日本小児アレルギー学会
             群馬県前橋市にて
         11月3日(金)、11月4日(土)

2000/12/3
 気管支喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などアレルギー性疾患がとても増加して
いるので、診療を一日お休みして出席しました。盛り沢山の特別講演やシンポジウム、一般
演題がありました。内容が素晴らしく,スライドが美しく、お話がはっきりして発音も明瞭という
講演が大好きです。
 アメリカのメイヨークリニックで免疫部門の教授をしておられる紀田博仁氏の「気管支喘息に
おける好酸球の役割とその活性化機構」はとても興味深いものでした。
 好酸球が組織に運ばれて、アメーバのように偽足を出して組織に接着し、種々の化学物質
を出しつつ自らの寿命も終了するという電子顕微鏡写真はとても感動的でした。
好酸球性炎症は、活性化させる因子、それを増殖させる因子、それを抑制する因子の三者
のバランスの上に成り立っているという講演でした。

日本小児科学会宮城地方会
 東北大学小児科同窓会
      11月18日(土) 仙台市にて
学会場に着いたのは一般演題が終了して特別講演に入るところでした。
若手の新鮮な研究に与えられる、荒川賞と成澤賞を受賞されたお二人が特別講演をされま
した。三十一歳の武山淳ニ先生の講演は大変解り易く,興味深いものでした。
エストローゲンとエストラディオールの胎盤と胎児への発現について研究したものでした。
エストラディオールはエストローゲンの十倍の強さを持つ。妊娠を持続させる為に胎盤にお
いては酵素によってエストローゲンからエストラディオールに変化が進む。しかしそれは胎児
に対しては催奇形性と発癌性を持つ。 それなのに何故正常な児が生まれうるのかという
疑問から研究は始まったそうです。
 答えが解りました。胎児の胃、小腸,大腸の上皮細胞と肝臓の血管内皮細胞に、エストラ
ディオールをエストローゲンに変える酵素が存在する事を証明できたそうです。だから胎児
が無事に成長できるとの事でした。スライドもとても素敵でした。生命の不思議な仕組みに
感激しました。







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