山口小学校保健委員会 2003/3/31 new |
私は宮古市立山口小学校の学校医をしています。山口小学校はほぼ市 の中心にあり、児童数は凡そ430人です。 2月26日水曜日午後7時から山口小学校で保健委員会が開かれました。 一年に二回学校保健委員会は開かれます。山口小学校では七月と二月 です。委員会は二十数名で構成されています。学校側からは、学校長の 佐々木先生、教頭の三田地先生、保健主事の一条先生、養護教諭の高橋 先生を始めとして七人、PTA側からPTA会長と副会長、及びPTA環境保健 委員会十一人(今回は六人出席)、それに加えて学校医(内田)、学校歯科 医(林先生、及川先生)、学校薬剤師(笹井先生)で構成されています。 今回は全部で十五人出席しました。とても活発な意見交換がありました。 まず第一の話題は、養護教諭の高橋先生から詳細な歯科検診のデータ が提示されました。春の健診と秋の健診の比較です。歯科の林先生から 貴重なコメントを沢山いただきました。健診の結果を父母に伝えるだけでは なく、担任の先生から「きちんと治療しましょう」とか「治療はすみましたか」と かの声がけによって、治療率に大きな差が生じるでしょうとの事でした。 春には現在の歯総数5764、う歯総数832、処置歯数472(56.7%)、未処置 数360(43.3%)でした。担任の先生方も「治療しましょう」と声がけをしました。 秋には現在の歯総数6404、う歯総数693、処置歯数397(57.3%)、未処置数 296(42.7%)でした。治療率は少し上がったようです。
次に第二の話題として私がこの冬のインフルエンザ発生状況について
話題提供をしました。インフルエンザの発生は全国いっせいに始まるので はなく、南の方面から始まりました。岩手においては、久慈、宮古の沿岸か ら始まりました。岩手では1月第2、第3、第4週にインフルエンザ発症が始 まりましたが、全国平均で見るとその時期は既にピークでした。観測定点 は全国に約5000医療機関があり、岩手県は62医療機関です。宮古保健 所管内は、県立宮古病院小児科、内科、うちだ小児科クリニック、県立山 田病院、済生会岩泉病院の5ヶ所です。1定点当り人口約2万人〜2.5万 人となっているようです。流行の始めは磯鶏、津軽石方面を除いて、インフ ルエンザAが主流でした。3月に入ってからは、インフルエンザBのみの流行 となりました。 インフルエンザの簡易迅速診断キッドは、ほぼ安定した結果を示していまし た。第1病日より第2病日がはっきりした結果が出ました。鼻腔拭い液の採取 が上手であるほど、鮮明に結果が出ました。検査結果により抗ウィルス剤 を使用するかどうかが判定されますので、大変便利です。しかし検査キッドも 、抗ウィルス剤も輸入品なので、途中品切れで困りました。又聞く所によりま すと、検査キッドも、抗ウィルス剤も世界生産の半分以上を日本が消費した のだそうです。先進国と自負するのであれば、ワクチンについてもっと真剣 に取り組む必要がありそうです。 による欠席者数についてよく整理されたグラフが提示されました。 1人が週に3日欠席すると3人と数えます。つまり欠席者の延べ人数です。 山口小学校の欠席者は第9、第10、第11週にピークがあります。先に提示しま した折れ線グラフと比較しますと、山口小学校は市内では流行が遅い方に属 していました。幸いにしてインフルエンザ脳症については経験しませんでした。 もともと喘息のあるお子さんは気管支炎、肺炎を合併しやすいので丁寧な 治療が必要でした。何人か県立宮古病院に紹介入院となりました。 |
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