第三回
宮古周産期研究会
    2004/5/16  new

   マイヅルソウ

エンレイソウ

平成16年4月26日  宮古周産期研究会が開かれました。
市内の小児科医と 産婦人科医が 共に集い勉強と懇親を図りましょう
という会です。  今回の話題提供は下記の2題でした。

「両側卵管閉塞に対する卵管鏡手術について」
         鍋島 寛志 先生  (宮古病院産婦人科科長)
「最近の当院新生児入院患者について(統計)」
         三浦 邦彦 先生  (宮古病院小児科科長)

出席者は下記のとおりです    (敬称 略)

産婦人科小児科
宮古Hsp. 鍋島 寛志 (科長)
早坂 真一

三浦 邦彦 (科長)
斉藤 雅彦
加賀 元宗
堀井 享
診療所 山田 吾一
木村 忠一
伊東 邦郎
松井 正之
川原田 隆司
内田  瑛子


オオバキスミレ
「両側卵管閉塞に対する卵管鏡手術について」
         鍋島 寛志 先生  (宮古病院産婦人科科長)

鍋島先生はこの4月新科長として県立宮古病院に赴任されました。
考えて見ますと、産婦人科の講義を受けましたのは、医学部卒業以来初めての事です。
スライド25枚を使っての、とても理解しやすいお話で感動しましたので、その一部を要約
してお伝えしましょう。

不妊症は、統計の処理により多少異なりますが、10組の夫婦のうち1〜2組にあります。
不妊症の原因は、10組のうち7ケースは女性に、3ケースは男性にあります。
その女性7人のうち2〜3人が両側卵管閉塞に原因があります。先生は1995年12月から
2002年11月までの、東北大学医学部付属病院産婦人科において、卵管鏡下卵管
形成術を施行した44症例のうちの38症例についてまとめられました。卵管鏡下卵管
形成術を施行した後の妊娠率は、クラミジア感染がない場合は53%で、クラミジア
感染があった場合は37%でした。不妊症について、体外受精が行われる場合が多い
のですが、卵管鏡下卵管形成術は保険適応がありますので、比較の表を提示します。


体外受精
卵管鏡下卵管形成術
保険適応があるか
×
      
男性不妊に有効か
      ×
多胎妊娠をさけたい
     ○
........
........
........
........
........
........
........
........
........
妊娠率
20〜30%/1周期
50〜60%/術後


チゴユリ

「最近の当院新生児入院患者について(統計)」
         三浦 邦彦 先生  (宮古病院小児科科長)

 三浦先生は昨年4月から宮古病院小児科の科長を務めておられます。
私たち個人診療所で扱うのが困難な症例の場合、いつでも快く引き受けて下さいます
ので、市民の一人としてとても感謝しております。
先生は2001年、2002年、2003年の三年間の宮古病院小児科に入院した新生児に
ついて、まとめてお話されました。出席者に、資料がプリントアウトして配布されました。


2001年(平成13年)2002年(平成14年)2003年(平成15年)
999g以下      0      0      0
1000-1499g      3      1      2
1500−1999g      8      8     13
2000g−2499g      40      36      46
2500g以上     138     155     151
     189     200     212

毎年およそ200人の新生児入院があり、90%は宮古病院において出生した児であり、10%が
他院で出生した後に、転科入院した児なそうです。200人という数字は、岩手医大についで多い
との事でした。少ない小児科の医師で新生児室も、一般の入院も、外来も診ておられる事がよく
理解できました。大変な激務だと感じました。


シラネアオイ


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