6月の学会
                    2002/7/17 new
2002年6月1日(土) 日本小児科学会宮城地方学会 仙台
  特別講演「小児病院における救急医療の問題点」国立成育医療センター
        総合診療部 救急診療科医長 阪井裕一先生
                            感想ここをクリックしてください


   












2002年6月27日(木),28日(金)、29日(土) 日本小児神経学会 仙台
  第一日目のみ出席できました。
シンポジウムT 脳を育む
 1)脳科学者からからの提言―愛が脳を育む―  松本元 先生
        理化学研究所脳科学研究総合センターブレインウェイグループ
 2)学習.教育の科学:脳機能イメージングによるアプローチ 小泉英明 先生
        科学技術振興財団「脳科学と教育」領域統括日立製作所中央研究所
 3)脳と育児を結ぶもの:赤ちゃんから学ぶ  小西行郎 先生
        東京女子医科大学乳児行動発達学
 4)脳と教育を結ぶもの:子どもたちの疲労と学習障害に学ぶ 三池輝久 先生
        熊本大学医学部小児発達学
会長講演 非侵襲的脳機能検査法の進歩と小児神経  飯沼一宇 先生
        東北大学大学院医学系研究科小児病態学   感想ここをクリックして下さい
特別講演T 脳損傷からみるヒトの記憶機能  山鳥重 先生
        東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学
教育講演U 脳神経発生の分子メカニズム  大隈典子 先生
        東北大学大学院医学系研究科器官構築学  感想ここをクリックして下さい

2002年6月29日(土) 日本小児科学会岩手地方学会 盛岡
   出席できませんでした。

 
2002年6月1日   宮城小児科地方会 特別講演
阪井裕一先生はカナダのトロント子供病院に勤務された後に世田谷の国立小児病院
に赴任されて十年余になるそうです。 以下は先生の御講演からのまとめです。
1965年国立小児病院が創設され、以来三十数年たって幾つかの問題点が出てきまし
た。 この四月に国立小児病院と、同じ世田谷にある大倉病院が合併して、国立成
育医療センターという名前になって再発足しました。トロント子供病院や欧米の子
供病院には循環器科とか内分泌科とかの専門科の他に一般小児科(general pediat
rics)がありますが、今までの世田谷の国立小児病院にはそれがありませんでした。
従って@診断が困難な疾患の場合、A疾患が複数にわたる場合、B救急疾患などに
ついては受け入れる事ができませんでした。新生児におけるNICUについては日本の
医療レベルは世界的なレベルと言える。成人についてもICUが勿論ある。しかし欧
米に有って、日本にはPICU=小児ICUが無かった。 この四月漸く国立成育医療セン
ターの中に総合診療部救急診療科=PICUが作られ、阪井先生が初代医長に就任され
たのでした。24時間体制で総合診療部救急診療科=PICUが稼動を始めました。医師
は日勤が4人、夜勤が3人、計7人なそうです。 この四月から初めて患者さんは紹介
状無しで受診できます。     24時間の1時間あたりの来院患者数のグラフが示され
ましたが、 朝9時から夜9時までに殆どが来院しており、夜9時から朝9時までは0人
〜3人/時間の来院数でした。救急車から「本当に患者さんを運んでよいですか?」と
電話が入る事があるそうです。今までの三十数年救急車が入る事は無かったからで
す。今後とも救急診療科=PICUの有り方については検討し続ける必要があると結ば
れました。
内田付記:
  病院の有り方は時代とともに変わるでしょう。患者さんの要求内容も変わるでし
ょう。又後に続く若い医師たちの要求も変わるでしょう。喜んで小児科医を志す若
い医師たちが育つ環境と条件がぜひ欲しいです。
                 6月の学会にもどる





















2002年6月27日 日本小児神経学会  会長講演  飯沼一宇東北大学教授
 非侵襲的な脳の検査法について大変解りやすいご講演をされました。

20世紀に入り、脳の機能及び形態を可視化する技術が次第に進歩してきている。
 第一世代:EEG(脳波) 脳の電気活動を増幅して可視化する。てんかん発作
                の診断に有用
 第二   :各種誘発電位
 第三   :CT 及び MRI 脳の形態を可視化する
 第四   :PET、SPECTおよびfMRI 画像に機能を加味した検査法
       MEG(脳磁図) 脳波と併用する事によって脳内の異常放電の局在
                がより正確になった
       MRS 脳内の代謝産物の検出分布を知る。
       DTI ある一定の方向性を持つ細胞の配置を推定できる。
 第五  :光トポグラフィー 三次元構造表示に時間軸を加味した検査
                 てんかん発作時の血流変化などを測定できる。 

内田付記:第三世代までの検査法は日常診療で行われています。第四世代から
   の検査法はまだ研究段階にありますが、MEG(脳磁図)についてはEEG(脳波)
   およびMRIと併用する事によって、てんかん発作の局在を精密に特定できる
   ようになりました。それによっててんかん外科の対象となる症例も報告例が増え
   つつあります。          6月の学会にもどる

教育講演U 大隈直子 東北大学教授
脳神経発生の分子メカニズムについて
わくわくするような大変魅力的な御講演をされました。


     6月の学会にもどる