nVIDIA GeForce7600GSでHDTV出力する方法

2007/04/29

現在の構成

項目 型番 搭載端子
ビデオカード nVIDIA GeForce7600GS AGP D-sub15pin DVI S端子/コンポーネント(HDTV対応)
ディスプレイ 平面ブラウン管 MITSUBISHI RDF171S D-sub15pin
TV 平面ブラウン管 SONY KV-25DA65 コンポジット S端子 D端子(D1) AVマルチ

まず始めに、HDTV対応とはビデオカードの出力端子にコンポーネント端子を使い、
映像フォーマットは480iや480p、1080iなどのアナログコンポーネント出力です。
言い換えればD端子と同じ出力形式です。(D1~D4相当、ただし画角情報はなし)
HDTVといってもHDMI端子ではないので注意が必要です。

ビデオカードのS端子コネクタに専用のアダプタを接続することでコンポーネント端子に変換します。
端子をよく見るとS端子は4ピンであるのに対して、HDTV対応ビデオカードのものは7ピンになっています。
このコネクタはS端子とコンポーネントアダプタの両方が使用可能で、ビデオカードの設定さえあっていればどちらも出力できます。
(7pinのコネクタでも4pinのS端子ケーブルが刺さり、S映像出力が可能)

通常のS端子
ビデオカードのS端子

HDTV対応S端子
ビデオカードのHDTV対応S端子

テレビと接続する際は入力端子を確認します。
コンポーネント端子とD端子は相互接続が可能です。
KV-25DA65の場合はコンポジット、S端子、D端子(D1)、AVマルチとなっていて、ここではD端子が対応します。
テレビによってはコンポーネント端子のみの場合もあるので、確認しておきます。
ビデオカード側はコンポーネント端子なので、反対側の端子で使うケーブルが変わります。
ビデオカード側:コンポーネント⇔D端子:テレビ側
ビデオカード側:コンポーネント⇔コンポーネント:テレビ側
この2パターンが考えられます。
必要な長さのケーブルを家電量販店やパソコン専門店で購入します。
あとはビデオカードのコンポーネント端子とテレビの入力端子を接続します。

多くの設定はGeforce6800XTでTV出力する方法を参考にしてもらうと多くの設定方法は似ています。
ただ、異なる点がいくつかあり、私の環境ではいくつかのトラブルに遭遇したのでその対処方法も紹介します。

画面の色がおかしい場合

ケーブルを接続してテレビをD端子/コンポーネント映像に切り替えると、画面は映るが色が明らかにおかしい場合、
まずケーブルがきちんと接続されているか確認してください。
特にコンポーネントケーブルは端子が3つとも同じ形になっているので、端子の色の組み合わせを間違えずに接続する必要があります。
接続を確認しても直らない場合は、ビデオカードの設定を確認します。
画面のプロパティの詳細からGeForce7600GSのタブを選択します。
ここではクラシック表示の場合について説明します。
クラシック表示に切り替える手順(ForceWare90)
クラシック表示に切り替える手順(ForceWare160)

nView ディスプレイ設定を選ぶと、マルチディスプレイの設定画面が表示されます。
画面中央の黒いテレビを選択し、画面右下のデバイス設定をクリックします。
するとさらに項目が現れるので、TVフォーマットを選択する→480i SDTVを選択します。
その後、さらに下にある詳細をクリックします。

nViewデバイス設定 HDTV

次の画面のように、ビデオ出力形式の欄が「Y Pb Pr」になっていることを確認しましょう。
もし正しく設定されていない場合は、この画面から信号フォーマットを「480i SDTV」に設定し直しましょう。
また、テレビがD2以上に対応している場合は、次の表の通りに設定することが可能です。

