|
第48回岩手県小児科医会談話会・講演会
日時 平成18年1月14日(土)3:00p.m.〜
場所 盛岡 ホテル東日本
対象者 岩手県内の 小児科医
1. 会長挨拶、
2. 報告(事務局より、日本小児科医会理事会報告、日本小児科医会
代議員貨医会報告、東北北海道地区小児科医会連合会報告
県医師会より、各郡市医師会より、認定医関係の報告、各委員会
より報告、 岩手県の療育センター構想(計画)について*
( *11月28日第7回岩手県障害児療育のあり方検討委員会 会議録)
3. 協議 (保険診療問題について)
以上の会議は夕方5時までかかりました。
引き続き特別講演二つが各一時間ずつ開かれました。
内容を少しお知らせしたいと思います。
|
|
|
特別講演 1 「小児喘息の治療戦略
〜2005ガイドラインを踏まえて」
講師 吉原重美 先生 (独協医科大学小児科講座助教授)
座長 和田 博康先生 (岩手県小児科医会副会長) |
|
|
始めの山は一過性の早期喘鳴を示しています。
二つ目の山は非アトピー性喘鳴を示しています。
三つ目の成人に続く山が、IgEに関係する気管支喘息を示しています。 |
|
吉原重美先生のお話は、上記グラフの、三つ目の成人に続く山が、小児期早期に
適切な治療を施すことにより、二つ目の山に近づくようにしようという、つまり
early intervention(早期介入)に主眼が置かれていました。 |
小児喘息のearly intervention (早期介入)
1.出生前
母は禁煙する
母にLactobacillus投与 (これは症例がまだ不十分、追試が必要)
2.出生後
抗原の回避 (食物について、ダニについて*1 )
受動禁煙の回避
乳幼児のウィルス感染症からの回避
抗アレルギー剤の投与
3.二次介入
1. a 増悪因子の回避
b 薬物によらない増悪予防
2. 不可逆性病変の回避
a 抗喘息薬(抗炎症薬*2)積極的導入
b 十分な発作の抑制
付記 : *1 日本においてはダニが環境因子では最も多い。
スウェーデンではダニはほとんど無く、動物上皮が多い。
住む環境で大変異なる。
*2 ステロイド吸入について
1歳未満の症例が少なく、副作用についてのデータも少ない。
データの集積が待たれる。使用して10年〜15年の経過を
見なければならない。
ステロイドは、好酸球系の炎症を抑える。好中球系の炎症は抑えない。 |
|
|
特別講演2「テレビ漬けがつくる言葉の遅れ
〜しゃべらない、笑わない、遊べない、キレル、多動〜」
講師 片岡 直樹 先生 (川崎医科大学小児科学第一講座教授)
座長 小川 英治 先生 (日本小児科医会副会長)
生下時から、TV、ビデオ、コンピューター、ゲーム、CD、電子おもちゃ、カード
に囲まれての育児が増えている。その結果コミュニケーション障害の児が増加している。
にんげん間の応答が失われた環境に置かれると、赤ちゃんは@心が育たない A立体
認識が育たない B五感を使う実態経験が育たない。
2、3歳になって他者とのコミュニケーション不良に気づく場合が多い。その場合は
TV、ビデオ、コンピューター、ゲーム、CD、電子おもちゃ、カードを消して、もう一度
乳児にもどった状態と考え、子どもと直接触れ合って、アナログ的な育児をやり直さ
なければならない。
著書 「しゃべらない子どもたち 笑わない子どもたち 遊べない子どもたち」
メタモル出版 2003
「テレビ・ビデオが子どもの心を破壊している」 メタモル出版 2001
|
|
|
第22回岩手県学校保健・
学校医大会
日時 平成18年1月15日(日)10:00a.m.〜3:00p.m.
