの脳には生体時計が備わっている。生体時計の一日は24時間より若干長い。毎日
朝の光を浴びる事によって、短くリセットする。夜中の光は周期を長くする働きがある。
つまり夜更かしをすると、(夜明るいところで過ごしていると)無意識のうちに生体時計の
周期が長くなり、地球時間とのずれが大きくなる。又夜ふかしは朝寝坊となるため朝の
光をあびそこねる。つまり地球時間とのずれがさらに拡大する。慢性の時差ぼけ状態
となる。
b)メラトニン分泌抑制
メラトニンは眠りを誘発するホルモンである。暗くなると分泌され、明るいと分泌が抑制
される。また一生の間では、1才から5才の間の分泌量がもっとも大であることが解って
いる。夜ふかし朝寝坊をくりかえすとメラトニン量が次第に減少する。
(くわえて成長ホルモンも、夜眠っている間に分泌される)
c)セロトニン
セロトニン(神経伝達物質のひとつ)の働きが低い時、攻撃的になる事が動物実験で
解っている。朝の光をあびるとセロトニン活性が高まる。又咀嚼、呼吸、リズミカルな
筋肉運動はセロトニン活性を高める。夜ふかし朝寝坊をすると、朝の光の浴び方が少
なく運動量が少なくなり、セロトニン活性が低下し、イライラ感や、攻撃性が増す。
神山先生からの夜ふかし対策
@子どもに適切な睡眠時間を与える事はおとなの責務である。A生体リズムの調整に
まず必要な事は朝の光を浴びる事 B生活リズムの調整のポイントはまず早起き、そし
て昼間の活動量を増やす事(寝る事から始めようとするとうまくいかない)
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