信号フォーマット対応D端子備考
480i SDTVD1インターレース(ブラウン管テレビなど)
480p EDTVD2プログレッシブ(液晶テレビなど)
1080i HDTVD3インターレース(ハイビジョンテレビなど)
720p EDTVD4プログレッシブ(ハイビジョンテレビなど)

nViewデバイス設定 詳細 HDTV

画面の端がテレビに入りきらない場合

これは私が経験したトラブルですが、上記のように設定した後、画面の色は正しく出るようになりましたが、
画面の上下左右がはみ出てしまい、タスクバーやウィンドウの閉じるボタンが見えないなどの状態になりました。
テレビは通常、映像の端が見えないようにこのようなオーバースキャンという状態に設定されています。
これをnVidiaのドライバ側で調整します。
先ほどの詳細をクリックして表示されるテレビ設定画面を開き、右下にあるデバイスの調整をクリックします。
本来はこの画面でテレビのアイコンの中央に、拡大と縮小が出来る「+と-」のボタンが表示されるはずなのですが、
コンポーネント出力を設定するとこのボタンが消えてしまうようです。(再度S端子でNTSC出力した場合は表示されました)
なので、ここからオーバースキャンの調整は現時点では行えないようです。(ForceWare 93.71 2k/XP)
ただ、ダメ元でテレビアイコンの下にある「初期設定に戻す」ボタンを押してみましょう。
私の環境はこれを押したところ、テレビの映像がかなり縮んで、上下左右に黒帯が入るアンダースキャン状態になりました。
こうすることで、多少小さく見えますが画面全体が映るようになり、タスクバーや閉じるボタンなども押せるようになりました。

2007/08/07 追記
ForceWare 94.24 2k/XPを使えば次の画面の画面の位置調整、拡大縮小機能が動作しました。
また、ここで調整が出来れば次のテレビ側の調整は必要ありません。

nViewデバイス調整 HDTV

テレビの上下左右を合わせる

上記の手順で、オーバースキャン状態(上下左右が表示領域からはみ出る状態)を回避することが出来ました。
しかし、画面の端まで拡大して表示する方法があります。
SONY製のテレビ、VEGAを使っている場合はサービスマンモードを利用することでこれが可能になります。
ただし、この方法は上級者向けの機能で、失敗するとまともにテレビも見れなくなってしまう可能性がありますので、
あくまでそういう方法があるという程度にとどめておきます。
ソニーのベガをお持ちの場合は「SONY VEGA サービスマンモード」などのキーワードで検索してみてください。
私はこの方法で画面にぴったりサイズで表示できるようになりました。

画面の縦横の比率(アスペクト比)が正しくない場合

画面に色が出るようになり、上下左右の幅も正しいのに、何となく映像が横伸びに感じることがあります。
あるいはビデオオーバーレイで動画をテレビ再生すると何かサイズがおかしい場合、
テレビ側の解像度を変更してみましょう。
今までの手順ではデュアルビューの場合、テレビ側の解像度が720x480に自動設定されるようです。
PC側の解像度が1024x768などの縦横4:3比率の場合、テレビ側を640x480(4:3)に設定してみましょう。

これで縦横の比率が正しく表示されるはずです。
ただ、PC側とテレビがワイド(16:9や16:10)の場合は私の環境では試せなかったので
ここではご紹介できません。

2007/08/07 追記
ForceWare 94.24 2k/XPにおいては解像度とアスペクト比が変更されており、
4:3の平面ブラウン管テレビに出力するには720x480が正しい解像度のようです。
よく分からない場合はPCの画面で正円が表示される画像を用意し、それをテレビ側に出力させて
テレビ側でも正円に表示される解像度を選んでみてください。

テレビの解像度を640x480に設定する

最後に

私の環境はすべてアスペクト比4:3のブラウン管で、テレビ側もD1対応のSDTVなのでHDTV対応と言っても
映像がS-Videoよりちょっと良くなったかな程度の効果しかありませんでした。
コンポジット出力の方にはS端子出力をお勧めするところですが、
S端子を使っている人にHDTV端子は素直に勧めにくいという印象を感じました。
テレビがプログレッシブ対応やハイビジョン対応などの場合は良いのでしょうけど、
SDTVの人はわざわざケーブルを買って試す価値はなさそうです。
映像が綺麗になるメリットより、設定等が混雑になったり、オーバースキャン調整が出来なくなるデメリットの方が大きいようです。
ただ、オーバースキャン調整は画面上では設定できませんでしたが、「初期設定に戻す」を押すと変化があったことから、
今後何かしら調整の手段が見つかる可能性があるので、それに期待するしかなさそうです。

2007/08/07 追記
ForceWare 94.24 2k/XPでオーバースキャン領域を調整できない不具合が解消し、
やっとまともに使えるようになったようです。
ただ、現時点でバージョン162.18がGeforce7シリーズにも対応したため、94.24を利用する価値はあまり無いかもしれません。


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