場所 盛岡 岩手県医師会間 4F大ホール
対象者 岩手県内の 学校医
(小児科、内科系、眼科、耳鼻科、整形外科、産婦人科
精神科、歯科)
県内小中学校の教師、養護教諭
県内の保健師、保育士
|
|
指定講演 「岩手県内における性教育実施状況の解析
アンケート調査より」
講師 岩手県医師会思春期保健対策委員会委員
秋元 義弘先生(県立大船渡病院産婦人科科長)
岩手県内すべての小中学校にアンケートを出して、性教育の問題点を浮き彫りにされました。
秋元義弘先生は平成14年より、岩手県医師会 思春期保健対策委員会の委員をしていらっ
しゃいます。アンケートに答えたのは養護教諭75%、教諭22%、教頭3%です。
先生は30枚以上のスライドを提示されて、理解しやすい講演になるよう努力されていました。
「性教育の無かった時と、なされた後の意識変化」について、下記の結果でした。
「意識面・行動面で変化がありましたか?」 変化がありましたと答えたのは、生徒65%、教師
57%、保護者38% でした。
「意識面・行動面の変化内容」に付いての質問は生徒側は、@気軽に話題に出来るようになった
A教師への相談が増えた B生活態度が変わった C性に関する問題行動がへった ことを
あげています。 教師側は @性教育の必要性を痛感 A話題にのぼるようになった B積極的
な取り組み C協力的になった D現状を認識 をあげています。 保護者側は@意見・展望
が増えた A研修会・学集会の実施 B関心の高まり Cよく話題にのぼるようになった D性教育
の必要性を痛感 をあげていました。
最後のスライドは「子ども達の望まない妊娠や性感染症を防ぐためにどのようなことが必要か?」
三者まとめての答えでした。 上から順に、「正しい知識」「自己肯定感」「保護者の意識」「他者の
尊重」「命の尊さ」「発達段階に応じた性教育」があげられていました。 |
|
特別講演「青少年の自立形成
(不登校社会的ひきこもり現象をめぐって」
講師 森下 一 先生 姫路市 森下神経内科診療所所長
兵庫県生野町 生野学園高校名誉理事
鎌倉市 鎌倉てらこや名誉会長
先生は 京都大学医学部を卒業された後、精神科医として数箇所の病院に勤務された後
姫路市に森下神経内科診療所を 開設されました。不登校児に対して、クリニックの中で40分
50分話してみたところで、解決にならない、と気づかれたそうです。 そのときから本格的に
不登校児への取り組みを始められました。
自分で感じ、自分で考え、自分で判断し、行動し、責任をとる、つまり、今を生きることの出来る
子どもたちを育てたいと、考えていらっしゃいます。
今の子どもたちは実体験が無い、あまりにも人工的な環境で育っている。ひとつの実験として
鎌倉市の建長寺において、希望者の小学生数十人と、お兄さん役の大学生(早稲田大学、
横浜大学の学生)数十人と森下先生、住職様の二泊三日の合宿生活の試みについて
話されました。
静かな、そして情熱的なお話でした。持続するエネルギーは素晴らしいと思いました。 |
|
|
|
平成17年度大第2回岩手県医師会学校医部会幹事会
1月15日昼休みを利用して開かれました。
出席者: 会長(石川育成)、部会長(岩動孝)、常任理事(小原紀彰) 副部会長
(小林秀樹、南吉昇、森田友明) 幹事(黒川賀重、菅野孝)
幹事..盛岡市(松田恭一)、岩手郡(上原充郎)、紫波郡(足澤輝夫)
花巻市(小原能和)、北上(根本薫)、水沢(樋口明文) 江刺(菊池
一博)、一関(阿部俊也)、東磐井(菊池宰) 気仙(大津定子)
釜石(岩井利男)、宮古(内田瑛子)、遠野(千葉純子)、久慈(斎藤
裕) 二戸(藤田良二) 岩手医科大学(佐藤宏昭)
議題 報告 @平成17年度活動報告 A第17回東北学校保健・学校医大会
B第36回全国学校保健・学校医大会 C岩手県教育委員会との
懇談会について
協議 @平成18年度学校医部会事業計画(案) A平成18年度学校医部会
予算(案)
各地区幹事の発言から 下記を参照してください |
|
A4 |
小児科の大津先生、産婦人科の秋元先生が先
にたち、小学生が赤ちゃんに接する時間を持
つ事になりました。子ども達、教師、医師の感動
の記録です。気仙医師会0192−27−7727に
申し込みますと、一部800円で買う事が出来ます。 |
|
|
釜石市、大槌町の試み
母子手帳とおなじ大きさ
で、母子手帳と同時に
渡します。
基本的に大事な事を新米
ママパパに教えています。
例えば 下記のように。 |
|
|
気仙地区(大津定子先生) | 釜石地区(岩井利男先生) |
|
|
|