グループホーム「柿の木ホーム」の報告

  ひな祭り

    2004/3/14  new


  母にとって生まれてはじめてのおひな祭りでした。
母は84才です。介護認定2の軽い痴呆があり、昨年春から「柿の木ホーム」にお世話
になっております。入居者は9人です。ヘルパーさんたちの、献身的でエネルギッシュ
そしてユーモア溢れる介護に心から感謝しております。とても身内だけではこのような
介護は無理だなーと思います。隔月に、家族と一緒の昼食会を開いて下さいます。
毎回新しい趣向をこらした素晴しいイベントに仕上げてくださっています。
  この2月最後の日曜日は「お雛祭り」でした。ヘルパーさん達とおばあちゃんたち
で作った茶巾ずしやらおいなりさんやら、おひたし、お漬物、そしてイチゴやパインが
バイキング風に所狭しと並べられていました。 テレビの脇の特等席には立派な
お内裏様とお雛様が飾られていました。そのそばの壷には桃の花と菜の花が満開
でした。雛人形は創設者の及川先生のご寄付だったのでしょうか。
 母は戦後のつらい時期を五人の子育てに費やましした。苦労続きの母の来し方を
思うとふっと熱いものが胸にこみ上げてくるのでした。
 私もスライド、プロジェクター持参で参加いたしました。
去年の秋「柿の木ホーム2周年記念の会」の昼食会時に、皆様お一人お一人をデジ
タルカメラに収めておりましたので、それをスライドに作ったのでした。スライドの背景は
柿の木ホームにちなんで柿渋色を選びました。                                 















  小田中主任さんの司会で雛祭りは進行します。
アイディアに溢れた会の進行は主任さんならではの素晴しいものでした。
声も大きく広いホールの隅々まで届きました。スライドで大写しのおばあちゃんが出場
するたびに、主任さんがコメントしてくださいます。
テーマは、「あったかい春がきたら何をしたいですか?」
  あやさん 「ずーっと遠い海に行きたい。ここら辺の海でなくずっとずっと遠いところ。」
    小田中主任さん「それはちょっと無理かもしれませんねー。」
  きくさん 「山へ行きたい。親も兄弟も居るし、いろんな物が採れる。」
  すみさん 「八人兄弟みんなで一緒に食事をしたい。」
  なかさん 「ここが一番良い。ここにずーっと座っていたい。」
  ていさん 「千徳に行きたい。大きな店があるはず。別に何にも欲しくないけれど
        自分の足で店の中を歩きたい。」
    主任さん 「その夢はきっとかなうでしょう。みんなで行きましょう。」

おばあちゃんたちのなんとささやかな願い事でしょう。それぞれが戦中戦後の苦労の
多い人生だったことと思いますが、又表情には深い歴史が刻まれていますが、願い事
は本当にささやかなものでした。
  主任さんの指導で、ひな祭りの歌や、サッチャンはねのかえ歌や、沢山の歌の合唱
をしました。 とても楽しくあっという間に一時間半が流れました。
  これからもどうぞよろしくお願いいたします。                                   

















付記:ボランティアの方がお一人いらっしゃいました。美容室「のんの」の先生でした。
    9人の柿の木ホームのおばあちゃんたちが、いつも特別にきれいにしてもらって
    いるそうです。 この日もそれぞれが美しく髪型を決めていました。
    とてもありがたいことです。
付記:柿の木ホームが開所したとき、岩手県で18番目だったそうです。今は45ヶ所に
    なったそうです。もっと需要はありますから沢山できると良いなーと思います。
    この日は4月開所予定の田野畑村のグループホーム「虹の家」の男性職員が
    泊まりこみで実習にいらしていました。スタッフ構成は両性ともいらしたほうが
    よいと思いました。
                                                


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