宮古医師会立准看護学院
      の閉校式
                     2006/3/16  new
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4月22日  市内臼木山
  
  3月8日宮古医師会立准看護学院の閉校式が行われました。
宮古医師会立准看護学院は昭和39年に開校され、10年遅れて高等看護学院が
開校されたそうです。准看2年、高看3年で看護師が仕上がります。初期において
は准看は中卒で入学が認められたそうです。ここ十年ぐらいは、高卒または他の
職業、専門学校卒、大卒の方も入学してきました。主婦で卒業された方もいます。

私は准看の1年生に小児科を教える係りを14年間続けました。毎年6月、7月と
9月、10月に計15回の授業を受け持ちました。始めは大変苦痛でした。誰も理解
している表情をしなかったからでした。毎回講義の前日は胃が痛くなりました。
不登校になりそうでした。でも良い考えが浮かびました。紙芝居式に絵で示したり、
写真を拡大したりして提示しました。しかしその方法は前から3列くらいまでしか
見えないようでした。 ここ数年はパソコンでのスライド作りを覚えたので、大画面
で颯爽と講義をしました。初めて最後の列の学生さん達も大きくうなづくのが見えま
した。目を丸くしてスライドを見つめる方が沢山居ました。そのあとで机の間を歩くと、
口々に質問をしました。ようやく若い世代と意思疎通ができたと嬉しくなりました。
講義1回終了するごとに、過去10年間の資格試験の問題をやってもらい、丸つけは
教務の先生にお願いしました。スライド使用の講義は、成績のやや上昇という効果
を産みました。今後はスライドを修正しながら、より美しくしていこうと思った矢先でし
た。 国の方針で医師会立の准看2年、高看3年は否定されました。教室の大きさ、
教務主任の人数の増加など次々と条件が引き上げられ、ついに閉鎖に追い込まれ
ました。
4月19日  市内山口川にそって

  宮古市内には県立高看があり、毎年凡そ20人の卒業生を輩出しています。
  医師会立准看は約30人、高看は約20人の卒業生を輩出しています。
医師会立准看の卒業生は、資格試験の後、およそ3分の2は高看に進学します。
3分の1は就職します。人それぞれに事情がありますので、准看と高看と二つのタイプが
あって良いと思います。働きながら学ぶ道があること、人生の途中からも進む道を選べる
ことは、社会に柔軟性を与えると思います。何よりも看護学院が地方にあることが、地方の
医療者の補給となっていると思うのです。
  宮古医師会立高看は他県のそれよりも授業料が安く、又国家試験の合格率が高い
ので、北海道その他の地方からの准看卒業生が大勢入学しています。
宮古医師会立准看の最後の卒業生は、入学時は29人で、卒業時は20人でした。
この41年間で1122にんの卒業生を送り出しているとの事です。
最後の卒業生20人全員が資格試験に合格できました。20人のうち12人は高看に進学が
決まっています。 盛岡医師会立に2人、水沢の県立高看に5人、岩手看護専門学校に5
人です。 20人のうち8人は市内の病院、医院に就職が決まりました。
どうぞ皆さんそれぞれの道を頑張ってください。

現在2学年が残っている高看も2年後は閉校となります。そうなると宮古市内での看護師
誕生は県立高看からのたった20人のみとなります。その方たちの多くは県立病院勤務を
望みます。
  これで良いのでしょうか? 医療者が都会に集中して、やがて地方には看護師が
不足するのは目に見えているのではないでしょうか。 10年、20年、30年後、産婦人科医、
小児科医だけではなく、看護師も 風前のともしび という状態になりそうな予感がします。   

最後の宮古医師会立准看護学院卒業生、第41回生 20人      宮古市民文化会館


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